2018/01/22 00:00

「国民皆保険」崩壊で老後に起きる事態

 医療を取り巻く大きな問題のひとつに「医療費」がある。超高齢化社会で、医療保険が適用される件数は増大する一方だ。筆者が医療現場で感じるのは、医療を施す側の医師も、医療を受ける側の患者も、医療保険への認識が薄いということだ。

「保険料を支払っているのだから、医療保険を受けるのは当然の権利だ」という患者の主張も理解できるが、考えるべきは「10年後、20年後の医療費」だ。若い世代のなかにも、自分たちが老人となった時に十分な医療が受けられるのかと不安を抱く人も多いだろう。

 若い世代にはピンとこないかもしれないが、高血圧や糖尿病などの慢性疾患や、男性であれば前立腺肥大に伴う諸症状の治療に必要な薬は安価ではない。現行の「3割負担」が破綻すれば、老後生活が危ぶまれる事態となりかねない。ミドル世代ができることは、医療費についての正しい理解と取り組みである。

●崩れゆく国民皆保険

 日本では、1958年に国民健康保険法が制定され、61年に全国の市町村で国民健康保険事業が始まり、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる体制が確立された。その国民健康保険法により国民は、医療機関を受診した際に窓口で自己負担3割を支払えば医療を受けることができる。残りの7割は国や保険機関が支払ってくれるわけだが、その財源確保が難しい現状であることは読者諸氏もご存じの通りだ。

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