2017/05/30 21:00

「生理周期が分かるね」? AKBグループメンバーの生配信動画にうつりこんだ「生理用品」、視聴者の反応は無知か悪意か

 5月25日、STU48の石田みなみ(18)がアイドルやタレントの動画をストリーミング配信する無料視聴アプリ「SHOWROOM」での生配信中に、生理用品が誤って映りこむというハプニングがあった。同番組の視聴者層の多くがアイドルグループの男性ファンだったと見られるが、このハプニングに対する視聴者の反応が薄ら寒い。

 石田は生配信中に撮影カメラのインカメラとアウトカメラの操作を間違えたようで、これまで彼女が映っていた画面に突如、パッケージに入った状態の生理用品がアップで映し出された。動転した様子で「あっ間違えた!」「待って、助けて」と言う声が入り、何度か画面が切り替わり再び元の画面に戻った後に彼女は、「イケないものを映してしまった」と恥ずかしそうにタオルで顔を覆った。「違う! 違う!」「ちょっと待って、馬鹿だよね」「今のはアカン、今のはアカン」「やばいって、恥ずかしい」「これどこにも広めんといて」「今までで一番記憶から消したい」「こんなん映して今後私大丈夫なの?」「アイドルとしてやばいものを映してしまった」と、苦い笑いを浮かべる。

 本人の「広めないで」という言葉とは裏腹に、この動画のスクリーンショット画像は瞬く間にネット上に拡散された。画像とともにつけられていくコメント群は「ナプキンwww非処女確定www」「セックスの予定ないのに生理する意味ってなんなんですかねwww」などといった理解不能なものが多く、まさか本気で「ナプキン=非処女」と解釈している視聴者がいるとは考えられないが、茶化す意図でのコメントにしてもあまりにひどい。映った生理用品の商品名を冠したあだ名を彼女につけて呼ぶ気持ちの悪い流れもできている。

 他にも反応の中には「ナプキンでよかったじゃん。むしろ挿入をともなうタンポンの方が非処女確定だぞ?」「おまいらタンポンなら非処女と思うけどナプキンなら処女やろ」「このナプキンを使うのは生理の量が多いときだから、これで石田みなみの生理周期が分かるね」などさまざまな気味の悪い声が寄せられている。すべて冗談なのか(だとしても悪意に満ちているし、その自覚は薄そうだ)、はたまた本当に女性の月経について無知なのか。学生時代の保健体育教科でおこなう性教育授業や、生物教科で習う人体の仕組みなどを忘れているのか、そもそも覚えていないのか、興味がないのか。

 毎月、数日間かけて膣から血液が流れ出ていく生理。その血が「不浄」とされ、ケガレ扱いされてきた歴史は否定できないが、現在に至ってもなお生理を「女性が隠すもの」として扱わなければならないことが、こうした“悪質なからかい”や無知を招いていないだろうか。

 女性同士では互いの生理について抵抗なく会話する人もいるが、対男性であったり、対不特定多数の社会に向けては、生理は基本的に「隠すもの」とされている。生理用品のCMがバンバンテレビで流れているにもかかわらず、コンビニや薬局などで生理用品を購入すると、コンドームなどと同じようにわざわざ不透明な袋に梱包され慎重に扱われる。初潮の時期には、ナプキンやタンポンは専用のポーチに入れてトイレへ持ち運ぶなどして隠すべきだと大人から教えられる。生理痛や経血の多さから体育の授業を見学すると異性の生徒から「生理?」とからかわれる。毎月、隠すべきものとして生理を扱っていくうちに、「人に知られると恥ずかしいもの」という意識も同時に、当事者である女性に内面化されていくのではないか。

 『生理用品の社会史:タブーから一大ビジネスへ』(ミネルヴァ書房)を著した田中ひかるさんは、messyのインタビューで「1980年ごろまではテレビでナプキンのCMを流すことの是非が問われていましたし、2013年にNHKの番組『朝イチ』で布ナプキンが特集されたときも、『生理用品をテレビに映すとは!』などの反応がありました。女性の生理は隠しておくもの、表で語るべきものではない、という空気は根強く残っています」と語っている。しかし生理の経血は排泄物であり、私たちは男女ともトイレでごく普通に排泄行為をおこなう。となると生理用品はコンドームよりもトイレットペーパーに近いごく当たり前の日用品といって差し支えないだろう。

 2011年に起きた東日本大震災の際、生理用品を生活必需品だと知らない人々の誤解によって、避難所に生理用品が足りないというアクシデントがあったことは内閣府が翌年に発表した資料(東日本大震災における災害応急対策の主な課題)で報告されている。だが2016年に起こった熊本大震災の支援では同じ轍を踏まず、生理用品が避難所へ届けられた。誤解は正していくことが出来る。生理は「ほとんどの女性の体に備わった機能」であり、生理用品は日常生活を送るための必需品だ。それを隠し、当事者を「恥ずかしがらせる」風潮は、断ち切るべきである。

(ボンゾ)

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