2019/01/22 17:00

幽霊画の祟り(前編) 「某オークションで手に入れた謎の贋作」|川奈まり子の奇譚蒐集二〇

円山応挙: 日本絵画の破壊と創造 (別冊太陽 日本のこころ)より


 円山応挙は1733年に生まれ、少年の頃に京都の高級玩具商に弟子入りし、当時人気があった覗きからくりに用いる眼鏡絵の制作に従事する中で、遠近法と写生を学んだ。

 覗きからくりは、覗機関または覗き眼鏡とも呼ばれ、字が表す通り機械的な仕組みを要するレンズを用いた玩具だった。とはいえ、その仕掛けはシンプルで、遠近法を用いて描かれた写実的な風景画を凸レンズ越しに眺めることで、臨場感を楽しむというもの。
雄大な山々や船が集う港湾、異国の都市のパノラマを視覚的に体感するものと言ったら、昨今ならVRが真っ先に思い浮かぶ。

 18世紀半ばの頃には、今のVRのように覗きからくりが新奇で物珍しく、富裕層から庶民まで人気を博したのだ。

 覗きからくりには眼鏡絵と呼ばれる専用の風景画が欠かせなかった。初め、円山応挙は玩具商のもとで、この眼鏡絵の作家として名をあげた。
 そしてその後、写実表現と遠近法を取り入れた画風で、無名の玩具絵師から18世紀京都画壇のスターダムにのし上がり、円山派の始祖となるに至った。

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