2018/04/12 17:00

入浴の正しい方法|質の良い睡眠と入浴効果について

入浴は睡眠の質を高めたり、疲労回復を促してくれたりなど、健康に過ごすために大切な生活習慣です。入浴時間やお湯の温度などを意識することで、より効果的になります。今回は、快眠につながる入浴法、ストレスや肩こり、低血圧、月経前症候群(PMS)を和らげる入浴法を紹介します。

目次

  • 睡眠のための入浴法
  • 入浴の効果|症状別
    • ストレス
    • 肩こり
    • 低血圧
    • 月経前症候群(PMS)

睡眠のための入浴法

入浴でリラックスする女性

スムーズに入眠し睡眠の質を高めるには、入浴法を意識することが大切です。ここでは、快眠のための入浴法や、快眠するための入浴ステップ、入浴が快眠につながる理由について解説します。

快眠のための入浴法

効果的な入浴には、お湯の温度とつかり方が重要です。以下にぐっすり眠るための、入浴時のポイントをまとめました。

38〜40度のぬるま湯を準備する

お湯の温度を38〜40度くらいのぬるま湯に設定すると、熱の刺激による血圧の急な変動を予防でき、心臓などへの負担を減らせます。血圧が下がり脈拍もゆっくりと落ち着き、副交感神経が優位になるので、入眠に向けてリラックス効果が高まります。

肩までつかる全身浴をする

全身浴には、体温が上がることで代謝や免疫機能が向上する「温熱作用」、水圧によって血行がよくなる「静水圧作用」、浮力により身体が支えられることで筋肉の緊張が緩む「浮力作用」などの効果があります。代謝の向上や血行促進は疲労回復を促し、また、同時に筋肉が緩むことでリラックスした状態になるため、スムーズな入眠につながりやすくなります。シャワーや半身浴だけでは、これらの効果は十分に得られないので、肩までお湯につかるようにしましょう。

快眠するための入浴ステップ

快眠のためには、就寝1~2時間前までに入浴を済ませてください。ここでは、入浴前から入浴後までの6ステップを紹介します。

  • 入浴前に水分をとる
    一般的に、約15分前後の入浴で、身体から500~800mlくらいの水分が汗になって出ていくといわれています。脱水症状などを起こさないよう、必ず入浴前に水分をとりましょう。
  • 湯船に入る前のかけ湯(シャワー)
    手や足の先から身体の中心、頭に向かって少しずつお湯をかけます。手桶なら10杯が目安。身体を清潔にしてから湯船に入るというマナー面だけではなく、血圧の急上昇を防ぐ効果があります。
  • 半身浴→全身浴に
    一気に全身を湯船につけようとせず、まずは「みぞおち」のあたりまでつかるようにしましょう。次にゆっくりと肩までつかり、少しずつ身体をお湯に慣らしていきましょう。急に全身がお湯につかってしまうと、熱による刺激や水圧による圧迫で心臓に急な圧力がかかってしまうので、避けてください。
  • 洗い場で髪や体を洗う
    額に汗がにじんできたら、身体が温まってきているサインです。このタイミングでゆっくりと湯船から上がり、髪や身体を洗いましょう。肌の毛穴が開いているため、汚れも落ちやすくなっています。
  • 全身浴
    最後にもう一度湯船に肩までつかってリラックスし、額に汗が浮かんできたら湯船から出ます。
  • 水分をとって休息
    湯冷めしないように、しっかりと身体を拭いた後、400〜500mlほど水分をとりましょう。

入浴が快眠につながる理由

入浴によって睡眠の質が高まる主な理由は以下の3つです。

副交感神経が優位になる

お湯につかった後に血圧や脈拍数が下がるため、休息をつかさどる副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態になります

深部体温が下がるためスムーズな入眠ができる

深部体温(※1)が下がっていくタイミングが、自然に眠気が訪れる最適なタイミングです。そのため、「就寝に向けて体温を低下させる」ことが重要になります。就寝の1〜2時間前までに入浴を済ませると、入浴によって一度上がった深部体温が下がっていくため、自然に眠気が来てスムーズに入眠できます。
 
(※1)深部体温とは、脳や内臓などの体の内部の温度のことです。

十分な食事の消化時間が設けられる

就寝時に、消化管内に内容物がたくさん残っていたり、食事によって上がった血糖値のままであったりすると、身体も脳も活発に働いてリラックスできず、快眠にはつながりません。食後から就寝までの間に入浴すると、食べた物の消化時間が確保できるので、深い睡眠がとりやすくなります。

入浴の効果|症状別

入浴効果を実感する女性

睡眠以外の心身の不調を改善したいときにも、入浴は有効とされています。ここでは、症状別におすすめの入浴方法とその効果をご紹介します。

ストレスを感じるとき

ストレスを強く感じているときは、38〜40度のお風呂に15分ほど入るのがおすすめです。ぬるめのお湯につかることで、ストレスによって優位になっていた交感神経を鎮め、副交感神経が優位な状態になりやすくなります。これにより筋肉の緊張も緩むので、精神的なストレスだけではなく、肉体疲労にも効果的です。

肩こり

肩こりは、肩周辺の筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)などが緊張して硬くなり、血行が悪くなることで生じるといわれています。そのため、肩までしっかりと湯船につかって血行を促しましょう。
 
ストレスにさらされ、筋肉が緊張する機会が多いと、肩こりも慢性的になってしまう恐れがあります。慢性的な肩こりのときは、40度のお湯に10分ほどつかることが効果的です。リラックス効果とともに、副交感神経が優位に働き、筋肉も弛緩します。毎日続けることで、慢性的な肩こりが緩和されるようになるでしょう。

低血圧

低血圧になる要因として、自律神経の乱れがあります。自律神経の正常な働きを促すには、以下の手順で入浴してください。

  • 40〜41度のお風呂に3分ほど入る
  • 23〜26度の水を手足に10秒ほどかける
  • (1)~(2)を5〜6回繰り返す

血管の拡張と収縮を反復させるというステップを繰り返すと、血管が正常に拡張・収縮するようになるため、自律神経のバランスも整いやすくなります。

生理痛・月経前後の体調不良(PMS)

頭痛や腹痛、イライラ感など、月経前後に起こる不調(PMS)は、ホルモンバランスの乱れによるものといわれています。これらの症状を緩和するためには、血行をよくし、副交感神経を優位にすることが効果的です。生理の初日〜2日目は40度くらいのシャワーを浴びるだけにし、3〜4日目以降は40度のお風呂に15分ほどつかって、身体をしっかり温めてください。
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)

 
<参照>
『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』早坂信哉(角川フォレスタ)
『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』早坂信哉、古谷暢基(日本入浴協会)

photo:Getty Images

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