2019/02/15 08:30

遺言書を書いた方が良いケースとは

遺言と聞いてみなさんはどんなことを思い浮かべますか?なんとなく書いたほうがよいのかな、という程度の人が多いと思います。面倒がって遺言書を書かない親は多いですし、子も親に遺言書を書いてくれとはなかなか言いづらいものです。 しかし、遺言書を書いておいたほうがよいケースもあります。  

相続財産をめぐる争い

近年、相続に関する争いが増えています。昭和22年までは家督相続制度があり、基本的に相続は長男がすべて引き継いでいました。いまでも地方の農家などでは、農業を継ぐ長男がすべて相続し、次男以降は家を出るという考え方が残っている地域もあります。
 
しかし、戦後においては法の下の平等の理念から共同相続制度が採用され、子の権利は基本的に平等となりました。また、人々の権利意識が強くなったことなどもあり、相続による争いは年々増加しています。
 
日本公証人連合会によると、家庭裁判所が取り扱う遺産分割事件は昭和47年には年間4900件でしたが、平成元年には年間約7000件、平成22年には約1万3500件と増加の一途を辿っています。また、その解決にも長期間を要するようになってきております。
 

遺言書を書いておいたほうがよい場合について

1.夫婦に子供がいない場合
夫婦に子供がいない場合は遺言書を書くことをおすすめします。
 
例えば夫が亡くなったときに、相続人が妻と夫の兄弟の場合、法定相続分は妻が3/4、夫の兄弟が1/4となります。遺言書がない場合、夫の兄弟との遺産分割協議が必要になります。
 
2.子供が未成年の場合
夫婦に未成年の子供がいる場合も、遺言書を書くことをおすすめします。
 
夫が亡くなったときに、相続人が妻と子であった場合、子供が未成年だと特別代理人を選任する必要があります。この場合、妻は相続人であるため子の代理人にはなれず、他の者を特別代理人としなければなりません。遺言書で妻にすべて相続させると、一筆書いておくのがよいかもしれませんね。
 
3.息子の妻に財産を送りたい場合
親が病気になったときに、一番世話をしてくれるのは息子の妻であることが多くあります。しかし、息子の妻は養子縁組をしてなければ相続権がまったくありません。
 
息子は仕事で家にいないことが多く、その妻がどんなに一生懸命世話をしていたとしても、相続権はあくまで息子と他の子供たちにいくことになります。それではあまりにも気の毒ですよね。このような場合、世話をしてくれた息子の妻に感謝の意を伝えるために、遺言書でなんらかの配慮をするとよいと思われます。
 
4.特定の者に事業承継を考えている場合
亡くなられた人が個人事業者である場合や、会社を経営していた場合などについては、特定の者に事業を承継してもらいたいと考えることもあると思います。
 
例えば後継者として長男と一緒に事業をしてきた場合などは、事業承継者は長男とするという遺言書を書かれるのがよいでしょう。
 
また、同族会社の株式などは、兄弟間で均等に分けるよりは事業承継者にすべて相続させると決めたほうが、会社経営はスムーズにいく場合が多いです。事業承継税制も近年改正され、使い勝手がよくなっています。検討してみるのもよいでしょう。
 
5.内縁の妻がいる場合
内縁の妻とは、社会的には妻として認められていながら、婚姻届が出されていない事実上の妻のことを言います。
 
たとえこのような状態が長く続いていたとしても、入籍していない場合、相続権はまったくありません。この場合、夫が亡くなったときの財産は夫の兄弟などに渡ることとなるため、内縁の妻に遺言で何かを遺贈するのもよいと思われます。
 
6.相続人の中に行方不明者や、判断能力に欠ける者がいる場合
例えば相続人が兄弟2人だった場合、弟が行方不明であったり、判断能力に欠ける場合でも、弟を排除して遺産分割をすることはできません。
 
行方不明の場合は不在者財産管理人を選任する必要がありますし、判断能力に欠ける場合は成年後見人を選任する必要があります。これらの手続きを兄がするのは、大変な労力が必要となります。このような場合も遺言書があるとよいでしょう。
 
以上、遺言書を書いたほうがよいケ-スについて簡単に述べさせていただきました。近年相続争いが増加していることもあり、遺言書の重要性が増しております。遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があり、これらの中では公正証書遺言がもっとも信頼性が高いです。
 
まずは、自分の遺言を、自分なりにノートにでも書いてみてはいかがでしょうか?実際に紙に書いてみると、普段は気づかなかった自分の正直な気持ちが見えてくることがあります。また、それを確認することで、気持ちの整理につながります。
 
残された者が幸せになるような遺言書を用意できるとよいですよね。
 
執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有
 
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