2018/12/26 12:00

妊娠中の倦怠感や眠気の原因は?疲労やむくみをとるための対策方法

倦怠感や眠気などに悩まされる妊婦さんは多くいます。妊娠中だから仕方ないと分かっていても、少しでも負担を軽減する方法を知りたいことでしょう。妊娠中はお腹の赤ちゃんの成長や出産を楽しみに妊娠生活を送る一方で、さまざまな体調の変化と付き合うことになります。よく知られているのがつわりですが、安定期に入ったからといって悩みがまったくなくなるわけではありません。ここでは、妊娠中に倦怠感や眠気が現れる理由や対処法について紹介します。

ホルモンバランスの変化と体力消耗が原因

妊娠期間中の倦怠感や眠気には、妊娠によるホルモンバランスの変化が大きく関係しています。妊娠するとさまざまなホルモンが分泌されますが、中でも倦怠感や眠気に関係しているのが、女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
プロゲステロンは妊娠していないときも分泌されていますが、妊娠すると分泌量がどんどん増えていきます。妊娠初期は卵巣から、そのあと妊娠12週~15週頃からは胎盤から分泌され、妊娠が継続できるように子宮を整えます。また、乳房や骨盤へ送られる血液の量も増やします。しかし、プロゲステロンにはそれとともに倦怠感や眠気などをもたらす作用があるため、妊娠中はこうした症状に悩まされる方が多くいるのです。
また、妊娠中は睡眠の質が低下します。妊娠初期は黄体ホルモンの影響で眠気が増しますが、だんだんお腹が大きくなると寝返りなどが打ちづらくなったり、胎動が強くなって夜中に目が覚めてしまったりすることが増え、眠りの質が悪くなります。妊娠中は睡眠不足に陥りやすい要因がたくさんあるのです。
このように、妊娠中の倦怠感や眠気は妊娠に伴って起こる生理的なものですが、不快な症状が強く、生活に支障を来すような場合には医師にそのことを伝えてください。妊娠前に病気をしていない人でもかかる妊娠特有の病気があり、それが影響している可能性もあるからです。たとえば、次のような病気です。


〇周産期心筋症
それまで心臓病などがなかったにもかかわらず、妊娠によって心臓のポンプ機能が低下することで起こります。血液が全身に送られずに息切れやむくみ、倦怠感などの症状が現れることがあります。

〇妊娠糖尿病
妊娠前に糖尿病と診断されていない人が、妊娠することで血糖をコントロールする機能が低下し、高血糖になる病気です。妊娠糖尿病を放っておくと、帝王切開や早産、流産、死産などのリスクが高まったり、新生児低血糖など生まれてくる子どもにも影響を与えたりする可能性が高くなります。妊娠糖尿病になると、喉が渇く、尿が増える、疲れやすいなどの症状が現れます。

〇貧血
妊娠中は血液の量が増加します。ただし、血液の成分である赤血球以上に血液中の水分量が増えるため、血液の量が増加しても貧血になりやすくなります。また、増えた血液も胎児にどんどん供給されるため、妊婦は貧血になりやすく、疲労感や息切れなどの症状が出ることがあります。』

このように、妊娠中の疲労感や眠気には治療が必要なものもあります。「妊娠中だから仕方がない」「まだ大丈夫」とつい我慢してしまいがちですが、まずは妊婦健診などで先生に伝えるようにしましょう。

倦怠感以外でよくある症状

妊娠することによってホルモンバランスが変化したり、子宮が大きくなってきたりすると、身体にはさまざまな不快症状が現れます。これをマイナートラブルといい、妊娠中の倦怠感もその一つです。妊娠中のマイナートラブルには、他にも次のようなものがあります。


・吐き気
・胃の圧迫感
・便秘
・頻尿、尿失禁
・おりものの増加
・性欲の減退
・肩こり
・骨盤周りの痛み
・背中や腰の痛み
・疲労感、眠気
・情緒不安定(イライラ、不安、抑うつなど)
・動悸、息切れ
・めまいや立ちくらみ
・足のむくみ
・皮膚の乾燥
・食べ物の好みや味覚の変化
・においに敏感になる


上記はあくまでも一例であり、現れる症状やその強さには個人差があります。分娩や出産後の身体に影響が及ぶこともありますので、気になる症状があるときは医師に相談してみましょう。

倦怠感などの症状はいつからいつまで続く?

妊娠中のマイナートラブルが現れる時期は人によっても異なります。ただ、一般的に症状によって現れやすい時期は異なるようです。例えば、倦怠感や眠気、疲労感などは妊娠全期間でよくみられる症状です。一方で、骨盤周りや背中、腰の痛みなどは、ホルモンの変化だけでなくお腹が大きくなることも原因の一つであるため、妊娠後期になるほど現れる可能性が高くなります。また、頻尿や尿失禁は妊娠中のどの時期でも訴える人がいますが、だんだん子宮が大きくなって膀胱が圧迫されると症状を訴える人も増えることがわかっています。

風邪で感じる倦怠感と見分ける方法

妊娠中の倦怠感と風邪の倦怠感を見分けるには、倦怠感以外にどのような症状が出ているかをみてみましょう。発熱やのどの痛み、咳などがあれば風邪の可能性が高いですが、風邪を疑われる症状がなく、眠気や疲れやすさがある場合は妊娠によるものかもしれません。たとえ風邪であったとしても、妊娠中は処方できる薬も限られていますから、判断に迷ったときはまずはかかりつけの産婦人科を受診しましょう。くれぐれも自己判断で市販の風邪薬などを服用しないようにしてください。

気にせずとにかく休息をとることが大切

疲労感や眠気があるときは、まずは休息や睡眠をとるのが一番です。仕事をしているとなかなか難しいと思うかもしれません。でも、たとえばお昼休憩の間だけでも会社の医務室で横になるだけで、心身ともに楽になることがあります。ぜひ職場の上司に相談してみてください。
また、家事も割り切って手を抜きましょう。二人目を妊娠中の人は、上の子の育児もあって大変かもしれません。そんな時はファミリサポートなどさまざまなサービスを利用するのも一つの方法です。一人で抱え込まず、さまざまな選択肢を用意しておくとよいですね。
毎日バランスのよい食事で栄養補給をすることも大事なことです。栄養バランスのとれた食事を摂った上で、葉酸や鉄分、カルシウムなど妊娠中に不足しやすい栄養素はサプリで補うことも可能です。ただし、妊娠中に飲んでよいものかどうかを、購入前に注意書きをチェックしたり薬剤師に確認したりするようにしましょう。
また、静かな音楽を聴いて自律神経のバランスを整えたり、好きなことをして気分転換したりするのもよいでしょう。

おすすめの運動方法
気分転換の方法の一つに運動があります。ウォーキングや水泳、マタニティヨガなど全身を使う有酸素運動を適度に行うことは、妊娠中の健康維持に役立つといわれています。身体を動かすことで、むくみをとる効果も期待できます。運動が苦手という人は、元気なときに外を散歩するだけでもよいでしょう。
ただし、一見問題がないように見えても、母子の状態によって運動ができない場合もあります。ですから、運動を取り入れる際は必ず医師に確認してください。また、運動が許可された人でも、倦怠感や疲労感が強いときはまずは休息を優先しましょう。

朝から倦怠感を感じる…気分をリフレッシュするための方法

先にも述べたように、妊娠中はホルモンやお腹が大きくなる影響で、眠りの質が低下して朝から倦怠感を感じることもあります。そんなときは、布団の中で伸びをしたり、足首を動かしたりして徐々に身体を目覚めさせましょう。夜はその日のうちに寝て、生活リズムをできるだけ整えることも大事です。
また、朝ご飯を摂って体内時計をリセットしましょう。食事を摂ることは身体を目覚めさせることにつながります。もちろん、つわりがひどくて食欲がなかったり、吐いてしまったりする時期は無理をしなくても大丈夫です。梅干しなど酸味のあるものを口にすると、気持ちもシャッキリとします。

妊娠中は、それまでと同じようには身体を動かすことができません。お腹の赤ちゃんに栄養を送るために、それだけエネルギーもたくさん使うのです。倦怠感や眠気があるということは、身体が休めと言っているということです。身体の変化を受け入れて、お産に向けたマタニティライフをゆったりとした気持ちで過ごしましょう。

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

参考文献
国立循環器病研究センター病院 周産期心筋
国立成育医療研究センター妊娠と妊娠糖尿病 Part2
洛和会音羽病院 産婦人科マタニティー 妊娠中に気をつけること
日本助産学会誌 現代の妊婦のマイナートラブルの種類発症率及び発症頻度に関する実態調査

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