2018/06/17 11:00

玄(くろ)の島|川奈まり子の奇譚蒐集・連載【九】

 当初から泊りがけで遊び倒すつもりで行ったのだが、貧しい家の子ばかりで、観光客が利用する正規のキャンプ場に払う料金の持ち合わせがない。そこで、人目につかない海辺の岩場を選んで、持参したテントを張った。
 海水浴場や海の家から離れていて、シャワーやトイレが使えないのが難と言えば難だが、「海でやりゃいいちゃ!」てなもんである。

 ラジカセを鳴らして、親からくすねてきたアルコール類を呑み、スナック菓子やファストフードの類を食べて、汗をかけば海で泳ぎ、夜遅くまで遊んだ。
 数人が集まると、たいがい特に仲がいい者同士の2人組がいくつか出来るものだ。武夫さんの仲良しはヨシキという同級生で、2人とも同じ臼杵市内のレストランでアルバイトしていた。あわよくば女の子と......という下心はどちらも抱いていたが、残念なことに、夜が更けるうちに2人ともあぶれてしまったことが明らかとなった。

「つまらんなぁ。俺は小便に行くけんど、おまえは?」
 そうヨシキに誘われて、武夫さんは彼とつるんでテントから離れた岩の後ろに行き、並んで一物を取り出した。
 さて......と小便をしようとしたそのとき、ヨシキのあちら側の隣の空間に、怪しい光の玉が浮かんでいることに気がついた。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

集中力を発揮すると、思わぬ成果を上げられそう。何か一つ目標...もっと見る >