2017/08/23 17:00

疲れやすい生活習慣5つと疲れに負けない身体を作るポイント

特に理由は思い当たらないのに、なんとなく身体がだるい、何もやる気がおきない……そんなことありませんか? 疲れやすい体質だからと、決めつけてしまうのはNGです。食事や運動、睡眠を見直して、疲れをためやすい生活習慣がないか、きちんとチェックしておきましょう。

疲れやすい生活習慣5選

休日はひたすら寝だめ

平日の睡眠不足を補うために、休日に長時間眠るのは良いことです。でも、眠り方には注意が必要。起きるのが昼過ぎなどというのは、もってのほかです。私たちの身体には「体内時計」があり、体内時計が作る生体リズムに従って生きています。ところが、体内時計の1日は24時間より少し長いため、毎朝起きたときに明るい光を見て体内時計をリセットしないと、生体リズムが遅れてしまいます。
 
休日の起床時刻が平日より2時間以上遅いと、体内時計がリセットされません。休日の間はそれでも良いかもしれません。しかし、体内時計が遅れたまま月曜日を迎えると、朝起きるのがつらくなります。ひどい時には気持ちが落ち込んでしまい、「ブルーマンデー」という状態になることもあります。そうなると、寝だめで疲れが取れるどころか、逆に疲れたまま新しい週が始まってしまいます。

朝食抜き

厚生労働省が発表した「平成27年 国民健康・栄養調査結果」によると、朝食をとらない成人の割合は、男性が14.3%、女性で10.1%でした。年代別にみると、男性は30歳代、 女性は20歳代で最も高く、それぞれ 25.6%、25.3%もいます。
 
「朝食を抜いても大丈夫」と思うかもしれません。しかし、朝食をとらないと、午前中の活動に使うためのエネルギーが不足してしまいます。エネルギーが十分にないと、筋肉をしっかり動かせなくなるので、早く疲れてしまいます。また、脳へのエネルギー供給がとどこおると、脳がうまく働かず疲れが強くなります。
 
さらに、朝食をとらないと、体内時計も目を覚ましません。体内時計を調整する最も強い要素は「光」ですが、2番目に大事なものは「食事」です。夜の長い絶食の後に朝食をとると、胃腸の体内時計「腹時計」が目覚めます。ところが、朝食を抜くと腹時計がなかなか目覚めてくれず、疲労感が長く続きます。

運動しない

平成9年に厚生労働省が行った「労働者健康状況調査」では、普段の仕事で「とても疲れる」と答えた労働者の割合は11.8%、「やや疲れる」は 60.2%で、合わせると72.0%でした。つまり、約4分の3の労働者が疲れを感じていることになります。これを前回の調査と比べると、「とても疲れる」と「やや疲れる」を合わせた割合が、64.6%から7.4 ポイントも上昇しています。
 
運動をしないと、身体の疲れがひどくなります。東京医科大学の研究では、運動習慣がない人はある人に比べて、活気や気力が劣り、身体の不調や疲労感が強いことがわかりました。特にストレスが強い状況では、活気がさらになくなってグッタリしてしまいます。
 
また、日中に十分な運動をしないと、脳に「睡眠物質」がたまりません。眠気は先に述べた体内時計と、睡眠物質によってコントロールされています。睡眠物質が少ないと深く眠れなくなるので、睡眠による疲労回復が不十分になります。

自律神経が乱れている

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。交感神経は、心と身体を活動的にするアクセルで、「昼の神経」ともいわれます。副交感神経には心身を鎮めるブレーキの働きがあり、「夜の神経」とも呼ばれます。自律神経がバランスよく働いていると、日中は交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になり、覚醒と睡眠のメリハリが効いた1日を過ごせます。
 
ところが、強いストレスがかかると、自律神経のバランスが乱れます。多くの場合、交感神経が活発になり過ぎて、夜に眠れなくなります。睡眠不足が積み重なると、日中のパフォーマンスが落ちて、そのこと自体がストレスを増やしてしまいます。ストレスと睡眠不足の悪循環がどんどん進むと、疲れが取れないどころか、ますます疲れが増えていくことになります。

糖質の過剰摂取

「疲れたときには甘いものを食べるとい良い」と言いますが、半分は正しく、半分は間違っています。疲れの原因が低血糖なら、甘いものを食べて血糖値を上げると疲れが取れます。一方、甘いものをとって急激に血糖値が上がると、血糖値を下げるために膵臓(すいぞう)からインシュリンが分泌されます。その結果、食べる前よりも血糖値が下がることがあり、そうなると疲れがさらにひどくなります。
 
血糖値の上昇の度合いを表す単位に、「グリセミック指数(GI指数)」があります。ブドウ糖のグリセミック指数を100として、いろいろな食品が高・中・低のグリセミック指数食品に分類されています。
 
たとえば、高グリセミック指数食品には、白米やパン、イモ、スイカ、チョコレートなどがあります。低グリセミック指数食品には、玄米をはじめとした穀物類や牛乳、豆類、野菜、果物などがあります。

疲れやすい身体の改善に試してほしいこと3つ

何も対策をとらないと、いつまでも疲れてだるいままです。疲れやすい原因を踏まえて、疲れに負けない身体を作りましょう。疲れ対策のポイントは、しっかり食べて適度に運動し、ぐっすり眠ることです。

食事

食生活の基本は、朝昼夕の3食を規則正しく食べることです。カロリーの配分も、3食ほぼ均等にすると良いでしょう。夕食に取ったエネルギーは脂肪細胞にため込まれやすいので、夕食を食べ過ぎると太りやすくなります。
 
朝食は必ず食べましょう。先にも書きましたが、朝食をとると腹時計が動き出して、全身の体内時計がスムーズに動き始め、目もしっかり覚めてきます。また、午前中の活動エネルギーが十分に補給されると、心身ともに活発に動けて疲れにくくなります。
 
朝食の食材としては、必須アミノ酸の「トリプトファン」がお勧めです。トリプトファンは覚醒神経系の伝達物質「セロトニン」や、睡眠ホルモン「メラトニン」の原料になります。トリプトファンは牛乳や乳製品、豆類・豆製品、肉類、バナナ、アボカドなどに多く含まれています。これまで朝食を抜いてきた人は、バナナと牛乳から始めてはいかがですか。
 
夕食は眠る3時間前には終わっておきましょう。お腹がふくれて消化が盛んな時間帯は、睡眠が深くならず疲れが取れません。どうしても遅い時間にしか食べられない人は、「分食」を試してください。夕方におにぎりやパンなどの軽食をとり、遅い時間には夕方にとったカロリーを引いて軽めの食事をとります。お腹への負担が減って睡眠の質が良くなり、朝はお腹が減って朝食をとりやすくなります。

軽い運動で新陳代謝を高める

疲れてだるい時こそ、少し頑張ってできる範囲で身体を動かしましょう。最近のスポーツの現場では、疲労回復のために「積極的休養(アクティブレスト)」が取り入れられています。家でのゴロ寝など安静にして動かない「消極的休養」に対して、「積極的休養(アクティブレスト)」は軽く運動をすることで全身の血流を良くして、早く疲労を取り除こうというものです。
 
血流が良くなると、筋肉にたまった疲労物質が早く洗い流されます。また、血流によって酸素やたんぱく質などがたくさん運ばれるので、新陳代謝が促されます。さらに脳の活動も高まり、疲れが早くなくなります。
 
疲れにくい身体にするための運動は、軽いものでもかまいません。まずは、ウォーキングから始めましょう。厚生労働省が提唱する「健康日本21」では、1日1万歩歩くことが勧められています。実際に歩いている歩数は、男性で1日約7,000歩、女性で6,000歩ですから、あと3,000歩は歩きましょう。3,000歩は時間すると30分ほどです。まとめて歩けなければ、10分×3回など分割してもかまいません。
 
ウォーキングなどのリズムがある運動をすると、脳の中でセロトニンが増えます。セロトニンが増えると覚醒度が上がり、気持ちが安定します。夜になるとセロトニンは、睡眠ホルモン・メラトニンに変わります。メラトニンが多いほどよく眠れて、疲れが早く回復します。

ぐっすり眠って成長ホルモンを出す

「成長ホルモン」は、子どもにとってだけ大切なのではありません。大人にとっても、傷ついた細胞を修復してくれる重要なホルモンです。成長ホルモンは睡眠中、特に深いノンレム睡眠(脳の眠り)のときにたくさん出ます。
 
成長ホルモンが盛んに分泌される深いノンレム睡眠は、「寝ついてからの約3時間」に多くあらわれます。ですから、寝ついてからの3時間に熟睡するために、寝室の室温に気をつけましょう。夏はエアコンなどを使って26度以下に、冬は暖房器具などを使って16度以上に保ちます。
 
また、眠る前に明るい光を見ると、メラトニンが減って睡眠の質が悪くなります。寝床に入る前の1時間は、やや暗めの暖色系の照明のもとで過ごし、テレビやパソコン、タブレット端末、ゲーム機、スマートフォンなどの電子メディアの画面は見ないでおきましょう。

まとめ

食事や運動、睡眠に関して自分でできる対策を試してみても疲れが改善しないときには、ガンなどの病気が潜んでいる可能性もあります。疲れがひどくて日常生活に支障を感じる場合は、早めに医療機関を受診して、治すべき病気がないかチェックしてもらいましょう。

photo:Getty Images

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