2017/08/29 21:00

「好き」を探した25歳独身女の日記…彼の名は「タワーマンション」

「妥協の恋愛って意味あるの?」そんな疑問の答えを探し、好きでもない男との交際をこころみた。「好き」なんてそもそも存在するのだろうか。「好きっぽい」や「好き風」でも恋人にしていいのではないのだろうか。というよりも、そうでなくては困るのだ。「好き」なんてどこを探したって見つからない。25歳独身女の日記から。

1.

いつまでたっても好きな人なんて出来やしない。当たり前だ。会社と家の行き来の繰り返しなのだから。もう、「誰かデートくらいしてくれよ」。

そんな私に届いた1通のLINE。

「今週末空いてない?」

2.

そういえば、数日前に友達の紹介で食事をしたことを思い出した。ベンチャー企業経営27歳。目鼻立ちがしっかりしていて、歳の割には落ち着いた雰囲気を醸し出していた男性。経営者だけあって、気前もよく空気を読むのが上手い。年収は約1,500万。今後の収入の保証はないが、現状としては満足がいく。

「空いてます。」

こうして私はあっさり今週末は食事の約束にありつけた。付き合う男の条件としては悪くない。久しぶりのデート。ときめきなんてとっくに忘れたけど、こころなしか楽しみであったのは確か。

3.

お店は、彼が予約してくれていた。指定された先に着くと、そこは代官山の“いかにもデート用です”といった趣のあるレストラン。テラスに彼がビールを飲みながら座っている。

彼との食事はあっというまに終わった。

4.

特別楽しかったわけではないけど、時間が過ぎるのが早く感じた。

たったそれだけの理由で次に会う約束もなんとなく交わしてみた。こうして、私はこれと言った感情もないまま、2回目のデートを実行した。

2回目の食事の際、彼は唐突に「一緒に住みたい」と言ってきた。都内で家賃30万以内なら好きなところを選んでくれていい。とまで言ってきた。私もついに、タワーマンションに住む日がくるのか。

5.

その日からなんだか、私は彼に優しくなれた。好きでもないのに。

そしてデートを繰り返し、彼を好きになる努力に身を徹することにした。

6.

世の中そう上手くはない。何度彼と会っても、何も感じない。いわゆる「無」。そして、私の頭の中には都内にそびえ建つ堂々としたタワーマンションがあるのみだった。

7.

私は現実を思い知らされることになる。

ロケーションなど希望に合った物件を調べていると、30万で住めるタワーマンションは、1K。ということは、彼と部屋を分けることはできない。好きでもない男と小さな箱の中で2人。

何も悪くない彼まで気持ち悪く思えてきた。

8.

こうして、私はやっと好きでもない彼とデートをすることから卒業できた。この無意味な時間から。

End.

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