2017/03/20 17:00

「意識高い系」の対極は「リア充」か。話題の新書を読む

 味噌汁、うどん、そば、鍋など、多くの和食に使われ、日本人の食生活に深く根をおろす“だし”。伏木亨『だしの神秘』(朝日新書)は、鰹と昆布の合わせだしを軸に、だしが満足感をもたらす科学的な理由や、これほどまでにだしを重視する料理の文化が日本に生まれた歴史的背景などに迫っていく。昆布主体の関西と醤油を強調する関東の違いは、東西の水の違いに原因があるという点など、トリビア的知識も充実している。

 夏目漱石の『草枕』では煎茶をふるまうシーンが雅びやかに描かれ、茶の湯が手厳しく批判されている。小川後楽『漱石と煎茶』(平凡社新書)は、煎茶家である著者が茶の歴史を遡り、漱石の意図を深掘りしていく。平安時代に日本へ伝わり、近世に「武家の茶の湯」対「公家の煎茶」の構図で固まったかに見えた煎茶が、幕末の志士にも受け継がれていたという事実にも驚いたが、本書の白眉は、日中の尊王家たちと漱石の意外な精神的連帯を明らかにした点だろう。

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