2017/06/12 17:00

更年期の「眠い」を解消!|快適な睡眠を取り戻す方法

女性が更年期になると、ホルモンバランスの崩れによる「更年期障害」や加齢が原因で強い眠気に襲われることがあります。今回は更年期に眠くなる理由と、更年期の眠気対策を紹介します。

目次

  • 更年期とは
  • 更年期に強い眠気に襲われる理由
  • 更年期の眠気対策

更年期とは

「更年期」は、女性の閉経をはさんだ前後5年間(45歳から55歳くらいの時期)のことを指し、心身にさまざまな問題が生じやすい時期です。この不調をまとめて「更年期障害」と呼び、下記のような症状が出ます。

更年期障害の症状

更年期障害の症状は、身体面と精神面の両方で起こります。

身体面の代表的な症状

のぼせ、顔のほてり、脈が速くなる、動悸・息切れ、異常な発汗、血圧の上昇・低下、耳鳴り、頭痛、めまい、生理不順など
 
閉経後は、これらに加えて膀胱炎に類似した症状や尿失禁、腰や膝の関節痛などが起こることもあります。

精神面の代表的な症状

イライラ、不安感、抑うつなど更年期障害の初期症状には、だるさや無気力感など、実感しづらい症状が多いため、気付かないままストレスをため込んでしまい、症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。

更年期障害の原因

更年期障害は、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の減少によって、ホルモンバランスがくずれることで引き起こされます。エストロゲンの減少は加齢によって起こり、治療にはホルモン剤などの薬物治療や漢方療法のほか、予防策として食事や睡眠などの生活習慣の改善が効果的とされています。

男性の更年期障害について

更年期障害は、女性だけではなく、男性にも起こります。40〜50代にかけて発症することが多く、デスクワークが多い人や、几帳面でストレスをため込みやすい人に多く見られます。

男性の更年期障害はなぜ起こる?

男性の更年期障害の原因は、女性同様に性ホルモンの減少です。男性の場合、加齢とともに減少するのは「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンです。

男性の更年期障害の症状

テストステロンは、簡単にいうと「男らしさをつくるホルモン」です。骨や筋肉を強くしたり、体毛を濃くしたり、闘争心を高めたりする作用があります。そのため、テストステロンが減少すると、心身に次のような症状があらわれます。

身体的な不調

性機能の低下、筋力低下、自律神経系の不調(女性の更年期障害に似たのぼせ、ほてり、発汗、冷え性など)

精神的な不調

疲労感、無気力、抑うつ、不安、イライラ、不眠男性の更年期障害でも、女性と同様に不眠に悩まされることがあります。なかなか寝付けなくなる「入眠障害」のほか、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、睡眠の質が悪化する「熟睡障害」、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」など、全てのタイプの不眠症が起こる可能性があります。症状によって更年期障害かどうかを見分けるのは難しいため、不調を感じた場合、まず医師に相談してみましょう。

更年期に強い眠気に襲われる理由

40〜60代は、寝付きが悪くなったり睡眠の質が下がったり、また一方で日中に強い眠気に襲われるなど、睡眠にもトラブルが発生しやすい年代とされています。その原因は、更年期障害によるものと、加齢に伴うものの2つあります。

更年期障害によるもの

のぼせや発汗といった更年期障害の症状が原因となり、睡眠の不調を引き起こす場合があります。就寝中、必要以上にのぼせや発汗の症状が出ると、寝苦しさを感じて目が覚めてしまう、熟睡できなくなるといった状態になります。また、イライラや興奮状態が続きリラックスできなくなり寝付きが悪くなります。すると、睡眠の質が下がるため、十分な睡眠がとれなくなります。こうして睡眠不足になると、身体が睡眠を促し、日中に眠気が襲ってくるのです。

加齢によるもの

上記のような更年期障害の症状が出ていないのに、睡眠の不調がある場合は、加齢によるノンレム睡眠の減少が原因と考えられます。
 
ノンレム睡眠とは、脳を休めるための眠りです。一方、レム睡眠は、身体が休んでおり、脳は覚醒状態を維持しながらも浅い眠りに入っている状態です。人間は一晩の睡眠中に、このノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返しています。
 
ノンレム睡眠は眠りの深さによって1~3までのレベルに区分され、レベル3の深い睡眠中は、多少の物音がしても、なかなか目を覚ましません。しかし、加齢によって深い睡眠の割合は減少するとされ、60代後半では、レベル3の深さの睡眠をとることがほとんどなくなります。これは、身体が老化すると日中の活動量が減り睡眠中に身体の疲労を回復する必要がなくなり、深い睡眠が不要になるからだと考えられています。

Check

レム睡眠・ノンレム睡眠とは?周期や脳波から知る適切な睡眠時間

→「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のメカニズムについて詳しく解説します

若いころと比較して「睡眠時間が減少した」「眠りが浅くなった」など、感じる人もいるかもしれません。しかし、加齢によるノンレム睡眠の減少は自然なことなので、日常生活に支障がなければ、気にする必要はありません。
 
また、睡眠の不調はうつ病や認知症、むずむず脚症候群、睡眠時無呼吸症候群など、更年期障害や加齢以外の病気が原因になっている可能性もあります。上記のような原因に心当たりがない場合は、早めに医師に相談しましょう。

更年期の眠気対策

更年期を迎え、更年期障害が起こると、睡眠に関する悩みを抱える人が増えてきます。ここでは、更年期に起こる日中の眠気の予防法や解消法についてまとめました。

規則正しい生活リズムをつくる

快適な睡眠のためには、もともと身体に備わっている体内時計を整えることが重要です。毎日同じ時間に就寝し、同じ時間に起床し、身体のリズムを一定に保ちましょう。
 
体内時計は、脳や肌、臓器、身体の部位の働きをつかさどっています。本来、体内時計は規則正しい生活を送ることで1日を1周期として働きますが、寝不足や夜更かしなどで睡眠時間が乱れるとリズムが崩れ、疲れやすい、食欲がない、胃が重く感じるなどの症状や、スムーズに眠れない、日中も眠くなるといった問題が起こる原因になります。
 
体内時計の乱れは、起床後すぐに朝の光を浴びるとリセットされるといわれています。そのため、朝に光を浴びるという習慣を、生活のルーチンワークに取り入れてみましょう。

食事でメラトニンを生成

睡眠の質を高めて日中の眠気を予防するためには、食生活の見直しも重要です。その際にポイントとなるのが、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」です。「メラトニン」の分泌のためには「セロトニン」の生成が不可欠で、「セロトニン」は「トリプトファン」を含む食べ物を摂取すると生成されやすくなります。トリプトファンはバナナ、乳製品、大豆製品、魚類や牛レバーなどに多く含まれています。
 
特に、朝にトリプトファンを多く含む食品をとるとスムーズにセロトニンが分泌されます。すると、夜に十分なメラトニンが生成され、自然な眠りに入ることができます。スムーズに眠りに入ることで、睡眠の質が上がり、十分な睡眠がとれるため、日中の眠気も少なくなります。

睡眠環境

生活リズムや食事を改善してもうまく眠れず、日中も眠い状態が続くときは、睡眠環境を整え、睡眠の質を上げましょう。

マットレス・敷布団の選び方

マットレスは横になったときに、立っているときと同じ背骨のラインをキープするものを選びましょう。寝返りがうちやすくなり、眠りの質が上がります。敷き布団は、硬すぎず柔らかすぎない、適度な弾力があるものを使ってください。

掛け布団の選び方

掛け布団は軽く通気性に優れたものがおすすめです。更年期障害になると、急に暑く感じたり、汗をかいたりすることが多くなるため、布団の中に湿気がこもらないようにしましょう。

パジャマの選び方

通気性に優れ、軽くて肌触りのよいものを選びましょう。素材は綿やシルクなどがおすすめです。

室内環境を整える

夏は室温26℃、湿度は60%程度、冬は室温18〜23℃、湿度は50~60%程度が理想です。エアコンや加湿器などを利用し、気温と湿度をコントロールしましょう。

就寝1時間前までに入浴する

夏は38〜40℃、冬は39℃〜41℃くらいのぬるめのお湯を湯船にはり、15分ほどつかると睡眠の質が上がります。人間の体温は、入眠に向けて下がり、覚醒に向けて上がっていくというリズムを持っています。このリズムに従って就寝前にしっかりと全身を温めると、その反動で急激に体温が下がり、寝付きがよくなります。体温が下がりきらないまま寝床に入るのは逆効果となるため、就寝30分〜1時間前までには入浴を済ませておきましょう。
 
監修:吉田菜穂子(産業医、内科・心療内科医)
 
<参照>
『快眠読本』白川修一郎著(株式会社ウェッジ)
『脳も体もガラリと変わる睡眠力を上げる方法』白川修一郎著(永岡書店)
『一瞬で眠りにつく方法』坪田聡著(宝島社)
『睡眠障害のなぞを解く』櫻井武著(講談社)
『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』三橋美穂(かんき出版)
 
厚生労働省e-ヘルスネット「更年期障害」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html
 
公益社団法人日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kounenki.html
 
National Institutes of Health
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3955328/

photo:Getty Images

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