2018/05/11 17:00

仕事のストレスが限界!性格別の対処法と予防法

仕事によるストレスが、心身に悪影響を与えることがあります。そんな状況に陥る前に実践したい対処法のほか、ストレスを感じやすい人の特徴、ストレスによって現れる反応などについて、メンタル・ジャーナリストで精神保健福祉士の大美賀直子さんに伺いました。

目次

  • 仕事でストレスを感じやすい人
  • 仕事によって現れるストレス反応
  • 仕事によるストレスの対処法
  • 仕事のストレスで眠れないときの対処法

仕事でストレスを感じやすい人

マルチタスクへの対応に悩む女性社員

上司や職場の仲間、クライアントなどとの人間関係、仕事量の多さ、対処の難しい仕事など、仕事をする上では常にさまざまなストレスにさらされます。仕事のストレスによるメンタルヘルスへの影響は、これらの要因だけでなく、個々の「性格」や「考え方」によっても大きく異なります。

ストレスをためやすい性格・考え方

ストレスによる影響を性格の側面から見た場合、「タイプA・B・C」という3つの特性から捉えるという考え方があります。

せっかちで競争心の強いタイプ(タイプA)

同時に多数のことを素早くこなすことを好み、競争を好むタイプです。素早くたくさんの結果を出そうとするため、いつも時間に追われています。生活が刺激に満ちている反面、心身が常に緊張モードになりやすく、無理をしがちです。負けず嫌いの人も多く、他人より高い成果を上げたいという欲求も強いため、闘争的です。ストレスに気づかずに心臓などに負担がかかり、ある日突然、体を壊してしまうリスクがあります。

マイペースタイプ(タイプB)

他人と競争したり、他人の言動に左右されたりせず、ストレスをためにくいタイプです。自分の業績を誇示することや、一度にたくさんの行動をこなしてせっかちになることがなく、また自分の感情を適切に表現できるため、ストレスをうまく解消できる性格といわれています。3つのタイプの中では、ストレスによって心身に不調をきたすことが極めて少ない傾向にあります

自分の感情を表出できないタイプ(タイプC)

怒りをはじめとするネガティブな感情を表出せず、いつでも周囲に合わせてしまうタイプです。不快な感情を感じたり表出したりすることを、無意識のうちに抑制してしまうため、無理な仕事を任されたり、過酷な状況に置かれた時にも、自分の気持ちに気づかず、周囲の要求に応えてしまったりします。そのため、知らず知らずのうちにストレスをためやすく、体調に影響が表れやすいといえます。
 
上記3タイプの中では、タイプAとタイプCの人がストレスをためやすい性格とされています。自分のストレス状態に気づき、対処していくためには、まず自分がどのタイプに当てはまるのかを認識し、タイプAの人は無理をし過ぎないこと、タイプCの人は自分の感情に気づき、それを表出できるようにすることが重要です。

仕事によって現れるストレス反応

イライラしている女性

仕事でストレスがたまると、身体、心理、行動の3つにストレス反応が現れます。最近の自分を振り返り、心身に不調を感じている、自分の行動に変化が生じているなどの実感がある人は注意が必要です。

身体的反応

仕事のストレスによって身体に負荷がかかると、自律神経のバランスが乱れて体調に悪影響が生じ、下記のような症状が現れることがあります。
 
●身体的反応の具体例
食欲不振、過食、不眠、頭痛、腰痛、肩こり、胃の痛み、便秘など

心理的反応

人は持続的なストレスにさらされると、気分が憂うつになり、焦りや不安も強くなります。また、冷静さが失われ、気持ちが落ち着かなくなります。そのため、以下のような反応が現れることがあります。
 
●心理的反応の具体例
イライラしやすくなる、不安感や焦燥感が強くなる、気分が落ち込みやすい、集中できないなど

行動的反応

身体面、心理面だけでなく、行動面にも変化が生じます。何かの物事に夢中になるなどの極端な行動をする人もいる一方で、対人交流を避け、作業にいつもより何倍も時間がかかるなどの行動の抑制が見られる人もいます。
 
●行動的反応の具体例
食べ過ぎ、飲み過ぎ、買い物やゲームなどに夢中になる、人との関わりを避ける、行動が遅くなるなど
 
こうしたストレス反応が続き、解消できなくなった場合、それを「休息をとるべきタイミング」のサインとしてとらえることが大切です。
 
「ストレスの蓄積は自分で気づきにくいものですが、『以前よりも疲れやすい』『ちょっとしたことでイライラしてしまう』『行動が過剰になった、あるいは緩慢になった』など、身体・心理・行動に以前には見られないような変化が続いている人は、原因がストレスの蓄積にあることを疑ってもよいかもしれません。上記のようなサインに気づいた場合、そのまま放置せず、休息を取り入れながら早めに対処することが大切です」(大美賀さん)

仕事によるストレスの対処法

職場のデスクで談笑する二人の女性

大美賀さんによると、仕事のストレスによって心身が疲弊しないようにするためには、持続するストレスに身体が抵抗しようとして頑張っている期間、つまり「抵抗期」での適切な対処が重要だといいます。
 
「時間ややるべき仕事に追われていると、ストレスに抵抗するために自律神経の交感神経の働きが亢進して心身を過剰に活動的にさせるため、通常よりも無理が効いてしまいます。この期間を『抵抗期』と呼びますが、この時期には心身が異様に興奮するため無理に働きすぎてしまう人も多く、そのまま頑張り過ぎると、心身に大きな負荷がかかっていきます」(大美賀さん)
 
抵抗期の段階で十分な休息をとらずに無理を続けていると、心身が疲弊する時期、すなわち「疲弊期」に進行する恐れがあります。
 
「『疲弊期』に入ると、抑うつ状態に陥ったり、急に無気力になって外出できなくなったりするなどの精神症状が現れる人がいます。または、内臓の機能が低下し、身体の疾患が生じる人もいます。場合によっては休職を余儀なくされ、重篤な場合には、仕事の復帰に長期的な治療が必要になることもあります。そのため、抵抗期の間に自分のストレス状態に気づき、早めに対処していくことが大切です。その期間のセルフケア方法として、私がお勧めしたいのが次の3つのポイント、『眠る』・『話す』・『気分転換』です」(大美賀さん)
 
ストレスで心身が悲鳴をあげる前に心がけたい3つのセルフケアのポイントとは、どのような対処法なのでしょうか。具体的に紹介します。

しっかり「眠る」

睡眠は、ストレスで疲れた心身を回復させるために欠かせない重要な時間です。
 
「心身をしっかり休ませ、ストレスの蓄積を防ぐためには、1日6時間以上の睡眠を確保したいものです。また、十分な睡眠はストレス対策だけでなく、病気予防にも有効です。ストレスが原因で睡眠時間が6時間を切ると、脳内出血や脳梗塞などの脳血管疾患、心不全や心筋梗塞などの心疾患のリスクが高くなるといわれているため、健康的に働くためには十分な睡眠時間を確保しましょう」(大美賀さん)

思いのたけを「話す」

「仕事のストレスを解消するためには、自分ひとりで抱えるのではなく、信頼できる人に気持ちを打ち明け、サポートを求めることが大切」と大美賀さんは話します。
 
「家族や友人など、周囲の親しい人に仕事の悩みを打ち明けることで、気持ちが楽になり、ストレスから解放されることがあります。さらに、忌憚なく話しているうちに『実はストレスがたまってつらい状態なのかも…』と、自分のストレス度合いを認識できますし、相手からも『いつもと違うよ。無理していない?』といったことを指摘してもらいやすくなります。身近な人とのつながりは、お互いの健康を守る『ソーシャルサポート』の役割を果たしているので、日頃から何でも話せる関係性をつくっていくことが大切です」(大美賀さん)
 
他者によるソーシャルサポートは、主に4種類に分けることができます。身近な人と良好な関係性が保たれていれば、以下のようなサポートを自然に行い、支え合うことができます。

  • 道具的サポート:相手の負担を軽くするために手伝う、必要なものを提供する
  • 情報的サポート:その人に必要だと思われる情報を伝える
  • 評価的サポート:その人について肯定的に評価する
  • 情緒的サポート:つらい気持ちに寄り添い、慰めたり、勇気づけたりする

「他人とコミュニケーションをとり、ソーシャルサポートを与え合える関係性を築いておくことは、仕事のストレス要因から上手に距離をとったり、ストレスを軽減したりするために役立ちます。また、相談することによって気持ちに余裕ができれば、以前より仕事のパフォーマンスが向上することもあるので、人とのつながりは大切にしましょう」(大美賀さん)
 
ただ、他人に気を遣って自分の気持ちを素直に表現できず、相談することが苦手という人は、まずは身近にいる話しやすい人と気持ちのよい挨拶やたわいのない会話を繰り返し、ちょっとしたことを相談し合える関係性を築くことから始めてみましょう。
 
「どうしても身近に相談できる知り合いがいない人、対面で打ち明けるのが不安という人は、カウンセリングサービスなどを利用してみるとよいかもしれません」(大美賀さん)

「気分転換」をする

ストレスを緩和するには、スポーツ、散歩、買い物など、自分が楽しめる行動で気分を変えることも効果的です。忙しくてプライベートの時間が確保できないという人は、移動中に音楽を聴く、眠る前にアロマの香りを楽しむなど、短時間で手軽にできる方法を試してみましょう。
 
仕事が好きな人ほど、目の前の仕事に夢中になってほかのことが目に入りにくくなる一面もあるため、気分転換が疎かになりがちです。視野を広げて、仕事以外の気晴らしになるものを見つけてください。さらに、できれば週末の1日は何もせずにだらだらと過ごすとよいでしょう。『疲れたら骨休め』という言葉があるように、テレビを見たり、音楽を聴いたりしながら、身体を横たえてのんびり過ごすことも大切です。『毎日忙しいけど、そういえば今日は1日、大したことをしなかったな』と思えるような日があることは、最高の気分転換になります」(大美賀さん)

仕事のストレスで眠れないときの対処法

横たわってリラックスしている女性

仕事によるストレスが原因で入眠できなかったり、一度眠っても何度も目が覚めてしまうような状況が続いたりすると、睡眠不足で仕事に支障をきたし、余計にストレスが生じるという悪循環に陥ることがあります。ストレスがたまっているときは入眠を妨げる行為を控えるなど、スムーズに眠れるような状態をつくりましょう。

入眠を誘う呼吸法

ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になりすぎて、心身が緊張した状態が続いてしまいます。そんな時に行いたいのが、自律神経のバランスを整えて心身をリラックスさせる呼吸法です。
 
呼吸と自律神経のバランスには、密接なつながりがあります。大きく息を吐くと副交感神経の働きが高まり、リラックスすることができます。ストレスがたまって疲れを感じているときは、呼吸法を意識することで自律神経のバランスを整えることができます。

[眠れない時に試したい呼吸方法]

  • 椅子に座って、あるいは布団に仰向けに寝て、軽く目を閉じる。
  • ゆっくりと大きく息を吸う。そして、吸った息をゆっくりと吐き出す。
  • 2を繰り返しながら、呼吸に意識を向けて、心の中で呼吸の数をひとつ、ふたつとゆっくり数える。
Point

「息を吸ったり、吐き出したりするときは、自分のペースで深くゆっくりと行うことが大切です。副交感神経の働きが高まり、寝つきもよくなります」(大美賀さん)

入眠を妨げる行為を控える

寝つきを改善するためには、身体を眠りにつきやすい状態にすることが大切です。スマホの使用や入浴時間は、場合によって眠りを妨げる要因になることもあるので控えましょう。

就寝直前の入浴、熱めの湯を避ける

冬場は入浴後、身体が冷めないうちに温かくして就寝すると入眠しやすいですが、暑い季節には就寝したい時刻の1~2時間前までにすませておいた方がよいでしょう。また、熱めの湯への入浴も交感神経が高まりやすいため避けるようにしましょう。

眠る前にスマホやパソコンは使わない

眠る前のリラックスする時間には、スマホやパソコンなどのツールを見ないことです。仕事に関する連絡や情報検索が気になって、眠る前にもついスマホやパソコンを使用していると、脳が休まらず、心地よい眠りを手に入れることはできません。
 
また、スマホやパソコンの画面から発光するブルーライトは、サーカディアンリズム(体内時計)の乱れに影響するため、入眠の妨げになります。スマホやパソコンは寝室に持ち込まないようにするか、就寝時は電源を切るなどして、眠ることを第一に考えてください。
 
呼吸法のほかにも、さまざまなリラックス方法があるので、自分に適したものをうまく取り入れ、ストレスと上手に付き合っていきましょう。
 
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photo:Getty Images

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