2017/06/30 17:00

眠れないときの対策|寝室のカーテンを替えて快眠

布団に入ったのになかなか眠れない…といった経験はありませんか? 一時的であっても、眠れない状態は心身にさまざまな不調を及ぼします。今回は眠れない状態になったときにあらわれる症状とその対策をまとめました。

目次

  • どうして眠れないの?
  • 眠れないときに出る不調
  • 眠れないときの対策
  • 寝室から眠れる環境を作る

どうして眠れないの?

布団に入ってもなかなか眠れない、という状態になってしまう理由は何でしょうか。ここでは、一時的に眠れなくなる原因をまとめました。

(1)眠る直前にスマートフォンやタブレットを使っている

スマートフォンやタブレットを寝室に持ち込み、布団の中でSNSやゲームなどに熱中すると、脳が覚醒してしまいます。スマートフォンやタブレットの画面から発しているブルーライトの刺激は、睡眠ホルモンの一種であるメラトニンの分泌を抑え、脳を興奮させたり、体内時計を狂わせたりします。電子機器で1件のメールを見たときの興奮度は、エスプレッソを2杯飲んだときと同じです。

(2)部屋着やジャージ姿のまま寝ている

眠るときは締め付けが少なく、リラックスできる服装を心がけましょう。ジャージやスウェットは肌触りがごわごわしているため、シーツとの摩擦が大きくなり、寝返りを打ちづらくなったり、体勢を変えるたびに目が覚めたりすることがあるので避けましょう。パジャマを着るときは着心地、通気性、保温性に優れた綿やシルク素材がおすすめです。シルクに含まれるセシリンというタンパク質は人間の肌に近い成分なので、肌なじみがよく、触れたときにとても心地よく感じられます。この心地よさがリラックスをうながす副交感神経を優位にし、寝つきがよくなります。

(3)ストレスがたまっている

悩みごとやストレスを抱えると、心身を活動的にする作用のある副腎皮質ホルモン「コルチゾール」が分泌されます。眠る前に考え事をしてコルチゾールが分泌されることで、脳が興奮して眠れなくなります。また、過度なストレスは、自律神経のバランスを崩し、交感神経と副交感神経のスムーズな切り替えを阻害する恐れがあります。ストレスによって脳の興奮状態が続き、活動モードの交感神経が優位な状態が継続されるので、なかなか寝つけなかったり、眠れたとしても眠りが浅くなったりします。
 
一時的な不眠ではなく、長期間続く場合は、不眠症をはじめとする睡眠障害の疑いがありますので、早めに医師の診察を受けましょう。不眠症については以下を参考にしてください。

Check

不眠症? 眠れないときにチェックしたい7つのポイント

眠れないときに出る不調

眠れない状態が続いて疲れが蓄積していくと、心身に以下のような影響を与えます。

(1)免疫力が低下する

眠れない日が続き、深い睡眠が取れていないと、本来なら睡眠中に作られるはずの細胞の修復機能を持つ成長ホルモンや、細菌などから身体を守るリンパ球などの生成が滞り、免疫力が低下してしまいます。免疫力が低下すると、がんや脳卒中などの5大疾病のリスクが高まります。

(2)肥満になりやすくなる

睡眠不足になると、食欲をコントロールするホルモンである「レプチン」の分泌量が減少し、食欲を刺激する「グレリン」というホルモンの分泌量が増えます。すると、食欲をコントロールできなくなり、必要以上に食べすぎてしまい太りやすくなります。また、何もしなくても消費されていくエネルギーである基礎代謝が下がり、エネルギーが消費されにくくなってしまうので、余ったエネルギーが脂肪として身体に蓄えられます。

(3)集中力が低下する

睡眠不足になると脳の前頭葉がうまく働かなくなり、「考えを切り替える」「複数の情報を処理する」といった作業が滞ります。すると、瞬時に判断がつかない作業はいったん置いておく…といった行動が目立つようになり、机の上や部屋が散らかったり、仕事の効率が落ちたりします。

(4)イライラする

上記に挙げた集中力が低下するなどの脳の機能低下を避けるため、脳が無意識に些細なことにも注意を向けるようになります。常に周囲に注意を払っていると、イライラしやすい状態になります。

眠れないときの対策

眠りに入りづらいと感じることが増えたときは、日常生活の習慣を見直しましょう。生活習慣の改善をすると、スムーズに眠りやすくなります。

自分なりの入眠儀式をつくり、習慣にする

例えば「歯を磨いて、パジャマに着替える」といったようなことも、毎晩同じことをしていれば「入眠儀式」になります。入眠儀式をすることで、自律神経は休息モードの副交感神経が優位になりやすくなり、眠れるようになります。

休日に眠りすぎず、睡眠リズムを整える

休日に平日より夜更かしをしたり、長く眠りすぎたりすると、翌日以降の睡眠リズムが狂いやすくなります。休日もできるだけ、平日と変わらない睡眠サイクルを意識しましょう。平日に不足した睡眠時間を休日にカバーしたい場合は、「休日の起床時間は、平日の起床時間のプラス2時間以内」、「15時以降の昼寝をしない」という2点を守るようにしましょう。

ぬるめのお風呂でリラックス

人間は体温が下がると、自然と眠くなります。入浴は、身体の中心の「深部体温」を上昇させ、入浴後に降下するため、自然な眠りを誘うのに効果的です。お湯の温度が高すぎると深部体温がなかなか下がらず、身体が火照って目が冴えたり、寝苦しいなどの原因になります。お湯の温度はぬるめの38〜40度に設定しましょう。

眠れなくても気にしない

布団に入って30分以上眠れなかったら、思い切って布団から出てしまうのもひとつの手段です。眠れないことでモヤモヤすると、「布団=眠れない」という図式が脳に記憶されてしまい、ますます眠れなくなってしまいます。眠れないと感じたときは、一度布団から出てリラックスし、眠気がやってくるのを待ちましょう。

脳をリラックスさせる

「セロトニン」という脳内物質が分泌されると、心が穏やかで幸せな気持ちになります。しかし、セロトニンが不足すると気分が落ち込んでしまい、眠れない要因になります。セロトニンの分泌をうながすためには、食事の改善が効果的です。バナナや大豆、乳製品、マグロやカツオといった魚などの食品をとりましょう。

寝室から眠れる環境を作る

心身のケアや生活習慣の見直しだけではなく、寝室環境の改善も、質のよい睡眠のためには重要です。

マットレスを見直す

「仰向けに寝たときに、立っているときと同じ背骨のラインになる硬さのもの」を選びましょう。硬め、やわらかめ、など個人の好みを重視することも大切ですが、仰向けに寝たときに、身体が最も自然に休まる姿勢になるようなものを使っているかチェックしてみてください。

枕を見直す

枕は「立っているときの頭と首の状態を保てるもの」を使いましょう。高さは6〜10cmぐらいのものがよいとされています。また、頭を乗せたときのフィット感や通気性も重要です。低反発枕は押すとよく沈み、頭をしっかり支えてくれますが、通気性が悪いので汗をかきやすい季節は使用を避けた方がよいでしょう。夏場はそばがらやビーズ枕にするなど、好みや季節に合わせて使い分けるとより快適に眠れます。

室温と湿度を調整する

快眠に適した室温は夏が26度、冬は18〜23度とされています。くわしくは下記の記事を参考にしてみてください。

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夏と冬で違う快眠ポイントとは?室温・湿度や睡眠環境の工夫

カーテンの選び方

色は、人の心身に多大な影響を与えます。そこで、寝室の中で目に入りやすいカーテンの色は、興奮を抑えて、気持ちを鎮める副交感神経に働きかける「緑色」がよいとされています。疲れすぎて頭が冴えてしまっているときや、血圧が高めのときにも効果があるといわれています。また、「黄色」は睡眠ホルモンの一種であるメラトニンの分泌をうながす効果があります。色のもたらす効果を知ったうえで、カーテンを選びましょう。
 
眠れない日が続くと、心も身体も少しずつ元気がなくなっていくもの。「最近、寝つきがよくない」「疲れているはずなのに眠れない」という人は、今回ご紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)
 
【参考書籍】
『脳も体もガラリと変わる睡眠力を上げる方法』白川修一郎(永岡書店)
『睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法』坪田聡(宝島社)
『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』坪田聡(三笠書房)
『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』 白濱龍太郎(アスコム)
『「いつも眠い〜」がなくなる快眠の3法則』菅原洋平(メディアファクトリー)

photo:Getty Images

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