2019/02/06 12:00

妊娠中の体重オーバー…出産まで太らない方法はない?

ひと昔前まで「妊婦は2人分食べなさい」と言われていましたが、現在では考え方が変わっています。適切な体重増加量を超えてしまいそうなときには、対策が必要です。体重増加の目安と肥満のリスクや対処法を知り、健康なマタニティライフを過ごしましょう。

妊娠週ごとの適切な体重

まずは、全妊娠期間中での推奨される体重増加量を知りましょう。厚生労働省が出している「健やか親子21」では、胎児の発達に必要な体重増加量の目安が示されています。
妊娠前の体格【BMI=妊娠前の体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)】によって、体重増加量の目安は変わります。


・BMIが18.5未満(やせ)は、9~12kg
・BMIが18.5~25未満(ふつう)は、7~12kg
・BMIが25以上(過体重)は、個別に相談』

これはあくまでも目安です。持病や妊娠経過に異常があり、治療と並行して体重管理が必要な場合もあります。

それでは、週数ごとの体重増加量の目安はどうでしょうか。BMIが標準だった場合の体重増加量の目安は、単純に40週で割ると1週間に200~300gです。
でも、妊娠初期ではつわりで気持ち悪くなり、食事量が減って体重が減る人もいれば、食べづわりで体重が増える人もいます。胎児の成長も一定ではないため、一概に目安をいうことはできません。
ただし、一気に体重が増えるのは好ましくありません。とくに妊娠中期は安定期に入り、体重が増えやすくなります。妊娠後期には胎児の成長が著しく、体重も増えやすくなるため、一般的には一週間に500g以上増えないようにといわれます。もし増えてしまった場合には、翌週には意識的に生活を見直すようにしましょう。

妊婦の身体はもともと太りやすくなっている? 妊婦と肥満の関係

妊娠中の体重増加は必ずしも「肥満」ではありません。妊娠中に増える重さは、母体の血液量、胎盤、羊水、乳房、赤ちゃんなどによるものです。
それに加えて、出産のために非妊娠時以上に脂肪が必要なため、脂肪を溜め込みやすくなっています。この脂肪量が多くなりすぎると「肥満」と言えるのです。
体重の変化は妊娠経過で起こっているさまざまなことを教えてくれるサインで、健康状態を確認することができます。たとえば羊水が異常に増えてしまったり、過度なむくみがあったりすると、急激に体重が増えることがあります。体重が増え過ぎていると自分で判断して、自己流のダイエットをするのはおすすめできません。健診では、体重だけではなく、赤ちゃんの成長や胎盤、羊水など母体の変化も見ています。ダイエットが必要な体重増加なのかどうか、産婦人科や産院の先生や助産師と相談しながら、適切な範囲を確認していくと安心です。

体重が増えすぎないための生活とは?

必要以上に脂肪がついてしまう人は、生活習慣に原因があることが多いものです。赤ちゃんや母体に必要な栄養を摂りながらも適度に身体を動かせていると、適切な体重増加の経過を辿ることができます。反対にカロリーの摂りすぎや栄養バランスの乱れ、運動不足があると、余計な脂肪がついてしまいます。適切な食生活や運動についてみていきましょう。

食生活
かつては「2人分食べなさい」と言われたこともありましたが、それは食べすぎです。とはいえ妊娠中は、非妊娠時に比べると必要な栄養素が増えます。主食(ご飯、パン、麺類)と主菜(肉、魚、卵、大豆製品)と副菜(野菜、海藻、きのこ)をそろえてバランスを整え、主食は茶碗に軽く1杯分、主菜は手のひら1枚分、副菜は両手に1杯分ほどにしましょう。これを朝食・昼食・夕食の3回食べ、それに加えて乳製品や果物などの間食を200Kcalほど摂ると適量です。ただし、脂質の多い食事は量が多くなくても高カロリーになるため、和食中心にするとよいでしょう。味が濃いと塩分の摂りすぎで高血圧の原因にもなるため、減塩・薄味を心がけましょう。

運動
適切な体重管理のためには、食事制限だけでなく運動をすることも大切です。ウォーキング程度の運動がおすすめです。朝の散歩をしたり、仕事をしている人は通勤で歩いたりするなど、日常生活の中で一日30分~1時間を目安に行いましょう。息を止めて力を入れる筋力トレーニングや、長時間の運動はおすすめできません。体調が優れないときや、お腹が大きくなってきたら、天候の悪い日などは無理せずやめましょう。
妊娠前にダイエット目的での運動が続かなかったという人は「出産時の体力づくりやストレス解消のため」という気持ちで身体を動かしてみてはいかがでしょうか。

妊娠中の肥満のリスク

健診では毎回体重を量り、母子健康手帳に記録します。経過によっては、安産のために厳しく体重管理に努めるようアドバイスされることもあります。肥満は次のようなリスクを伴うからです。


妊娠中の病気
肥満は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症しやすくなることがわかっています。妊娠高血圧症候群はかつて「妊娠中毒症」とも呼ばれ、妊娠中に発症してお産のリスクを高める病気です。

お腹の中の赤ちゃんの体重増加
妊娠中に体重が大きく増えるほど、お腹の赤ちゃんの体重も大きくなることがわかっています。

お産のリスクを高める
産道に脂肪がついたり、赤ちゃんが大きくなりすぎたりすることで難産になることがあります。また、筋力が落ちて切迫早産のリスクを高めたり、肥満や妊娠高血圧症候群になると大量出血を起こしやすくなったりするなど、お産のリスクを高めることにつながります。』

妊娠中でもできるおすすめのストレッチの方法

室内での運動や運動前の準備体操、気分転換としても「ストレッチ」はおすすめです。また、妊娠中のマイナートラブルとして起こり得る肩こりや腰痛、むくみ、足のつり、冷えなどにも効果的です。


・首や肩を回す
・あぐらをかき、膝を下におろす
・四つん這いになりお腹を見るように背中を伸ばす
・仰向けで足を曲げ左右に倒し腰やお尻を伸ばす
・足を伸ばして座り、足の裏にタオルをかけてゆっくり引く』

お腹に無理のない姿勢で、呼吸は止めずにリラックスしながら行ってみてください。

おやつや間食の頻度

妊娠中は赤ちゃんの発育に糖分をたくさん消費しますし、ホルモンも変化するので、甘い物を欲するようになります。また胃腸の働きが鈍くなり、妊娠後期には胃が圧迫されて、一度に食べられる食事量が限られてきます。ですから、無理に我慢してストレスを溜めないためにも、栄養をしっかり摂るためにも、間食をすることは大切なのです。だからといって一日の摂取カロリーが多くなったり、お菓子ばかり食べてしまったりすると、太りすぎや栄養バランスの乱れにつながります。妊娠中の間食のポイントを紹介します。

頻度
10時や15時など、食事と食事のあいだに間食を摂りましょう。

内容
脂肪に変わりやすい糖質や脂質がメインのお菓子類ではなく、栄養補給になる食品を取り入れましょう。おすすめの食材は、果物やヨーグルト、焼き芋、アーモンドなど。ケーキやどら焼きなどに比べて低カロリーで、妊娠中にとくに必要とされるたんぱく質や鉄分、食物繊維、葉酸などを摂取することができます。妊娠中は便秘になりやすいので、便秘解消のためにも水分を一緒に摂るようにしましょう。

どうしても食欲を抑えられないときの対処法

何となく口さみしいというときには、ちょっとした工夫をしてみましょう。5分待って別のことで気を紛らわしたり、歯を磨いてしまったりすると食欲が治まるかもしれません。それでも抑えられないときは、無理せず食べるという選択も。普段食べすぎないように意識していれば、一度食べすぎるくらいなら大丈夫です。ただし、以下のことを押さえるのが対処のコツです。

内容を考える
低カロリーで栄養価の高いもの、少量でも満足感が得られる噛みごたえのあるもの、水分の多いものを選びましょう。果物やヨーグルト、ナッツ類、小魚、炭酸水、温かい飲み物やスープなどがおすすめ。ただしいずれも一日のトータルで200Kcal以内に抑えるようにしましょう。どうしても甘いスイーツが食べたいときには、手作りするのもよいですね。甘みを抑えたレシピはたくさんあります。

時間を考える
遅い時間の間食は脂肪になりやすいだけでなく、睡眠の質を悪くする原因にも。夕飯後はできるだけ我慢して「明日の朝食べたいものを食べよう!」とするとよいでしょう。

あまり慎重になりすぎて不安を感じる必要はありません。元気な赤ちゃんを無事に産むための大切な記録、というプラスの方向に考え、できるだけ毎日体重計に乗りましょう。妊娠中の食生活は、出産後の体型にも影響してきます。日々の身体の変化を確認し、生活を見直しながら体重コントロールをしていきましょう。

執筆者:山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・母子栄養指導士・サプリメントアドバイザー。株式会社 とらうべ 社員。妊婦や子育て世代へ向けた食の講習や、働く人への食生活指導を行う。一児の母。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

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