2018/04/27 17:00

基礎代謝アップの方法|やせやすい身体をつくるルール

食事や運動の頻度など、生活習慣はあまりわっていないのに、お腹や背中に脂肪がつきやすくなってきたり、ダイエットの効果がなかなか出ないと感じたりすることはありませんか? これらの原因のひとつとして、身体の「基礎代謝」の量が低下していることが挙げられます。

基礎代謝とは何か、また基礎代謝量を落とさないために何をすればよいのか、RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニックの白濱龍太郎院長に伺いました。

目次

  • 基礎代謝とは
  • 基礎代謝が上がるとやせやすくなる理由
  • 基礎代謝を上げる方法

基礎代謝とは

体重計

ダイエットをするときは「基礎代謝」について理解しておくことが重要です。1日の消費カロリーを把握するためにも自分自身の基礎代謝を知り、ダイエットの効率を上げましょう。ここでは、基礎代謝とは何か、基礎代謝が下がることで生じるデメリット、基礎代謝量の計り方などについて解説します。

そもそも基礎代謝とは?

呼吸をしたり、内臓を動かしたり、体温を維持したり、私たちの身体は、生きるために絶え間なく動き続けています。基礎代謝とは、このような生命維持活動で消費されるエネルギーのことで、その量には個人差があるという特徴があります。
 
「一般的に基礎代謝量は、成人男性で約1600kcal、成人女性は約1200kcalとされていますが、身長・体重・年齢・筋肉量といった要素により、個人差も影響します。基礎代謝は何もしなくても消費するエネルギー(カロリー)なので、下がれば下がるほど、一日に消費できるカロリー量が減ることになります。つまり、基礎代謝が下がっているのに、下がる前と同じ食生活を続けていると、消費カロリー量よりも摂取カロリー量が多い状態になるため、太りやすくなってしまうのです。さらに、基礎代謝が下がると、太りやすくなるだけでなく、血液の循環が悪化し、高血圧や血行不良による病気のリスクが高まります」(白濱先生)

基礎代謝がダイエットにとって重要な理由

基礎代謝が高いということは、運動しなくても多くのエネルギーが消費されるということです。同じカロリー量を摂取しても、基礎代謝が高い人のほうが、低い人に比べて消費カロリー量多いので、やせやすいということになります。だから、ダイエットにおいてご自身の基礎代謝量を把握しておくことが大切なのです。なお、基礎代謝は筋肉量に依存しているため、筋肉質で体格ががっちり人ほど高いとも考えられます。
 
「ただし、基礎代謝が高いからといって、日々の消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければダイエットにはつながりません。ダイエットを目指すのであれば、基礎代謝を上げることはもちろん、同時に摂取カロリーの調整も考える必要があることを忘れてはいけません」(白濱先生)

基礎代謝の測り方

加齢などによる基礎代謝量の変化を把握しておく、ダイエットのために基礎代謝量を知る方法として、次のようなものがあります。

正確な測り方

基礎代謝量をきちんと測定する場合、呼気から測定する装置などが使用されます。ただし、これらの装置を備えているのは限られたクリニックのみとなっているそう。
 
「正確な基礎代謝を知る必要があるのは、アスリートや肥満治療を行う人くらいです。そのため、アスリート向けのクリニックや肥満外来には基礎代謝を計測する装置が用意されていることもありますが、一般的なものとはいえません。一般の方は、目安としての数値を理解しておく程度で十分でしょう」(白濱先生)

簡単な測り方

基礎代謝量の目安を簡単に測る方法として、次の計算式が使われます。
———————————-
体重×基礎代謝基準値=基礎代謝量
———————————-
基礎代謝量基準値の数字は、年代により下記のように定められています。

日本人の食事摂取基準

『日本人の食事摂取基準(2015年版)』より

 
これらの数式によって導き出されるのが1日の基礎代謝量の目安です。1日の摂取カロリーが、基礎代謝量と運動などで消費するカロリーの合計を上回れば、カロリー過多、下回れば、不足となります。

そもそも基礎代謝はなぜ低下するのか?

基礎代謝が低下してしまう背景には、基礎代謝量を決める要素の中でも、特に加齢による筋肉量の変化が大きく関係しているといいます。
 
「安静時の基礎代謝のうち、筋肉が22%、肝臓が21%、心臓が9%、腎臓が8%、脳が20%と、筋肉が最も多くを占めています。臓器のサイズは加齢の影響で変化することはほとんどありませんが、筋肉量は一般に加齢とともに減る傾向にあるため、基礎代謝量もそれにともなって下がってしまうのです」(白濱先生)
 
筋肉量の減少は30歳前後から現れ、基礎代謝量もそのころを境に低下していくのだそう。

基礎代謝を上げる方法

トレーニングをする男女

基礎代謝を上げるためには、適度な運動に加えて、良質な睡眠、冷えなどによる血行の悪化を防ぐことが基本です。そして、基礎代謝を上げるために最も効果的なのは「運動して、筋肉量を増やす」ことです。

筋肉量を増やす

前述のとおり、基礎代謝量のほとんどは筋肉が占めています。そのため、筋肉量を増やすことが基礎代謝アップにつながります。
 
「特に背中や太ももなどの大きい筋肉はエネルギー消費量も多いので、ここを鍛えると効率よく基礎代謝を上げることができます」(白濱先生)
 
運動を続けることで加齢による筋肉量の低下を防ぎ、基礎代謝量の維持も期待できます。

筋肉量を増やすオススメエクササイズ

基礎代謝を上げるという観点では、筋トレを行って大きい筋肉を鍛えることが効果的と考えられますが、白濱先生は「ラジオ体操程度の運動でもよいので、続けることが大切です」といいます。
 
どのような運動をするか考えるとき、参考になるのが運動強度を示した「メッツ(METs)」です。これは、活動・運動を行ったときに、安静時の何倍のカロリーを消費しているかを表す数値です。
 
国立健康・栄養研究所が策定した『健康づくりのための身体活動基準2013』によれば、健康を維持するために達成することが望ましいとされる身体活動(※)の基準は下記のとおりです。
 
※身体活動の量を表すのが「メッツ・時」という単位で、身体活動の強度(メッツ)に活動時間をかけたものです。
(例)3メッツの身体活動を1時間行った場合:3メッツ×1時間=3(メッツ・時)

18-64歳の身体活動(生活活動・運動)の基準

強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う。
 
具体的には歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上行う。

3メッツ以上の運動・活動

  • ボウリング、社交ダンス(3.0メッツ)
  • 自体重を使った軽い筋力トレーニング(3.5メッツ)
  • ラジオ体操第一(4.0メッツ)
  • ウォーキング(4.3メッツ)
  • ゆっくりとした平泳ぎ(5.3メッツ)
  • ゆっくりとしたジョギング(6.0メッツ)
  • ハイキング(6.5メッツ)

また、65歳以上の場合の基準は、次のような負荷が少ないものになっています。

65歳以上の身体活動(生活活動・運動)の基準

強度を問わず、身体活動を10メッツ・時/週行う。具体的には、横になったままや、座ったままにならなければどんな動きでもよいので、身体活動を毎日40分行う。
 
こちらも3メッツ以上の運動を取り入れるのが望ましいとされていますが、難しい場合には下記の3メッツ未満の身体活動を組み合わせることで基準を満たすことも可能です。

3メッツ未満の運動・活動

  • 皿洗いをする(1.8メッツ)
  • 洗濯をする(2.0メッツ)
  • 立って食事の支度をする(2.0メッツ)
  • 時々立ち止まりながら買い物や散歩をする(2.0~3.0メッツ)
  • ストレッチングをする(2.3メッツ)
  • 座ってラジオ体操をする(2.8メッツ)
  • ゆっくりと平地を歩く(2.8メッツ)

「運動習慣を持続させるためには、1人で頑張ろうとするよりも誰かにサポートしてもらう方が続けやすいはずです。誰でもいいので、運動と食生活をチェックしてもらうようにしましょう」(白濱先生)

より効率的に基礎代謝を上げるために、運動とあわせてやるべきこと

バスルーム

基礎代謝を高めるために、運動とあわせて行いたいのが「良質な睡眠」と「体温を上げて、血行を良くすること」です。この運動とセットで行うことで、より効率的に基礎代謝をアップさせることができます。

良質な睡眠をとる

「基礎代謝量を増やすには、実は深い睡眠が重要になります。深い睡眠は成長ホルモンを分泌させるのですが、この成長ホルモンが分泌されることによって基礎代謝量が上がるという研究結果があるのです」(白濱先生)
 
深い睡眠をとるために必要なのは、自律神経のうち、覚醒をつかさどる交感神経を鎮めることと、就寝時に深部体温を下げることが大切です。

交感神経を鎮める

交感神経を鎮め、快眠を導く副交感神経を優位にするには、眠る前に十分リラックスすること。眠る前にスマホやPCの画面を見るのはやめて、好きな音楽を聞いたり、雑誌を眺めたりして過ごしましょう。
 
「睡眠環境を整えたり、リラックスできるようにしたりすることも大切ですが、不眠症や睡眠時無呼吸症候群など、眠りを妨げる原因がほかにあるのであれば、先にそちらの対処をすることが必要なので、早めに専門医に相談することをおすすめします」(白濱先生)

深部体温を下げる

一方、就寝時に深部体温を下げるためには入浴が最適といいます。
 
「入浴によって一時的に体温を上げることで、反作用によって深部体温が下がりやすくなります。就寝の1時間前までに入浴を済ませ、身体の火照りが覚めるころに寝床に入るようにスケジューリングするとよいでしょう」(白濱先生)
 
また、白濱先生によると、湯船につかることができない場合には、シャワーを首の後ろにあてて首を温めたり、寝る前に方を回したりするのも有効です。毎晩の習慣にしてみてください。

体温を上げ、血行をよくする

体温を上げ、血行をよくすることも基礎代謝量アップにつながります。入浴や運動によって血行がよくなると、臓器の働きも活発になります。その分消費カロリーも増えるので、基礎代謝の向上につながります。
 
「基礎代謝量アップのためには、体温にも血行にも影響する冷えは大敵です。特に女性の場合、もともと男性よりも筋肉量が少なく基礎代謝が低めですが、冷えがさらに血行を妨げる原因になります。そのため普段から冷えを防ぐことを意識しておくのがよいでしょう」(白濱先生)
 
基礎代謝は体温が上がることでも上昇すると言われていますが、体温を上げるといっても、表面的な熱では効果がありません。例えばお腹にカイロを貼っても、内臓の代謝には影響がないそうです。身体の内側から温めることを意識しましょう。本来よりも基礎体温が低い人は、運動や入浴、冷え対策などを行って、正常な基礎体温を取り戻すことを目標としてください。
 
「身体を温めるといえばお風呂です。39℃程度のお湯に15分程度ゆっくりとつかるのがよいでしょう。身体が温まるだけでなく、血行がよくなることで内臓の基礎代謝量が上がります」(白濱先生)
 
基礎代謝を上げることを意識すると、運動、血行、睡眠と、あらゆる面で健康的な生活に結びつきます。ダイエットだけにとどまらない基礎代謝の影響。痩せたい人もそうでない人も、まずは自分の基礎代謝量を調べ、生活を見直してみてはいかがでしょうか。

 
▼書籍
『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』白濱龍太郎(アスコム)
『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』白濱龍太郎(アスコム)
 
▼厚生労働省e-ヘルスネット
加齢とエネルギー代謝

エネルギー代謝の評価法

 
▼日本医師会
 

▼日本救急医学会

 
▼国立健康・栄養研究所
健康づくりのための運動指針 2006

健康づくりのための身体活動基準2013

photo:Getty Images

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