2019/06/28 11:30

出産退職と働き続けた場合の差は2億円。女性の生涯所得の課題はどこに

図1 女性の労働力率の変化

しかし、M字の底は残っており、解消には至っておりません。実は、先進国で未だM字を描くのは日本と韓国のみです。「夫は外で働き、妻は家庭を守る」といった価値観が根強く残っているためでしょう。一方で、女性の社会進出がより進んでいる米国や英国などでは逆U字型を描きます。30~40代の働き盛りほど、労働力率が高いためです。

大学卒女性の生涯所得は育休・時短でも2億円超

さて、出産や子育てで退職した場合と働き続けた場合では、生涯所得にどれくらいの差が出るのでしょうか。ここでは、大学卒の女性について働き方別に生涯所得を推計しました 。

図2 大学卒女性の働き方ケース別生涯所得推計

図2の一番上は、育休や時短を一度も利用せずに60歳までフルタイムで働き続けた場合で、生涯所得は退職金も合わせて2.6億円となります。そして、上から2番目以降は全て2人の子どもを出産したパターンです。上から2番目の「育休→フルタイム」は2人の子どもを出産し、それぞれ1年間の育児休暇を取得した後にフルタイムで復職した場合で、生涯所得は2.3億円となります。3・4番目は2人の子どもを出産し、同様にそれぞれ1年の育休を経て、時短勤務を利用した場合です。第2子が3歳になるまで時短を利用すると、生涯所得は2.2億円、小学校入学前まで利用すると2.1億円となります。つまり、2人出産して、子ども1人当たり1年間の育休を取得し、時短勤務を利用しても、正規雇用者として働き続けると生涯所得は2億円を超えるのです。

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