2019/02/08 12:00

妊娠中にアレルギー薬は飲んでも平気?花粉症や鼻炎などの薬は?

花粉症や鼻炎などのアレルギーと付き合うのはつらいものです。でも赤ちゃんへの影響が気になって、妊娠中に薬を飲むことには抵抗があるという方もいらっしゃるでしょう。妊娠中にアレルギー薬を飲んでも大丈夫なのか、どのような対策をとればよいのかをお伝えします。

アレルギー薬による胎児への影響

胎児への影響
アレルギーの薬に限らず、薬を飲むことに不安を覚える妊娠中の女性は多いでしょう。
服薬による胎児への影響は、薬の種類や妊娠週数によって大きく異なります。同じ薬であっても、妊娠しているママやお腹にいる赤ちゃんの状態によって影響の出方も変わってきます。また、ママと赤ちゃんをつなぐ胎盤をどれだけ薬の成分が通過するかなどによって、危険度も変わってきます。そのため一括りでお伝えすることはできませんが、影響が出やすい時期や、明らかな危険性が報告されていて禁忌となっている薬もあります。妊娠がわかっている場合は、いずれにしても医師に相談してから内服する必要があります。
とはいえ、最初は月経が遅れることなどで「もしかして妊娠したのかな?」と気づくものです。妊娠初期の4〜7週頃には、中枢神経や心臓を始めとする大切な器官がすでに作られ始めています。妊娠14週未満の時期は、影響が出る薬を内服してしまうと奇形が起こる最も危険な時期、と考えられています。そのため、妊娠する可能性がある女性は、毎年飲んでいる花粉症やアレルギー性鼻炎の薬を処方してもらう場合でも、かかりつけの医師にその旨を伝え、心配な点を確認しておくと安心です。

副作用の例
妊娠中に薬を飲むことで起こり得る副作用としては、次のようなものがあります。
初期の場合は、一般的に「先天異常」と呼ばれる、臓器や手足の形の異常が起こる可能性があります。
妊娠中期〜出産までのあいだは、赤ちゃんの身体の基本は作られているため、先天的な異常のきっかけとはなりません。ただし、発育に問題が起こったり、臓器に障害が出たり、羊水が減って赤ちゃんの育つ環境が悪化してしまったりするなど、さまざまなリスクはあります。いずれにしても、妊娠期間すべてを通して、薬の服用には慎重になる必要があります。

アレルギー薬全般を飲んでも問題ない妊娠週数は?

このように薬の影響は妊娠期間すべてにおいて起こり得るため、アレルギー薬全般を飲んでも問題ないといえる妊娠週数はありません。とくに薬局などで手軽に購入できる市販の薬であっても、油断は禁物です。風邪薬などの市販薬は、病院で処方される薬よりも効果が弱いイメージがあるかもしれません。でも、お腹の赤ちゃんへの影響は必ずしも病院の薬より弱いとはいえません。アレルギー症状がつらいからといって、自己判断で薬を飲むことは控えましょう。

妊娠中に服用を控えたほうがいい薬の種類

妊娠中の女性や妊娠する可能性のある人が花粉症や鼻炎に悩まされている場合、薬による治療としてまず選択されるのは、点鼻薬や点眼薬など局所的に作用するものです。目のかゆみや鼻水、くしゃみといったアレルギー症状は、症状があるところに使用する薬だけでも効果が期待できます。薬剤が粘膜から血流へ移行する量が少ないといった、安全性が確立されている種類も多くあります。
薬によってはだるさや眠気といった副作用が出るタイプもあり、自分に合うかどうかは主治医と相談する必要がありますが、点鼻や点眼の薬は妊娠中でも使いやすいものです。また内服薬であっても、妊娠中の使用が可能なものもあります。アレルギー症状が強くて日常生活に支障を来すような場合は、先生に処方を検討してもらいましょう。
アレルギーの治療法として、近年では免疫療法も注目されています。しかし、これは年単位で長期的に薬を服用して症状の緩和を目指すものであるため、妊娠中に治療を開始することはおすすめできません。また、重症の場合には外科的な治療法が選択されることもありますが、妊娠中は感染や出血のリスクがより高くなるため、こうした方法も推奨されません。

花粉症やアレルギー性鼻炎の場合はどうしたらいい?

妊娠の有無に関わらず、予防の基本はアレルギー物質を避けるセルフケアです。
たとえば花粉症対策であれば、外出するときにはマスクやメガネを着用し、家に帰ったら衣類や髪を払って、手洗い・うがいを徹底します。部屋の換気は必要最小限にし、洗濯物は部屋干しにするなど、とにかくアレルゲンである花粉を避けることで症状が軽減されます。
ハウスダストによって鼻炎の症状が出る場合は、こまめな掃除や環境整備が重要です。抵抗力を落とさないようにバランスの良い食事や運動をし、睡眠時間を確保するなど、日頃から健康管理にも気を配りましょう。鼻づまりの症状に対しては、蒸しタオルや入浴、温かい蒸留水を鼻から吸入する「温熱療法」なども効果が期待できます。
まずはセルフケアを徹底した上で、症状に応じて安全性が確立されている点眼薬や点鼻薬を使用しましょう。治療上どうしても必要な場合は、赤ちゃんへの影響が低いとされる内服薬の使用を相談しましょう。

内服薬でおすすめのアレルギーの治療法

内服薬の選択で難しいところは、妊娠期間すべてにおいて赤ちゃんへの影響を否定しきれない一方で、絶対に内服してはいけないと明言されている薬は少ない、という点です。添付文書と呼ばれる薬の説明書にも「治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与する」という言葉が添えられることが多くなっています。
薬がお腹の赤ちゃんに与える影響を公表しているデータとしては「FDA分類」「オーストラリア分類」「虎の門評価」といったものがあります。このような分類で妊娠中に禁忌とされていない薬は、副作用のリスクは低いと考えられます。
とはいえ、こうしたデータは専門的で、調べるのはなかなか難しいものです。妊娠中や授乳中で内服薬によるアレルギー治療を希望する場合は、妊婦や赤ちゃんへの薬の影響に詳しい産婦人科や婦人科で相談するか、妊婦の診療経験が豊富な耳鼻科を探すと安心でしょう。

妊娠中はアレルギー症状が悪化するケースも多くみられます。基本的なセルフケアを徹底した上で、信頼できる主治医に症状のコントロールについて相談し、少しでも快適に乗り切りましょう。

参考URL
・NHK健康Ch 「妊娠中に気をつけたい薬」
・川辺良一 「妊婦への投薬」

参考書籍
酒見智子 刈込博 『基礎からわかる妊婦・授乳婦のくすりと服薬指導』株式会社ナツメ社, 2016

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

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