2018/12/20 23:20

今も色褪せないトトロ人気、「作品をビジネスにしない」宮崎駿の魅力―中国メディア

日本で1988年に公開されてから30年たった今年12月14日、ついに「となりのトトロ」のデジタル・リマスター版が中国で公開された。公開から4日間で、興行収入は9400万元(約15億円)に上った。
日本で1988年に公開されてから30年たった今年12月14日、ついに「となりのトトロ」のデジタル・リマスター版が中国で公開された。公開から4日間で、興行収入は9400万元(約15億円)に上った。

宮崎駿監督の名作アニメーション映画「となりのトトロ」は、中国でも高い人気を誇っているが、これまで映画館で正式に公開されたことはなかった。しかし日本で1988年に公開されてから30年たった今年12月14日、ついに「となりのトトロ」のデジタル・リマスター版が中国で公開された。公開から4日間で、興行収入は9400万元(約15億円)に達し、1億元(約16億円)の大台突破も目前に迫っている。今年再上映された映画では最もヒットした作品となっている。

超大ヒット作である「となりのトトロ」は、中国でもおなじみの作品だが、これまでは正式に公開されたことがなかった。今回公開となり、多くの人が「子供の頃に映画館で見ることができなかった作品をぜひ見たい」という思いを胸に映画館で同作品を見ている。

「子供の頃から大人になるまでずっと見ていたアニメーション映画を映画館で見られる日が来るなんて」「いろんな思いがこみ上げてくる。『となりのトトロ』をついに映画館で見ることができた」「見たことはあるけど、映画館で見るとやっぱり違う。本当に癒される」。SNSではネットユーザーらが映画チケットの画像をアップしたり、感想を書き込んだりして、「となりのトトロ」を愛する気持ちを表現している。ネット上でも「となりのトトロ」の動画は無数にあり、多くの人がさまざまなルートで、ピュアな気持ちにさせてくれるこの作品を鑑賞したことがあるにもかかわらず、映画館で公開されるとなると、多くのアニメファンや映画ファンが必ず見ておきたいと、足を運んでいる。

子供を連れて「となりのトトロ」を映画館で見に行く夫婦がたくさんおり、そのような「親子」が興行収入に大きく寄与している。北京の映画館・広安門影院の張●(ジャン・ミャオ、●は「水」三つ)マーケットマネージャーは、「16日午後2時スタートの『となりのトトロ』を見に来たのは、ほとんどが『親子』連れ。同作品の当館の座席占有率は80~85%となっているため、現在の勢いからすると、数日後には上映回数を増やす可能性もある」とし、「上映中のアニメーション映画『グリンチ』も『となりのトトロ』も、大人・子供問わずに楽しめるファミリーアニメであるとはいえ、『となりのトトロ』の方が知名度が高く、超大ヒット作品と言える。それに、アジアの作品で、その人気はドラえもんに匹敵する。子供は親に連れられて映画館に来るもので、その親は必ず名作の『となりのトトロ』を選ぶ。大人も楽しめるため、『となりのトトロ』なら親も子供も満足できる」と分析する。

映画専門サイト「猫眼」の統計によると、「となりのトトロ」は、スクリーン占有率や座席占有率、興行収入などで、上映中の映画の中では、ハリウッド大作「アクアマン」に次ぐ2位となっている。「猫眼」は「となりのトトロ」の興行収入は最終的に1億8000万元(約28億8000万円)に達すると予想している。

宮崎監督やスタジオジブリにとって、「となりのトトロ」はトレードマーク的存在だ。宮崎監督の初期の作品の多くは人気となっても、興行収入が伸びないということが多かった。「となりのトトロ」も日本で公開された際、興行収入が予想ほど伸びず、スタジオジプリは苦境に立たされた。その時は、鈴木敏夫氏がとなりのトトロの関連グッズや一連のビジネスモデルを開発し、苦境を乗り越え、それらによる収入があったため、その後もアニメを制作することができた。

また、そのような背景の下、「となりのトトロ」がスタジオジプリのロゴマークやキャラクターとなった。となりのトトロは宮崎監督の最高の「起業」パートナーと言っても過言ではないだろう。現在、三鷹の森ジブリ美術館やどんぐり共和国などを通して、世界各地のトトロファンが関連グッズを購入しており、スタジオジプリにとっては大きな収入源となっている。

■作品をビジネスにしない宮崎駿監督

今回上映されている「となりのトトロ」の上映時間は86分。スタジオジプリは、現代化された映画館の技術に合わせて、もともとフィルムに記録されていた映画作品をデジタルデータに変換し、デジタル・リマスター版としてよみがえらせた。しかし、欧米の最新技術を駆使した映画を見慣れている中国人にとって、「となりのトトロ」を見に映画館に行くのは、その「技術」が理由ではない。

中国の映画評論家は、「『となりのトトロ』の再上映が成功した原因は、老若男女問わずに誰でも楽しめるアニメーション映画だから。子供はあどけないトトロの姿や自由で伸び伸びとした世界を見ることができる。大人も、子供の頃のピュアな気持ちに戻ることができる。そのような力は、時間や地域の制限を受けることはない。これも、宮崎監督の作品が何年たっても人気が衰えない原因でもある。また、ポスターや予告動画、先行上映などを通して、早くから多くの人が子供の頃の思い出を蘇らせていた」と分析する。

それでも、「となりのトトロ」の興行収入は同じく上映中の「アクアマン」には大きく及ばない。

宮崎監督は以前、「1つのシーンでいい映画かどうかが分かる。誇りを持てる作品を作り、見る人が素晴らしいと感動できる映画を作らなければならないと」語ったことがある。

そのような価値観を持っているため、スタジオジプリは、興行収入を伸ばすために商業化された要素を加えることはしない。手描きアニメには、コストがかかり多くの精力が費やされ、制作に非常に長い時間がかかるものの、收益はそれほど伸びない。

ある中国のアニメーション映画の監督は、「宮崎監督やスタジオジプリの創作に対する考え方は、米国のアニメーション映画会社とは全く違う。後者は、どちらかと言うと、線形思考で、『トイ・ストーリー』や『カーズ』、『トランスフォーマー』などはどれも本質的には商業映画だ。両者は制作の主体が異なり、米国のアニメーション映画にも関連グッズがあるが、それと同じく興行収入も期待できる」との見方を示す。

「つまるところ宮崎監督は作品をビジネスにしていない」。これが業界関係者の宮崎監督に対する評価で、数十年、映画ファンの心の中でその作品が生き続ける理由の一つでもある。(提供/人民網日本語版・編集/KN)



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