2017/07/13 17:00

睡眠時間の最適化で肥満や体臭の予防にも効果

理想の睡眠時間は人によって違う、ということをご存じですか? 自分に合った睡眠時間を知ることは、睡眠の質を高めて日中のパフォーマンスを上げるだけではなく、体臭の改善や肥満予防にもつながります。今回は、自分に合った最適な睡眠時間を知る方法や、不足した睡眠時間を上手におぎなうコツなどをまとめました。

目次

  • 最適な睡眠時間とは
  • 最適な睡眠時間を知る方法
  • 睡眠時間別|眠りのタイプ
  • 睡眠時間が不足したときの対処法

最適な睡眠時間とは

最適な睡眠時間とは、朝の目覚めがスッキリとしていて、ぐっすり眠ったという満足感が得られる睡眠時間のことをいいます。最適な睡眠時間は、性別や年齢、基礎代謝量、精神的・身体的疲労度など複合的な要素で決まってくるため、個人差があります。そのうえで、自分に合ったベストな睡眠時間を確保することで、仕事や学習の作業能率がアップし、1日の充足感が高まります。

最適な睡眠時間をとるメリット

日中のパフォーマンスが向上します。身体と脳が両方休んでいる状態の「ノンレム睡眠」は、日中フル稼働していた脳をクールダウンさせて、疲労やストレスをリセットします。そのため、心身を回復するためには十分な睡眠が不可欠です。自分に合った睡眠時間を確保し、上質な睡眠がとれれば、集中力や思考力の向上が期待できます。

睡眠時間の過不足で起こるデメリット

睡眠時間を十分に確保できなかったり、過剰に睡眠時間をとってしまったりすると、心身の不調を引き起こしやすくなります。

日中の眠気

睡眠時間が不足すると、眠気をコントロールする「睡眠物質」が蓄積します。睡眠物質は、起きている時間と脳の活動量に比例して増え、睡眠によって分解されて減少する仕組みになっています。そのため、睡眠時間を十分に確保できないと、脳にたまった睡眠物質を減らすことができず、日中に眠気を感じやすくなります。

血圧や血糖値が上がる

睡眠時間が不足すると、活動時間が増えることで交感神経が優位になり、神経伝達物質の「ノルアドレナリン」が増えます。すると、心拍数や心臓の収縮力が増加するため血管が収縮し、血圧の上昇を招くことに。また、睡眠時間が不足し、ストレスを受ける時間が長くなると、ストレスホルモンの「コルチゾール」が分泌され、血糖値の上昇につながります。

肥満になりやすくなる

睡眠が不足して、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減り、食欲を刺激するホルモン「グレリン」の分泌がうながされます。睡眠不足の状態が続くほどグレリンの分泌が多くなるため、食欲が増えます。これにより食べ過ぎの傾向になり、肥満になるリスクが高まります。

体臭の悪化

睡眠時間が短くなる分、活動時間が増えることで、交感神経が優位になり、皮脂の分泌異常が起こります。また、肝臓や腎臓などの機能低下により、悪臭の原因となる「アンモニア」が分解されずに身体に残るため、分泌される汗に多く含まれて体臭悪化の原因になります。

体内時計が乱れる

過剰な睡眠は、人間の身体に備わっている「体内時計」を乱す原因になります。体内時計は「朝起きて、夜眠る」という1日のリズムを刻んでいますが、平日の睡眠不足を補おうと休日に多く睡眠をとると、睡眠リズムが崩れて、次の日以降、起きたい時刻に起きられなくなってしまいます。すると、睡眠リズムが徐々にずれていき、本来、眠れるはずの夜に寝付けなくなったり、日中に強い眠気におそわれてパフォーマンスが低下したりと、日常生活に支障をきたします。

睡眠時間が不足すると高まる病気のリスク

糖尿病

糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用が低下し、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなってしまう疾患です。ブドウ糖はご飯やパンなど、炭水化物が消化されることで生まれるため、食後は誰でも一時的に高血糖の状態になりますが、健康な人の場合は、インスリンがきちんと働いてブドウ糖の量を一定に保ち、高血糖の状態はスムーズに解消されます。睡眠不足によって、インスリンの分泌量や作用が低下し、ブドウ糖が細胞に取り込まれないまま血中に残るため、高血糖の状態が続き、糖尿病のリスクが高まります。

がん

がんの元となるがん細胞が進行するか否かは、免疫力に左右される部分があります。がん細胞は、健康な人でも毎日体内で生まれていますが、通常は生まれたそばから免疫機能によって破壊されるため、免疫機能が高い人はがんになりにくいといわれています。睡眠不足によって起きている時間が増えると、交感神経が働く時間が長くなり、細胞やDNAを傷つける活性酸素が増加。活性酸素が免疫機能を低下させるため、がんのリスクが高まるとされています。

うつ

国立精神・神経医療研究センターの発表によると、4時間半睡眠の日が5日間続くだけで、不安や混乱、抑うつ傾向が強まり、脳の機能がうつ病や統合失調症の患者に似た状態になるといわれています。睡眠中、脳は嫌な記憶を整理し、ストレスを軽減しています。そのため、睡眠が不足すると脳は十分に休むことができず、ストレスを解消できません。ストレスがたまることで、抑うつ症状などの精神疾患につながる可能性があります。

最適な睡眠時間を知る方法

では、自分にとって最適な睡眠時間を知るにはどういった方法があるのでしょうか? 日々の健康や病気のリスクを下げるために知っておきたい、自分に最適な睡眠時間を知る方法をご紹介します。

起床4時間後の眠気をチェック

自分の睡眠時間が十分なものかどうかを確認するために、「起床4時間後に眠気があるかどうか」をチェックしてみてください。眠気があるかどうかは、あくびや身体のだるさなどを指標にしましょう。本来、起床から4時間後は脳の活動が最も活発になる時間帯で、頭がさえている時間帯。なので、このタイミングで眠気を感じる場合は、睡眠時間が足りていない可能性が高いといえます。

自然に目が覚める時間を確認する

就寝時間を一定にして、目覚ましをかけず部屋のカーテンも閉めたままで、自然に目が覚める時間を計ってみましょう。仕事や学校のために朝早く起きる必要のない日が1週間ぐらい続く夏休みなどの長期休暇は、最適な睡眠時間を計るのにベストなタイミング。最初の1、2日は日ごろの睡眠不足を解消しようとして睡眠時間が長くなりやすい傾向がありますが、4、5日たつと自分にとって必要な睡眠時間に徐々に落ち着いていき、正確なリズムを判断しやすくなります。

睡眠ログをつける

ベストな睡眠時間を見つけるには、自分の睡眠傾向に気付くことが重要です。そこで、自分の睡眠状況を可視化するのに役立つのが「睡眠ログ(睡眠記録帳)」。睡眠ログは、「入眠時刻」と「起床時刻」、そこから導き出される「睡眠時間」、「目覚め感(目覚めた時のスッキリ感)」、その日の「日中のパフォーマンス」を記入するだけの簡単な方法です。目覚め感と日中のパフォーマンスは自分の主観で○×△をつけ、その横に仕事や体調に関するコメントをひと言そえると、どんなときがよく眠れたか判断しやすくなります。たった3日続けるだけでも「自分の睡眠課題」が見つかり、続けるほどデータが蓄積され、スッキリと目覚められる最適な睡眠時間を見つけやすくなります。

睡眠時間別|眠りのタイプ

人は睡眠時間の長さによって3つのタイプに分けられます。最適な睡眠時間を見つけたら、自分がどのタイプに当てはまるかチェックしてみましょう。

ロングスリーパー

普段の睡眠時間が10時間以上の人のこと。相対性理論を提唱したアインシュタインや日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士などもロングスリーパーといわれています。ロングスリーパーは睡眠時間を長く確保しないと体調を保てないため、睡眠時間を削って活動することが難しく、仕事や勉強、人付き合いなどに難しさを感じやすい傾向があります。

ショートスリーパー

睡眠時間が6時間未満でも、アクティブに活動できる人のことを指します。通常、睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠が交互におとずれますが、ショートスリーパーの睡眠には、深い眠りのノンレム睡眠が多くあらわれます。つまり、短時間で何度も深く眠れるので、少ない時間で効率のよい睡眠をとれているタイプです。

バリアブルスリーパー

ロングスリーパーとショートスリーパーの中間に位置し、睡眠時間が6〜10時間の人を指します。日本人全体の80〜90%が該当し、睡眠時間を削ったり伸ばしたりしやすいため、生活習慣の変化などによってロングスリーパーとショートスリーパーのどちらにもなりえるタイプです。

睡眠時間が不足したときの対処法

睡眠時間は毎日しっかり確保したいところですが、仕事が忙しい、趣味や勉強の時間をとりたい、などの理由で睡眠不足になってしまうこともあります。そんなときは、睡眠の質を高めて、睡眠不足をおぎないましょう。

睡眠の質を向上させる方法

睡眠の質を高めるためには、入眠前の時間をどう過ごすかが大切。眠る前の何気ない習慣から、睡眠の質を上げることができます。

髪をドライヤーで乾かす

髪がぬれたまま放っておくと身体が冷えて緊張し、寝つきを悪くする恐れがあります。特に首は身体と脳を結ぶ神経が通る部位のため、冷えると交感神経が刺激されて安眠のさまたげに。入浴後はしっかりとドライヤーで髪を乾かしてから寝るようにしましょう。

寝る前にコップ一杯の水を飲む

人には睡眠中に汗をかいて体温を下げることで、深い睡眠がとれるメカニズムが備わっています。睡眠中に十分な汗をかくためには、就寝前の水分補給がポイント。冷たい水は身体を緊張させて眠りを浅くしてしまう可能性があるので、常温か白湯がベターです。

悩み事はメモ書きでアウトプット

不安や悩み事が頭から離れずモヤモヤして眠れない夜は、ベッドに入る前にメモ帳に書き出してみましょう。それをするだけで、心につかえていたものがはっきりし、脳が整理されて不安や悩み事がやわらぎます。

不足した睡眠をおぎなう仮眠法

睡眠不足が蓄積した状態を「睡眠負債」といい、睡眠負債が増えるほど脳の活動は低下し、作業効率も悪くなります。仮眠によって、たまった「睡眠負債」を解消できます。平常時、体内時計は、就寝時刻からおよそ15時間後に眠気のピークがくるリズムになっているので、日中の14~16時に自然と眠くなります。このタイミングに15〜20分程度の適度な仮眠をとると、眠気や脳の疲れが解消されて、仕事や勉強のパフォーマンスの向上が期待できます。
 
会社や学校などで、いつでも気軽に取り入れられる仮眠の方法をご紹介します。

20分仮眠法

正午から15時までのあいだに15〜20分ほど仮眠をとりましょう。15時以降に仮眠をとると、体内時計のリズムが乱れ、夜の寝つきを悪くしてしまうので避けましょう。また、仮眠を長くとりすぎると「深い睡眠」に入ってしまい、仮眠からなかなか目覚められないほか、夜の睡眠に悪影響を与えてしまうので、30分以上は眠らないようにしましょう。

1分仮眠法

仮眠をとる時間もないほど忙しいときにもできるのが「1分仮眠法」です。方法は、椅子に深く腰掛け、1分間目を閉じるだけ。目を閉じることで脳に入ってくる情報を遮断できるため、脳が休まり、情報が整理されて集中力が高まります。

徹夜のときの仮眠法

徹夜で作業をしなければならないときは、午前4時台に仮眠をとりましょう。午前4時台は、体内時計にそなわっている「睡眠-覚醒リズム」のなかでも最も深い睡眠をとっている時間帯で、身体の内部の体温「深部体温」が低くなるタイミングでもあるため眠気が強くなります。そこで、この時間帯に作業をいったん止めて15分程度の仮眠をとると、脳が効率よく休息できて、翌日の疲労も軽減できます。
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)
 
<参照>
『ぐっすり眠れてすっきり起きる50のコツ』菅原洋平(宝島社)
『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』坪田聡(すばる舎)
『朝5時起きが習慣になる5時間快眠法』坪田聡著(ダイヤモンド社)
『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』白濱龍太郎(アスコム)
『スタンフォード式最高の睡眠』西野精治著(サンマーク出版)
『一流の睡眠 「MBA×コンサルタント」の維持が教える快眠戦略』裴英洙著(ダイヤモンド社)
 

photo:Getty Images

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