2018/06/23 18:00

平成の世に起きた第二の「阿部定事件」なのか!? 佐藤寿保監督が女の多面性を描く『可愛い悪魔』

 1936年は日本が軍国化していくきっかけとなった「二・二六事件」の起きた年であり、「阿部定事件」が世間を騒がせたことでも知られている。料亭で働く定が不倫相手を窒息プレイで殺害した後に男性器を切り取ったこの猟奇的事件は、大島渚監督の『愛のコリーダ』(76)、大林宣彦監督の『SADA』(98)など、たびたび映画化されている。1980~90年代に“ピンク四天王”のひとりとして活躍した佐藤寿保監督の新作『可愛い悪魔』も、実在の事件にインスパイアされたものだ。2015年に起きた「弁護士局部切断事件」をモチーフに、佐藤監督は事件を招いた女性の多面性、現代社会における人間関係の希薄さを感じさせる官能サスペンスに仕立てている。

 本作のモチーフとなった「弁護士局部切断事件」だが、「阿部定事件」と違って殺人には至っていない。司法試験を目指していた大学院生の夫のために弁護士事務所で働いていた妻だが、やがて職場の上司と不倫関係に。夫にその事実を問い詰められ、妻は「無理矢理に関係を迫られた」と自己弁護。妻の言葉を信じ切った夫は弁護士を殴り倒し、枝切りバサミで局部を切断した。妻は黙って、その様子を眺めていたとされている。ピンク四天王時代、ホラー映画『華魂』(14)、日米合作『眼球の夢』(16)と過激な作品を次々と発表してきた佐藤監督がこの事件に惹かれたのは必然だったのかもしれない。

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