2018/06/02 18:00

血縁とも地縁とも異なる、新しい家族の在り方!? 日本の最下流社会のシビアな現実『万引き家族』

 巣鴨で起きた子ども置き去り事件を題材にした『誰も知らない』(04)、沖縄であった新生児取り替え事件にインスパイアされた『そして父になる』(13)など、是枝裕和監督は日本社会の暗部にスポットライトを当てることで映画を生み出してきた。カンヌ映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した『万引き家族』も、実在の事件が元ネタとなっている。2010年以降、次々と発覚した年金不正受給事件から着想を得たものだ。親の死を隠して年金を受け取り続けた詐欺一家に、是枝監督は“正義の鉄槌”を下すマスコミや世論とは異なる角度から近づいていく。

 家族の崩壊が叫ばれて久しい。社会のいちばん小さな単位である家族が壊れていったことで、日本社会全体がすっかり歪んだものになってしまった。実在の事件を通して、家族の在り方を見つめてきた是枝監督は、「家族を結びつけるものは血か、それとも一緒に過ごした時間か」という問題をこれまでの作品の中で問い掛けてきた。今回の『万引き家族』は、そこからさらに大胆に踏み込んでいく。血縁や地縁といった、これまで語られてきた家族の絆に代わる、お金で結びついた打算的な関係として“万引き家族”を登場させている。

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