2018/01/29 17:00

頻尿の原因と対策|夜中に何度もトイレに起きてしまうワケ

頻繁にトイレに行きたくなる「頻尿」の悩みを抱えていると、睡眠中に何度も尿意をもよおし、十分に眠れないことがあります。

今回は頻尿の原因や対処法、予防法について、新都心クリニック東京前立腺センターの古堅進亮(ふるげん・のぶあき)院長にお話を伺いました。

目次

  • 頻尿とは
  • 頻尿の原因
  • 頻尿の対処法
  • 夜間頻尿の予防法
  • 妊娠初期の頻尿
  • 子どもの頻尿

頻尿とは

トイレに立っている男性

頻尿とは、1回あたりの排尿量が少ないにもかかわらず、頻繁に尿意をもよおす症状のことを指します。ここでは、頻尿の定義と、頻尿になったことで起こる弊害について解説します。

頻尿の定義

トイレの回数が多くても、1度の排尿量が正常であれば、頻尿ではなく、水分のとりすぎなどで尿量が多くなっている可能性があります。主に下記の症状が出た場合に頻尿と定義されます。

  • 1日に8回以上尿意をもよおす
  • そのうち夜間の尿意が1〜2回程度ある
  • 1回あたりの排尿量が200cc以下と少ない

頻尿自体は、放っておいても命に関わるような病気ではないため、本人が苦痛を感じていない状態であれば、特に問題とはならないとされています。

頻尿の弊害

頻尿になると、日常生活に弊害が生じ、それらがストレスとなってしまうケースがあります。日常生活に生じる弊害には、主に以下のようなものが挙げられます。

集中力が妨げられる

会議中や授業中にも尿意をもよおすため、集中力が削がれてしまい、落ち着きがなくなります。頻繁に尿意を感じることが増えると、自然と長時間トイレに行くことができない状況を避けるようになるため、行動に制限がかかってしまいます。

睡眠不足になる

夜間に何度も尿意で目が覚めてしまうため、ぐっすりと眠ることができず、睡眠不足になることがあります。また、「今夜も尿意で目が覚めてしまうかもしれない」と不安になると、スムーズに入眠できなくなり、睡眠不足になるケースもあります。

頻尿の原因

トイレ

頻尿の原因は、おもに膀胱以外の疾患によるものと、それ以外の影響によるものと2つに大別されます。ここでは頻尿の原因について解説します。

疾患による頻尿

頻尿は前立腺や膀胱付近に疾患がある場合に引き起こされることがあります。ここでは頻尿の原因となる疾患にいついて解説していきます。

前立腺肥大症

男性の尿道付近にある前立腺が加齢とともに肥大化する、高齢男性に多く見られる病気です。尿道が前立腺に圧迫されることによって尿が出にくくなるほか、膀胱に尿が残りやすくなり、すぐに尿が増えてたまってしまうため、尿意を感じやすくなります。

膀胱付近の炎症(前立腺炎症、膀胱結石、膀胱炎)

前立腺や膀胱の結石、膀胱付近などの炎症は膀胱を刺激するため、尿意を感じやすくなります。膀胱が刺激されると、尿がたまっていなくても尿意を感じてしまうため「トイレに行きたい」とトイレに行っても排尿量が少ない、ということが起こります。

膀胱腫瘍

膀胱に腫瘍があると、腫瘍の大きさ、浸潤(しんじゅん、腫瘍が進行すること)具合によっては尿をためておけなくなってしまうため、頻尿になってしまいます。頻尿だけでなく、血尿が出ることもありますので、その場合は早めに専門医の診察を受けましょう。

疾患以外による頻尿

疾患がなくても、緊張などの精神的ストレスが影響し、筋肉が膀胱を圧迫したり、加齢により膀胱の機能が弱ったりすると頻尿になることがあります。

ストレスによる緊張

膀胱は筋肉に覆われており、ストレスがかかり緊張状態になることで、筋肉が膀胱を圧迫し、尿意をもよおしやすくなることがあります。

加齢による機能低下

年齢を重ねるとともに、膀胱の機能が弱まってきます。すると尿をたくさんためておくことができなくなり、頻繁に尿意を感じるようになります。

専門医を受診する目安

頻尿そのものは命に関わる病気ではありませんが、治療が必要とされる症状も存在します。自覚症状があり、頻尿でつらいと感じる、トイレに行く回数が多いことで日常生活に支障がきたされているなどの場合は専門医を受診しましょう。とくに血尿が出たらすぐに病院に行ってください。
 
また、家族のトイレの回数も気にしておきましょう。回数が多いと思ったら受診をすすめてください。

頻尿の対処法

公衆トイレ

疾患が原因ではない場合、トイレに行く回数を記録したり、身体の冷えを解消したりすることで、対処が可能な場合があります。頻尿になったことがあり、頻尿になりたくないと思っている人も下記の方法で予防が可能なので、以下の内容を確認しておきましょう。

トイレの回数と量を記録する

自分が1日に何回トイレに行ったのか、また、1回あたりの排尿量はどれくらいなのかを記録する習慣をつけてみましょう。
 
排尿量を確認するには、100円均一ショップなどで購入できる1杯500cc程度の計量カップを用意します。排尿量が1度で200ccより少ないと、頻尿の可能性があります。

身体を冷やさないようにする

身体が冷えてしまうと、血管が収縮して血液がたくさん腎臓に流れ込み尿量が増えてしまいます。また、膀胱が収縮するため尿意を感じやすくなります。できるだけ身体を冷やさないよう、身体を温める服装をしたり、温かい食べ物を摂ったりしましょう。

「膀胱訓練」をする

膀胱にためられる尿の量が少ない場合は、「膀胱訓練」を行うこと尿意をもよおす頻度を減らすことができます。「膀胱訓練」は、尿意を感じたらすぐにトイレに行かず、少しのあいだ我慢をする、というもの。最初は5分程度、慣れてきたら10分、15分と、無理のないペースで時間を延ばしてみましょう。

夜間頻尿の予防法

ベッドで悩む男性

睡眠中に頻尿で目が覚めてしまうときは、就寝前の行動を変えてみましょう。ここでは夜間頻尿の予防法を紹介します。

眠る3時間前から水分を控える

眠る直前まで水分をとっていると、就寝中に尿がたまり、尿意をもよおしてしまいます。水分をとるのは眠る3時間前までにしておき、就寝前には必ずトイレに行きましょう。すると、眠る前に摂取した水分を排出できるので夜間に尿がたまる量を減らすことができます。

下半身のむくみを解消する

就寝時に身体を横向きにすると、足と心臓が同じ高さになります。すると、むくんだ状態の下半身から心臓へと戻っていく血液量が増え、たまっていた水分が血管に流れ込むため、腎臓がつくりだす尿量も増えてしまいます。
 
むくみを解消するには、足を椅子に乗せ、高く上げて横になってみましょう。就寝1時間ほど前に15〜20分程度行って、むくみを流し、尿を排出してから就寝すると、睡眠中に尿がたまりにくくなります。

薬で調整する

人間は夜間、「抗利尿ホルモン」がはたらき、夜間に尿がつくられることを抑えられる仕組みになっています。抗利尿ホルモンが不足すると、夜間にも日中と同様に尿がつくられてしまいますが、投薬でホルモンを補うことにより、尿の量の調整が可能になります。
 
ただし、この薬には身体に水がたまりやすくなる副作用があるため、心臓に問題があり、むくみやすい人は服用できません。この場合は、日中に利尿剤を服用し、排尿量を増やす対応が必要です。

妊娠初期の頻尿

妊娠初期の頻尿

加齢やストレスだけではなく、疾患以外で頻尿になる原因があります。ここでは妊娠初期に頻尿になりやすくなる原因について解説します。

妊娠初期に頻尿になる原因

妊娠初期に頻尿になりやすくなるのは、妊娠初期に多く分泌される「プロゲステロン」という女性ホルモンに利尿作用があるためです。また、妊娠によって子宮が大きくなり膀胱が圧迫され、膀胱にためられる尿の量が少なくなることも原因に挙げられます。

子どもの頻尿

子どもの頻尿

大人だけではなく、子どもも頻尿になることがあります。ここでは子どもが頻尿になる原因について説明します。

子どもの頻尿の原因

子どもが頻尿になるのは、膀胱や神経が未発達だから。子どもが尿意を我慢できず、何度もトイレに行くのは珍しくないことです。
 
ただし、小学校に入って下記の行動が起こる場合は日常生活に支障が出ているといえるので、注意が必要です。
・トイレの回数が多く授業に集中できない
・授業中に我慢できず漏らしてしまう
・夜尿症を気にして宿泊をともなう行事に参加することが大きなストレスになる4~5歳でも頻尿や夜尿症が起こって心配な場合は、早めに専門医に相談してみ
ましょう。
 
<参照>
『尿もれ、頻尿を自力で治す。』(マガジンハウス)
監修:古堅進亮、武田淳也、折田充

photo:Getty Images

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