2017/07/31 17:00

妊活の基礎知識|妊活を無理なく続けるコツ【医師監修】

妊活とは、妊娠しやすい身体づくりをしたり、生活習慣を見直したりするなど、妊娠するための活動を指します。ここでは、妊活の基礎知識と無理なく続けるためのコツ、そして妊活と睡眠との関わりについて、婦人科専門医の松本裕子先生にお話を伺います。

目次

  • 妊活前に知りたい妊娠のメカニズム
  • 妊娠しない原因
  • 妊活の具体的な方法
  • 妊活を無理なく続ける方法

妊活前に知りたい妊娠のメカニズム

妊活前に知りたい妊娠のメカニズム

「妊活」を始める前に、まずは妊娠のメカニズムを知りましょう。

妊娠のメカニズム

妊娠が成立するまでの過程には、「排卵・受精・着床」の大きく3つのステップがあります。

(1)排卵

女性には、毎月、子宮の左右にある卵巣からひとつの卵子が、卵巣の外へ排出される生理現象があります。これを「排卵」と呼び、生理周期が28日の人の場合は、生理から約14日目に排卵が起こります。排卵された卵子の寿命は、約24時間です。排卵されたあと、卵子は子宮への通り道である「卵管」を通り、受精するのに適した「卵管膨大部」という卵管の一番広い場所で、精子と出合います。

(2)受精

排卵の時期に性交渉によって女性の膣内に精子が入ると、精子は子宮口を通って子宮の中に侵入し、卵管膨大部で卵子と融合すると受精卵になります。この過程を「受精」と呼び、受精した卵子を「受精卵」といいます。女性の身体の中で精子が生きられるのは72〜120時間。精子と卵子の寿命期間のうちに、2つが卵管膨大部で出合うことで、受精が成立します。

(3)着床

受精卵は細胞分裂をしながら、子宮へ向かって移動します。受精してから約5日で子宮に到達し、約7日で子宮内膜に根を張ります。この状態を「着床」といいます。「妊娠」とは、この着床が行われたことを指します。

妊娠しない原因

妊娠しない原因

妊活を始めるときや、妊活がうまくいかないときには、妊娠しない原因を知っておくことが大切です。下記の原因として考えられる項目に、当てはまるものがないかチェックしましょう。

排卵と受精のタイミングが合わない

避妊をせずに性交渉を続けても妊娠しない原因は、排卵のタイミングに性交渉を行っていない可能性があります。排卵日を知るために、基礎体温(朝起きてすぐの体温)を毎日記録しましょう。1カ月の中で、最も体温が下がるタイミングが排卵日の目安です。自分の身体が妊娠しやすい日を把握したうえで性交渉をすると、妊娠する確率が高まります。

疾患がある

なかなか妊娠できないときは、疾患がある可能性があります。女性の場合だと、子宮や卵巣のトラブルが疑われます。例えば、排卵障害によって排卵が起こっていなかったり、子宮頸管のポリープや外傷によって精子が通りにくい状態になっていたりすると、妊娠しにくくなります。
 
男性の場合は、精子の数が少ない、精子がまったくない、あるいは精子の運動性が悪いなど、精巣のトラブルが妊娠できない原因につながります。さらに、精子は熱や振動に敏感なため、長時間のサウナ入浴による男性器への熱刺激や、サイクリングの際の振動によって男性器に衝撃を受けることで質が劣化し、受精の妨げになることもあります。また、病気やストレスによる勃起障害や膣内射精障害によって、射精自体が困難になることもあります。

喫煙

喫煙は精子の遺伝子や染色体の異常を招くほか、女性の場合は卵子を老化させる恐れもあります。受動喫煙によって悪影響を受けることもあるので、妊活中は男女ともに禁煙を心がけてください。

加齢

女性の卵子は、母親の子宮にいるときに一生分つくられ、生まれた後に新たに増えることはありません。つまり、生まれたときから卵子の数には限りがあり、年を重ねるとともに卵子の数が減り、妊娠の可能性が低くなるのです。また、卵子の細胞は加齢とともに劣化していくため、遺伝子や染色体に異常が起こりやすくなるほか、妊娠しても流産を引き起こすリスクが高まります。女性の場合、心身ともに妊娠に適した時期は25〜35歳といわれ、35歳を超えると妊娠する力が徐々に衰え、40歳を過ぎると妊娠はかなり困難になるといわれています。
 
一方、男性は35歳ごろから徐々に精子の質が低下しますが、身体的には80歳ごろまで精子をつくることはできます。妊活するうえで、男性よりも女性の方が、加齢による影響を受けやすいといえるでしょう。

妊活の具体的な方法

妊活の具体的な方法

妊活は男女どちらかが一人で行ってもうまくいきません。妊娠するために、パートナーとともに心がけておきたいことについてまとめました。

男女共通で気をつけたいこと

良質な睡眠を取る

男女ともに、妊活をするうえで大切なのは、十分な睡眠時間をとること。夜更かしや不規則な生活を送っていると、自律神経の乱れによってホルモンバランスが崩れます。それによって、女性は排卵障害が起きたり、男性は精子の分泌量が減少したりするため不妊の原因になりえます。女性は規則的な排卵を保ち、男性は健全な精子をつくるためにも、十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるように意識しましょう。

ストレスをためない

妊活を始めてもなかなか妊娠できないと、さまざまな気持ちの変化を生じます。しかし、過度のストレスはホルモン分泌の働きを低下させ、卵子の減少・劣化速度を助長するといわれています。また、精子の成熟には80~90日程度かかりますが、男性の場合その間にストレスを受け続けていると、精子の質にも悪影響が及びます。妊活が思った通りに進まなくても、不安やストレスを抱え込まず、パートナーとお互いの意思を確認し合うなどして、相手を尊重する気持ちを持ちましょう。ストレス発散のために、趣味に打ち込むなどしてリフレッシュする時間を持ちましょう。

女性の場合

基礎体温をつけて、排卵期を把握する

妊娠しやすい時期を見極める最も簡単な方法が、基礎体温を測ること。ベッドの脇に体温計を常備するようにし、朝起きてすぐ安静な状態で、舌の下の体温を測るよう習慣づけましょう。低温期よりも0.3度以上高い日が11~16日続いていれば、排卵していると考えられます。低温期からこの高温期に移行する時期は排卵期に相当し、受精しやすいため、この時期を狙って性交渉を行うことで妊娠の確率を高めることができます。記録を続けることで、妊活をより計画的に進めることができます。

生理周期をチェックする

排卵日を知る方法として、基礎体温のほかに生理周期をチェックする方法も有効です。生理周期が28日の人の場合、生理の開始日から14日目前後が排卵日となります。基礎体温と合わせて市販の排卵チェッカーで確認すると、より正確な排卵日を知ることができるので、ぜひ実践してみてください。

過度なダイエットをしない

女性の場合、ダイエットが不妊の原因になる場合があります。標準体重の15%以上の体重減少は月経異常を引き起こし、30%以上の減少になると無月経につながる恐れも。妊活中はしっかりと食事をとり、標準体重をキープできるように心がけましょう。標準体重は下記を参考に計算してみてください。
 
<標準の計算方法>
22 × (身長(m))2
(例)160cmの場合、22 × (1.60)2=56.32

男性の場合

お酒を控える

過剰なアルコール摂取は男性ホルモンの働きを低下させ、精子の質を低下させるといわれています。男性はビールなら中ビンで1日3〜4本程度までにセーブし、飲みすぎないように気をつけましょう。

食生活を見直す

精子を作るために必要とされるビタミンD・ビタミンE・セレン・亜鉛をはじめとした栄養素を、バランス良く摂取するようを心がけましょう。

妊活を無理なく続ける方法

妊活を無理なく続ける方法

妊活を続けても、なかなか妊娠にたどり着かないとと焦りや不安が生じます。パートナーと協力しながら、妊活を無理せず続けるためのポイントをご紹介します。

しっかりとコミュニケーションをとる

妊活を続けられなくなってしまう理由に、パートナーとのコミュニケーション不足により、お互いの気持ちにギャップが生じてしまうことが挙げられます。一方が妊活に積極的でも、もう一方が取り残されてしまうような状況になると、2人の気持ちに溝が生じ、妊活にストレスを感じるようになります。また、女性は自分が妊娠しにくい体質であることで自信を失うなど、妊活の治療結果に精神状態が不安定になる傾向があります。妊活を進めるにあたっては、「自分達は子どもが欲しいのか」という妊活の出発点に立ち返り、パートナーとコミュニケーションを密にすることが大切です。

専門家に相談する

避妊をせずに性交渉を続けているのに妊娠できない状況が6ヵ月以上続く場合は、不妊治療を専門とする医療機関に相談することを検討してください。1年間妊活を続けても子どもができない場合は、医学的に「不妊症」と考えて検査・治療を始めても良いタイミングです。初めて診察を受けるときは、男女ともに検査が必要となる場合が多いためため、パートナーと一緒に通院するのが理想です。また、自治体によって妊活助成金や相談窓口などもあるので、一人で悩まずに、福祉や公的サービスを有効に活用しましょう。

妊活する期間を決める

加齢によって、女性は卵子の数が減少し、細胞の劣化が起こります。そのため、男女ともに妊娠しにくい身体になっていきます。特に女性は、高齢出産になると早産や流産の確率が高まるほか、卵子の老化によって染色体異常が発生する確率が上がります。妊活は治療などで、心身や経済的な負担になる場合もあり、妊娠後も出産・育児と続くので、何歳まで妊活を続けるかについてパートナーと話す機会を持ちましょう。
 
妊活を円滑に続けるためには、夫婦にとって何が希望で何が大切か常にコミュニケーションを取り合う事が大切です。普段以上にコミュニケーションを取り合うよう心がけましょう。また、妊娠を妨げる原因はさまざまなので、妊活がうまくいかない場合は、早めに婦人科の専門医に相談しましょう。
 
【参照元】
『HUMAN+男と女のディクショナリ−』(公益社団法人 日本産科婦人科学会)
不妊に悩む人必見|妊娠しやすい身体のつくりかた
国立社会保障・人口問題研究所

photo:Getty Images

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