2019/02/07 20:30

「寂しい」の言葉で彼の気持ちを推し量った19の夜 #終電と私

とてもやさしい人で、私はそれに甘えて満足していた。

バイクに乗せてもらったり、買い物に行ったりして、最後は必ず一緒に彼の部屋に帰る。

映画を観たり、音楽を聞いて過ごしたあと「もうそろそろ終電だよ」と教えてくれ、冬の澄み切った夜空を見ながら駅まで送ってもらった。

私たちは1日中話していたのに、まだ話すことがたくさんあった。

駅に着いて「じゃあ、またね」と挨拶を交わし、改札を通り、少し歩いて振り向くと、彼は必ず私をニコニコと見つめながら手を振ってくれた。私も笑って手を振り返した。

いつもそうだった。

image1撮影/mao nakazawa

私たちは健全な関係で、男女の一線を超えなかった。

駅に向かいながら、「『今日は泊まりなよ』と言うかしら?」とモヤモヤと期待する日もあった。

でもいつも、そんな話はせずに、東京の空もきれいだという話や、今度はあそこに行ってみようなど、そういう話だけで終わっていた。

けれど終電間際、改札前での「じゃあ、またね」の挨拶の時間は次第に長くなり、振り返って目を合わせると、離れがたく恋しく思うようになっていた。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

目の前のことをコツコツと進めること。今日は手を広げるより、...もっと見る >