2019/01/24 18:30

先取り貯蓄、貯まる人と貯まらない人の違いはどこにある?

先取り貯蓄、貯まる人と貯まらない人の違いはどこにある?
先取り貯蓄、貯まる人と貯まらない人の違いはどこにある?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。


お金を貯めようと先取り貯蓄を始めたのですが、全然貯まりません。そろそろきちんとお金を貯めなくてはいけないと思い、半年ほど前に本を読んで勉強し、家計簿をつけながら先取り貯蓄を始めました。自分自身ではがんばっていると思っているのですが、貯蓄を先取りしてしまうと、生活費が足りなくなることが多く、ボーナスを回して暮らしています。それでも毎月8万円貯まっているのならいいかと思っていたのですが、固定資産税などの臨時支出を払うと、気が付いた時にはなくなっています。ですから、貯蓄は160万円から一向に増えません。毎月の生活費はがんばっていると思うのですが、どのようにしていくとよいでしょうか。

〈相談者プロフィール〉
・女性、35歳、既婚(夫:42歳・会社員)、子供(4歳)
・職業:パート
・手取り世帯月収:29.5万円
 夫:26.4万円
 妻:3.1万円 
・手取り年間ボーナス:夫90万円
・預貯金:160万円
・毎月の先取り貯蓄額:8万円

【支出の内訳(29万円)】
・住居費:8.1万円(家賃と管理費)
・食費:3.5万円
・水道光熱費:2万円
・通信費:1.2万円
・生命保険料:3.3万円(結婚当時のまま)
・日用品代:0.9万円
・教育費:5.2万円
・小遣い:夫1.5万円
・その他:3.3万円

横山: ご相談ありがとうございます。先取り貯蓄は、家計状況をしっかり見て金額を決めないと、単なる「貯蓄したつもり」で終わってしまいがちです。貯蓄をしているという満足感はあるのかもしれませんが、もしかすると貯蓄した分を回しながら生活をしているだけになっているのかもしれません。生活費の不足をどう補っているのか、今一度冷静に見てみることが必要です。

黒字は5000円しかないのに8万円を貯蓄に回す

ご夫婦合わせて29万5000円の収入で、うち8万円を先取り貯蓄にしているのですから、毎月の生活費は21万5000円に収めないといけません。しかし、生活費は29万円かかっています。つまり、平均的に7万5000円ほど赤字が出る暮らしであるということが分かります。

この赤字は1年間で90万円にもなります。ボーナスから補填といいますが、家計の補填をしたらボーナスは残りません。そのため、毎月の家計から支払わず、年1回支払わなければならないものや、家具家電の買い替え、ご主人のスーツ代など、本当ならボーナスを当てにして支払いたいことにお金を使えません。ただ、払わないわけにはいかないものもあるので、手元にあるお金から払ってしまう。そのお金が、先取り貯蓄です。つまり、貯めているつもりでも、巡り巡って支払いに使うお金になってしまっているので、お金が貯まらないのです。

このやりくりの仕方は非常にわかりにくいと思います。少しお金の流れを簡単にして考えてみましょう。たとえば、毎月の収入から毎月の支出を引くと、5000円の黒字です。そして、ボーナスの90万円は、年数回の臨時支出に充てられます。本当はこのような流れなのに、間に「先取り貯蓄」を挟むことで難しくしてしまっています。5000円しかない黒字に無理をさせ、毎月8万円も貯蓄に回してしまったので、お金の管理が複雑になってしまったのだと思います。そのため、「貯蓄しているはず」という思いだけが残り、支出しすぎていることに気が付けなかったのではなないでしょうか。

まずは、貯蓄しているつもりでお金を回していただけの現状を、しっかりと認識してください。

貯まる人と貯まらない人との違いは何?

同じ先取り貯蓄をしていても、うまく貯めることができる人もいます。その差は何だと思いますか?

それは、先取り貯蓄をしていても、毎月の支出とその貯蓄額が、毎月の収入の中でやりくりできているというところです。支出が貯蓄額に食い込むことがないので、普通の家計やりくりと同じように管理していけるのです。

一方で相談者さんは、毎月の収入の中から捻出できない金額を先取り貯蓄しています。ですから貯蓄をすると、毎月の生活費は足りなくなるし、足りなくなった生活費はどこからか用意しないと暮らせない、だからボーナスを生活費にする、という悪循環を起こしています。

ここを改善するには、以下の2つに取り組まなくてはいけません。

1 無駄支出を減らして支出を改善し、黒字額を増やすこと
2 それを踏まえ、先取り貯蓄の金額を適正な金額にすること

家計簿を見ると、生活支出の節約もがんばっているようにみえますが、無駄支出、過剰支出も隠れているように見受けます。どこを改善できるか、見てみましょう。

幼児期の教育費は考え方次第で削減可能?

支出は全体的にがんばっていると言えます。ですが、結婚後から見直していない生命保険を現状に合わせた保障内容に見直したり、幼稚園児にかける教育費が多めなので、優先順位をつけてお金のかけ方を工夫すると、少し支出を削減できそうです。

教育費は、通う場所の工夫で月額料金を安くすることも可能でしょうし、そもそもそこまでやらなくてはいけないかということも考えたほうがよいかもしれません。幼児期よりも、受験が必要になるときのほうがお金がかかります。その時に先送りするつもりで、貯蓄に回した方がいいものもあるかもしれません。「こうあるべき」と決めつけず、柔軟に考えてみてください。そして、少しずつ支出を減らし、できた余剰額を先取り貯蓄の金額に設定していくと、きっとうまくいきます。

また、家計簿をつけているそうですが、時折振り返りをしているでしょうか。金額だけではなく、「ここでこれに払ったお金は無駄だったなあ」「これは払ってよかったと今でもいえる」など支出について考えていけると、徐々に自分なりにお金の使い方の良し悪しを考えられるようになり、支出削減につながります。

どんな貯蓄法でも、まずは「家計を正すこと」

貯蓄したいというご相談は大変多く、他の方が取り組んでうまくいったという貯蓄法を自分にも取り入れようとする人がよくいらっしゃいますが、何をするにしてもまず、「自分の家計をきちんと正す」ことから始めてほしいと思います。やみくもに始めてしまうと、支出の良くない部分を見つけ出しにくくなり、結局、お金はどこに行ったのやら、ということになってしまいます。

家計を自分なりに適正な状況にしてから取り組む貯蓄法は、その方法がご自分に合っていれば続けることも苦ではなく、うまく蓄えを増やしていけると思います。順序を間違えると、流れをわかりにくくし、修正のポイントもわかりにくくなってしまいますので、気をつけるようにしてほしいと思います。

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(横山光昭)

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