2018/05/12 18:00

「アンクル・トムの小屋」は差別を助長するの!? 米国の暗黒史『私はあなたのニグロではない』

 子どもの頃に世界名作全集「アンクル・トムの小屋」を読んだ人は多いだろう。黒人奴隷トムの苛酷な運命を描いたものだが、親切だったかつての白人オーナーの息子と死に際に再会するラストシーンは涙を誘った。米国南部における人身売買の実態が広く知られるようになり、南北戦争のきっかけになったとも言われている。ところが現代の米国では、アンクル・トムは不人気らしい。トムにとっての幸せは優しい白人オーナーのもとで暮らすこと、という設定が黒人にとっては面白くないのだ。ドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』(原題『I AM NOT YOUR NEGRO』)は、人種問題に繋がる有名作品の数々を取り上げた興味深い構成となっている。

 本作のナレーションを務めるのはサミュエル・L・ジャクソン。彼が出演したクェンティン・タランティーノ監督作『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)で描かれた黒人虐待シーンは強烈なインパクトがあった。『アベンジャーズ』シリーズをはじめ数多くの娯楽大作に出演しているサミュエルだが、もともとはスパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)など人種差別を題材にした社会派作品で注目を集めた俳優だ。ハイチ出身のラウル・ペック監督は、“アメリカ黒人文学のレジェンド”ジェームズ・ボールドウィンが遺した未発表原稿をサミュエルに朗読させる形で、キング牧師やマルコムXらが最前線に立った1960年代の公民権運動の歴史を検証していく。

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