2018/05/25 20:35

「世界で最も新しい蒸気機関車」が千葉に登場!どんな汽車?

成田ゆめ牧場(千葉県)で小型蒸気機関車の運転を続けている鉄道愛好者の団体「羅須地人(らすちじん)鉄道協会」が、5月20日、完成した最新の蒸気機関車7号機を報道陣に公開。どんな小型蒸気機関車なのでしょうか?
成田ゆめ牧場(千葉県)で小型蒸気機関車の運転を続けている鉄道愛好者の団体「羅須地人(らすちじん)鉄道協会」が、5月20日、完成した最新の蒸気機関車7号機を報道陣に公開。どんな小型蒸気機関車なのでしょうか?

 鉄道愛好者が作り上げた最新蒸気機関車が走るのは……牧場!

成田ゆめ牧場内は動物がいっぱい
成田ゆめ牧場(千葉県)で小型蒸気機関車の運転を続けている鉄道愛好者の団体「羅須地人(らすちじん)鉄道協会」が、5月20日、このたび完成した最新の蒸気機関車7号機を報道陣に公開した。
 
木造の橋梁を渡る汽車
この機関車は、協会の代表幹事である角田幸弘(つのだ・ゆきひろ)氏が、2年以上かけて手作りで製造を進めてきたものである。およそ120年前にアメリカで製造された「亀の子ポーター」という愛称で知られる機関車がモデルとなり、それにアレンジを加えている。
 
ぱっと見て分かるように、ボイラーや台枠、車輪など主要部分は鉄製だが、運転台は木製というのが特徴だ。木材は木目の美しいアメリカンレッドシダーを使用しつつも、正面の窓の間の板2枚は、千葉県の山武杉を用い、木目の美しさを日米で競わせている。
 

モデルとなったアメリカの蒸気機関車とは?

7号機関車のサイドビュー
アメリカの機関車がモデルとはいっても、120年前に横浜税関に輸入され、上野(こうずけ)鉄道(現在の上信電鉄)へと払い下げられて日本国内で活躍した経歴を持つものだ。製造した会社がアメリカのH.K.PORTER社だったので、「上野(こうずけ)のポーター」「亀の子ポーター」として愛好家の間では人気のある機関車とのこと。
 
もっとも、成田ゆめ牧場に敷いてある線路の幅は610mmであり、オリジナルのポーターとは線路幅が異なるので、各サイズや仕様も適宜変えている。
 

日本で走る「蒸気機関車」の実態とは?

蒸気機関車といえば、一旦引退した機関車を復元させたり、圧縮空気によってわずかな敷地内で小規模に動かすもの、見た目はSLだが、実態はディーゼル機関車(小湊鉄道、伊予鉄道の「坊っちゃん列車」)といったものが主流であり、正真正銘の新造した蒸気機関車というのは、めったにない。
 
したがって、この7号機は「日本のみならず、世界でも最も新しい蒸気機関車」であるという関係者の話は、誇張ではないだろう。
 
もっとも、本物の蒸気機関車とはいえ、石炭をくべ、黒煙をもくもく吐いて走るものではない。現代の環境や社会事情を配慮して、燃料は灯油を使い、バーナーで燃やす仕組みなのだ。
 
白煙をなびかせて走り去る汽車
成田ゆめ牧場では、子供連れのファミリーの乗車も多く、「すすで汚れた」との苦情も時にはあるという。親自体もSLを知らないので、あらかじめ汚れると話しておいても、汚れの程度が分からない世代である。
 
そうしたわけで、往年の蒸気機関車とは異なり、この機関車は、黒煙を盛大に吐いてばく進するものではない。けれども、白煙をたなびかせて走る様は、間違いなく本物の蒸気機関車であり、魅力的な雰囲気をもっている。
 

「最新鋭SLの引っ張る列車」に乗ってみた

まずは車両基地内を走行
当日は、まず、車両基地で蒸気機関車7号機のお披露目と製作者である角田氏の話があった。そのあと、7号機は基地内を何往復かし、それが終わると、屋根のないトロッコ風の客車を連結し、成田ゆめ牧場内に敷設してある全長500mほどで一周する「まきば線」を3周した。
 
短いながらも牧歌的な汽車の旅
最初の1周目、筆者は列車に乗車し、爽やかな5月のそよ風を肌に直接感じながら5分程の汽車の旅を楽しんだ。緑豊かな田園風景はメルヘンのような汽車が走るにふさわしいロケーションである。
 
牧歌的な風景の中をのんびり走る汽車
2週目以降は、汽車の走行写真を撮影してみたが、小さいながらも走行音や汽笛は、大きな機関車に比べても遜色なく魅力的だった。かつては、全国に存在したものの昭和30~50年頃までに消えてしまった軽便鉄道の再現は、慌ただしい社会の中で暮らしている現代人にとってはオアシスのような存在かもしれない。
木造の橋梁を渡るSL列車
なお、機関車の前面には麻飾りを取り付けているが、角田氏の奥様が作成したもので、穢れを払い、走行の安全と前途を祝してのものだという。微笑ましいエピソードである。
嬉しそうな製作者角田夫妻 

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