2018/05/01 22:00

ディストピアを描く『徴産制』 男性に女性になる義務を課した結果…

男性に「最大二十四ヶ月間女性になる義務を課す」世界を描く、田中兆子さん著書『徴産制』について、田中さんにお話を伺いました。

■ 男性も女性も、異性の立場を想像しうる、試金石のような物語。

<日本国籍を有する満十八歳から満三十歳の男子すべてに、最大二十四ヶ月間女性になる義務を課す>

田中兆子さんの『徴産制』の舞台は、男性に兵役ならぬ産役が課せられた社会。悩み多き条件の中で生き方を模索し、右往左往する男女を描いた連作短編集だ。出産を義務化するディストピアを背景としながらも、失われないユーモアや希望が浮かび上がってくるのがすばらしい。

「完成までに3年かかりました。設定を未来にしたために、どんな社会になっているのかを構築するのは本当に難しかったです。けれど、男が産役後に男に戻ることも女のままでいることも可能という大変化に比べ、社会や人間の芯においては変わらない部分も多いのではないかなと感じました」

各章の主人公は、徴産制を経済的な理由で志願する農家のひとり息子、義務を果たしたらさっさと男に戻りたいエリート官僚、夫が女になろうとすることを嫌悪する妻を持つ主夫など、考え方も境遇も違う5人。

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