2018/02/07 17:00

頭皮のかゆみ・臭いの原因は?|頭皮トラブルの対処法&予防法

毎日シャンプーしているのに、頭皮にかゆみや臭いをはじめとする異常を感じたことはありませんか?

頭皮のトラブルには、ストレスや睡眠不足が関連することもあります。頭皮のトラブルの種類と主な原因や病気、対処法、予防法について、渋谷駅前おおしま皮膚科の大島昇院長にお話をお伺いしました。

目次

  • 頭皮トラブルの種類と主な原因
  • 頭皮トラブルを引き起こす病気
  • 頭皮トラブルの対処法・予防法
  • 性ホルモンの影響による脱毛・薄毛のメカニズムと対策

頭皮トラブルの種類と主な原因

頭皮トラブルに悩む女性

かゆみ、フケ、赤みなどのトラブルは多くの場合、頭皮の炎症によって起こります。ここでは頭皮トラブルの種類と原因について説明します。

湿疹

頭皮のかゆみやフケなどの原因は、湿疹(しっしん)と呼ばれるの炎症によるものです。炎症が起こると、頭皮にかゆみや赤み、フケなどの症状が出ます。
 
頭皮は1ヵ月〜1ヵ月半の周期で古い皮膚が剥がれ落ち、新しい皮膚になる「新陳代謝」(ターンオーバー)を繰り返しています。炎症が起こるとターンオーバーの周期が短くなり、表皮の一番上にある角質細胞が未熟なままはがれ落ちてしまうため、フケが発生します
 
「シャンプーしたあとのすすぎが不足していると、頭皮に残ったシャンプー剤の刺激によって炎症が起こります。また、すすぎ不足で汚れが落としきれていないと、毛穴に残った皮脂が炎症を引き起こすこともあります。ただし、爪を立てたりシャンプーブラシでゴシゴシこすったりして洗うのは、頭皮に過剰な刺激を与えてしまうので避けましょう。また、生活習慣の乱れなども間接的に炎症の原因になることが考えられます」(大島先生)

ニキビ・粉瘤(ふんりゅう)

ニキビは、過剰な皮脂の分泌やターンオーバーの乱れなどによって毛穴が塞がれ、その中に皮脂や汗、老廃物がたまってしまうことで発症します。頭皮は皮脂が多く、ニキビができやすい場所です。ニキビは自然に治りますが、大きくなったり、多発したり、痛みが出たりした場合は皮膚科専門医に相談しましょう。
 
そして、ニキビと間違えられやすいのが「粉瘤(ふんりゅう)」です。ニキビと見た目は似ていますが、ニキビが皮膚の炎症反応であるのに対し、粉瘤は腫瘍の一種です。
 
「粉瘤は良性の腫瘍ですが、皮膚の中に小さな袋のようなものができ、その中に垢がたまってできるため、ニキビとは違い、自然に治ることなく、どんどん大きくなっていってしまうため治療が必要です。放っておくと痛みを伴うこともあるうえ、できはじめはニキビと見分けがつかないことも多いので、気になったら皮膚科専門医を受診することをおすすめします。」(大島先生)

臭い

頭皮の臭いは、皮脂の分泌量が多いときや、毛穴が詰まっているときに強くなりやすいといわれています。皮脂が増える原因は、加齢、食生活の乱れ、ストレスなどさまざまです。

抜け毛

抜け毛の根本的な原因は、髪の毛の新陳代謝(ヘアサイクル)の乱れにあります。髪の毛は、通常1日につき0.3〜0.4mmずつ伸び、抜け落ちるまでのサイクルは、人によって異なりますが、2〜6年程度です。何らかの原因でサイクルが短くなったり中断したりしてしまうと、髪の毛が抜けやすくなり、十分に育ちにくい髪の毛しか生えなくなってしまうため、髪の毛が薄くなります。ここでは主なヘアサイクルの乱れの原因をご紹介します。

血行不良

老化、冷えなどで血行が悪くなると、本来血液によって頭皮に運ばれるはずの栄養や酸素が行き渡らなくなってしまいます。そのため、頭皮が栄養不足になり抜けやすい毛が育ちます。また、ストレスや自律神経のバランスの乱れも頭皮環境の悪化につながることがあります。

ホルモンの影響

二次性徴が始まるころから分泌される「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンには、ヘアサイクルの周期を短くする作用があり、髪の毛の寿命を早める原因となります
 
また、「エストロゲン」という女性ホルモンには、ヘアサイクルが長くなる作用があるといわれています。加齢や自律神経の乱れなどでエストロゲンの量が減ることも、ヘアサイクルが短くなる原因のひとつだと考えられています。

毛穴の詰まり

頭皮の皮脂分泌量が多い体質だったり、洗髪が不十分などの理由で、毛穴に皮脂や汚れが詰まったりすると、ヘアサイクルが乱れ、髪が抜けやすくなってしまいます。

頭皮トラブルを引き起こす病気

頭皮が気になる女性

頭皮トラブルは病気が原因で引き起こされていることもあります。ここでは、頭皮トラブルを引き起こす病気について解説します。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

頭皮の特に皮脂分泌が多い部位を中心に赤みやかゆみ、フケが出ます。原因は、毛穴にいる菌の一種「マラセチア菌」の増殖です。マラセチア菌は食生活の乱れやストレスなどで増殖し、皮脂を分解して、炎症を引き起こす「遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)」という中性脂肪を作ります。放置し、毛根周囲まで強い炎症が進むと、抜け毛の原因になることもあります。

接触皮膚炎

接触皮膚炎とは「かぶれ」のことで、主な原因はシャンプーやリンスの洗い残しです。それが刺激になったり、アレルギー源になって炎症を起こしたりすることがあります。

円形脱毛症

局所的に髪の毛が抜ける病気で、性別や年齢を問わず発症します。ストレスが原因と考えられたこともありましたが、詳しいメカニズムは分かっていません。感染症にかかった後や出産後、頭をケガしたときなどに発症する場合があります。また、もともとアトピー体質の方や、甲状腺に病気のある方は発症しやすいことが分かっています。
 
「円形脱毛症のメカニズムは詳しくは分かっていませんが、現在では自己免疫疾患のようなものだと考えられています。本来、免疫に必要なリンパ球という物質が、自分の毛根を攻撃するようになってしまうのです」(大島先生)

頭皮トラブルの対処法・予防法

髪を洗ってもらっている男性

頭皮トラブルの多くは、髪の洗い方や生活習慣を変えることによって対処・予防できます。ここでは頭皮トラブルの対処法・予防法について説明します。

洗髪方法の見直し

洗髪を正しい方法で行うことで、頭皮トラブルを改善・予防することができます。ここでは洗髪時に気をつけるべきポイントを紹介します。

シャンプー前にブラッシングをする

シャンプー前に、乾いた髪をブラッシングし、髪についた汚れを落とし、毛先の絡まりをといてから、髪の毛の流れに沿ってとかしましょう。

シャンプーを使った正しい洗髪法

シャンプーは、”二度洗い”が基本です。まずは髪の毛を濡らして、軽く1回目のシャンプーをしましょう。38〜40度のお湯で、手ぐしをしながら、頭皮まで十分に濡らします。この段階で、髪の毛の表面についた汚れはほとんど落とすことができます。
 
シャンプー剤は、容器に表示されている量を取って、まずは手のひらで軽く伸ばします。頭頂部で泡立てながら、手のひらを使って髪の毛全体に行き渡らせて、泡を洗い流しましょう。一度目の洗髪は頭皮の汚れを浮き上がらせることが目的なので、軽く泡立てて流すだけで問題ありません。
 
濡れた髪の毛の水分を軽く絞ったら、もう一度シャンプー剤を手のひらで伸ばし、頭頂部でしっかり泡立てます。2度目の洗髪は1度目の洗髪で浮き上がらせた頭皮の汚れを洗い流すのが目的です。シャンプー剤に水分と空気を含ませるようなイメージで泡立て、指の腹を使って、頭皮を揉むように優しく洗いましょう。
 
すすぎは、洗い残しがないように、シャンプーの2倍の時間をかけて洗い流しましょう。髪の毛に加えて頭皮もすすぐつもりで、しっかりすすぐことが大切です。手のひらをお椀型にして、頭皮にたっぷりとお湯を含ませるようにすすぐと、洗い残しが防げます。

十分に乾かす

お風呂から出たら、まずは吸水性のよいタオルで頭を包んで、水分を吸収させます。その後、手を勢いよく動かして、頭皮の水分を拭き取ります。髪の毛が長い方は、その後にタオルで髪の毛を挟んで、パンパンと叩くように水分を取り除きましょう。
 
ドライヤーを当てるときは、髪の毛から15センチほど離して、頭皮をしっかり乾かすようなイメージで、髪を持ち上げながら温風を当てます。

生活習慣

頭皮を健康に保つためには、生活習慣を整えることも大切です。生活習慣の乱れは、頭皮や髪の毛のトラブルに関わりが深いといわれています。ここでは頭皮トラブルを招く生活習慣について解説します。

偏った食生活

味が濃いものを食べる機会が多い人は、高脂血症になるリスクがあります。高脂血症は血液中の脂肪分の濃度が高くなりすぎる病気で、自覚症状はないものの、気付かぬうちに血管が傷つき、動脈硬化などが起こりやすくなります。動脈硬化が進行すると頭頂部の血行が悪くなり、頭皮トラブルにつながることがあります。

お酒の飲み過ぎ

アルコールを多量に摂取すると、利尿作用によって水分が身体から排出されます。そのため体内の水分が不足するとともに、血流も悪くなるため、頭皮のトラブルが起きやすくなります。
 
頭皮に不快感を覚えたら間違ったシャンプー方法や生活習慣が原因かもしれません。頭皮が気になる方は、洗髪方法や食生活など日々の習慣を見直しましょう。

性ホルモンの影響による脱毛・薄毛のメカニズムと対策

頭皮を気にする男性

薄毛や脱毛には、性ホルモンが深く関わっているといわれています。特に男性の場合は、20代後半〜30代から、薄毛に悩まされる人も少なくないとのことです。

男性の脱毛・薄毛のメカニズム

男性の薄毛の多くが、壮年期の男性ホルモン「テストステロン」の過剰分泌が原因になると考えられています。テストステロンは、代謝によって「ジヒドロテストステロン」に変わり、ヘアサイクルの周期を短くします。ジヒドロテストステロンは、髪の毛を作り出す毛乳頭細胞に取り込まれ、ヘアサイクルの中でも特に重要な、髪の毛が作られて伸びる「成長期」を短くしてしまうので、細く短い毛しか生えなくなるのです。
 
さらに、抜け毛も進行するため、髪の毛が全体的に薄くなってしまいます。こうした仕組みで起こる薄毛は「壮年性脱毛症(男性型脱毛症)」、または
「AGA(Androgenetic Alopecia)」と呼ばれ、まれに女性にも起こるとされています。

男性の脱毛・薄毛対策

男性の薄毛対策として効果的だと言われているのが、投薬による治療です。特に、ジヒドロテストステロンを生み出す酵素の働きをブロックする飲み薬が有効とされています。薬を服用することで、ジヒドロテストステロンの影響により“髪の毛が生えてくる力”が弱まるのを抑制できるようになり、ヘアサイクルが正常に戻っていくのです。
 
薄毛が気になったら、早めに専門医の診察を受け、薬を処方してもらうようにするのがよいでしょう。
 
<参照>
永本玲英子『頭皮で解決! 髪のエイジング・トラブル』(産業編集センター)
 
フミナーズ 薄毛になりやすい人の特徴とは?|原因と対策
 
日本生活習慣病予防協会

photo:Getty Images

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