あなたも、いつの間にか嘘をついている…無意識の記憶違いが、人間関係トラブルの元凶
●「記憶にございません」はウソの証拠?
記憶というのは、政治家や官僚にとって非常に便利な言葉のようだ。
「記憶にございません」
「私の記憶するかぎり、そのようなことはありません」
このところ政治家や官僚がこのようなセリフを口にする場面が多いが、なぜこんな言い方がまかり通るのか、じつに不思議である。というのも、これらは「私の答弁はウソです」と言っているようなものだからだ。
「そういった発言をした記憶はございません」というのは、「そういった発言をしました」と言っているのと同じだ。なぜなら、本当に発言していないのなら、「そういった発言はしていません」と言うはずだからである。「私の記憶する限り、そういうことはありませんでした」というのも、「そういうことがありました」と言っているのと同じだ。本当にそういうことがなかったのなら、「そういうことはありませんでした」と言うはずだ。
わざわざ記憶を引き合いに出さなければならないのは、いざウソがばれたときに、記憶のせいにして非難されるのを防ぐためだ。