2017/09/02 11:30

“終の棲家”の購入「冒険はできない」プロFPがピシャリ

“終の棲家”の購入「冒険はできない」プロFPがピシャリ
“終の棲家”の購入「冒険はできない」プロFPがピシャリ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

東京で2日、名古屋で3日、仕事をこなしています。それぞれがパート勤務のため身分は不安定です。東京の仕事は名古屋の2割増しの時給単価になるため、東京での仕事を増やすほうが収入は明らかに増えます。そのため現在、住んでいる名古屋の賃貸から引っ越し、東京に部屋を借りようと思っています。

そこで悩んでいるのが家を買うかどうかです。いまさら持ち家として東京で自分が買えるような古いマンションに手を出してもメリットはないでしょうか? 1DK以上の広さはほしいので、12万円以内でなんとか見つけようとしているところです。昨年の年収は600万円程度ですが、固定給で働いていたので、今後の収入はどうなるのか楽しくも恐ろしくもあります。一人暮らしで養育責任のある子供はいません。
(50代後半 独身 女性)

深野:ご質問ありがとうございます。マイホームを購入してしまったほうがよいのかどうかで悩まれているようですが、現金で購入可能で、かつ“終の棲家”として十分な物件が見つかれば購入されてもよいでしょう。

厳しい見方かもしれませんが、質問者の方のご年齢、勤務形態を考慮すれば冒険はできない状況だからです。

老後に“負債”を残さない

年収から判断すれば住宅ローンを組むことも可能かと思われます。しかし、仕事を退職された後に住宅ローンが残ってしまうと、公的年金の受給額なども推測すると、老後生活がかなり厳しいものになると考えられます。

老後は現役世代と比較して収入が減少してしまうことから、住宅ローンなどのまとまった支出を残さないことが原則です。

また、勤務形態がパートという状況で雇用が不安定なことも住宅ローンをきちっと完済できるかどうか疑問が残る部分でもあります。

住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合のリスクを考慮すると、購入してもよいのは現金で購入できる物件のみになります。

終の棲家を意識すべき理由としては、よほどの条件がそろわない限り、今後の住宅の買い替えが難しいことが挙げられます。

歳を重ねたときのことを考え、近くにスーパーやコンビニがあるといった買い物環境や、病院などの医療施設がそろっているかも調べておく必要があります。

判断は「慎重に冷静に」

また、質問者の方が購入できるような“古いマンション”と書かれていますが、築年数が経過している物件であれば修繕費などの支出が新築よりも近い将来に発生し、かつ多額になる可能性もあります。

加えて、新築マンションの供給自体が減少していることから、人気の地域では中古物件の値上がりが顕著になっています。

金融資産を現在どのくらいお持ちなのかが記載されていませんが、推測するに手が届く物件はかなり制約される、言い換えればよい物件に巡り合う可能性が低い気がしてなりません。

以上のような不透明要因やリスクを考えると、冒頭に述べた条件がそろい、かつ購入後もそれなりの金融資産が手元に残るのなら購入に踏み切ってもよいでしょう。しかし、妥協されるくらいであれば、マイホームの購入は控えたほうが賢明と思われます。

厳しいことを言いますが、とにかく慎重、冷静に判断をしてください。物件を見に行くと、不動産会社の方が甘い囁きをするかもしれませんが、くれぐれも安易な妥協はされないようにご注意ください。

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