2018/06/21 16:30

見るほど深みにはまる! 究極の “だまし絵” エッシャー展

上野の森美術館で『ミラクル エッシャー展』がはじまりました。見るほど深みにはまるトロンプ・ルイユ(だまし絵)をはじめ、不思議で奇妙な版画作品が勢ぞろい! 思わず「ありえない!」と声を上げたくなる究極のアートも登場します!
■ 『ミラクル エッシャー展』、スタート!

【女子的アートナビ】vol. 113

この展覧会は、オランダ出身の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャーの生誕120年を記念して開催。彼の代表的な作品ともいえるトロンプ・ルイユ(だまし絵)をはじめ、初期作品や直筆ドローイングなどを紹介しています。

日本でも人気の高いエッシャーは、これまでも何度か作品展が開かれてきましたが、今回は約150点もそろう大規模展。世界的なエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館から来日した作品で構成され、日本初公開となる秘蔵コレクションも見ることができます。

■ エッシャーって?

1898年にオランダで生まれたエッシャーが最初に版画制作を行ったのは、中学校での美術の授業。でも、大学では当初建築を学んでいたそうです。その後版画科へと転じて版画家メスキータのもとで技法を学び、自身も版画制作の道へ進むことになります。

旅好きのエッシャーは各地を周りながら作品を制作。特にイタリアは好きだったようで北から南まで多くの街を訪れています。イタリアにしばらく定住し結婚もしますが、ファシズム台頭によりスイスに移住。さらにフランスやスペインを旅しながらベルギーに移住したあとオランダに戻り、1972年に亡くなるまで故国に定住しました。

■ 最初の見どころは?

同展の会場は「科学」「聖書」「風景」「人物」「広告」「技法」「反射」「錯視」の8つのテーマで構成されています。

例えば入場してすぐの部屋、「科学」の展示室で見られる《メビウスの輪I》はエッシャーにしてはシンプルな作品。ですが、よく見るとそんなに単純な形ではないようです。3匹の魚がそれぞれ相手の尾にかみついている構造でエンドレスにループ。じっと目で追い続けると確実に目が回ります。

また、「風景」のコーナーではローマの街やアマルフィ海岸など景色をテーマにした素描や木版画が並んでいます。平坦なオランダで生まれ育ったエッシャーにとって、起伏のあるイタリアの風土は新鮮で、多くのインスピレーションを受けたそうです。断崖の景観や山上の集落など、彼の視点で切り取った美しいイタリアの風景を堪能できます。

■ 見れば見るほど大混乱…!

それでは、2階の展示室に向かいます。移動の際にチェックしたいのが、展示室の壁面。階段の途中にもエッシャーのキャラクターがさり気なく描かれているので、ぜひ探し出してみてください!

2階の奥、「錯視」の部屋で展示されているのが、彼の代表的な “だまし絵” のひとつ、《相対性》。独立した3つの世界がひとつの絵の中に描かれているのですが、それぞれの空間で重力が異なっています。まさに現実ではありえない世界。空間や繋がりの不自然なところを探し出そうと凝視してみたのですが、見るほどに混乱してきます。この独創的な空間表現は多くのクリエーターに影響を与え、ハリウッド映画などにも使われています。

■ 最後の最後もお見逃しなく!

また、最後のエピローグの展示室で紹介されているのが、長さ4メートル近くもある大作《メタモルフォーゼII》。文字からはじまった絵が四角形や六角形などに形を変え、さらにハチの巣や魚、建物などに変容しながら最後はまた文字に戻るという不思議なアートで、展覧会の目玉作品です。

この作品は展示室中央のガラスケース内に展示されていますが、拡大してパネルにしたものが展示室の壁に貼られています。(上の写真はパノラマモードで撮影)

プレス内覧会では、展覧会の監修をされた東京藝術大学大学美術館の熊澤弘准教授が本作品について解説されました。それによると、エッシャーはスペインのアルハンブラ宮殿に旅したとき、建物の幾何学的なタイル模様に強いインパクトを受け、本作品のようなタイル模様が徐々に変化していく表現を生み出したそうです。

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