2017/11/29 18:00

45歳“うつ”で退職…今後の人生5400万円で生き抜ける?

45歳“うつ”で退職…今後の人生5400万円で生き抜ける?
45歳“うつ”で退職…今後の人生5400万円で生き抜ける?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。

仕事と人間関係に悩みうつ病を発症、45歳の時に退職しました。病気が治ったら社会復帰したいと思いつつも、現状は症状が思わしくなく、このままリタイヤする可能性もあります。その場合、現在の資産で今後の生活が成り立つのかが不安です。試算した限りでは、90歳まで資金が底をつくことはありませんでしたが、欠けている視点などもあるかと思い、先生のアドバイスをいただけますと幸いです。

【現在の収入と支出(基本的な生活費)】
収入:傷病手当金28万円、所得補償保険35万円(いずれも期間限定)。
支出:基本生活費(家賃、食費等)11.5万円、国民年金1.8万円、国民健康保険1万円、住民税5,000円/年。

【今後の収入変化と予測される特別な支出】
・保険金の受給終了後は収入の見込なし(保有金融資産の運用益を除く)
・結婚、教育費、家購入などの予定なし

【退職後の収入・支出見込み】
・支出は大きく変化する見込みなし。
・厚生年金を70歳繰り下げ受給。年金額年220万円(ねんきんネットで試算)

【保有する金融資産】
保有金融資産:計5,400万円(退職金込み)
金融資産を年1%で運用して生活費の足しにしたい

【現在の保有商品】
・投資信託800万円(NISA枠でアクティブファンド月10万円、非NISA枠でバランスファンド月20万円積立)
・個別株300万円(在職していた会社のストックオプションを行使)
・社債100万円
・確定拠出年金月6.7万円(付加年金にも加入)。国内外のインデックスファンドを半々づつ購入
残りは現金で保有。長期積立投資で徐々にファンドの割合を増やしていく方針。

【現在の負債(住宅ローン・借金など)】
特になし、家は借家。

【保険契約の有無】
・個人年金保険
・一時払い終身保険59歳で解約予定、保険金520万円、保険料払済
・年払い定期保険60歳から10年間月10万円支給、保険料月1.7万円(59歳まで)
・がん保険診断一時金100万円、入院日額5千円、保険料年2.8万円(終身)
(40代後半 独身 男性)

野瀬:詳細な現状のご報告ありがとうございます。

年齢が進むにつれて、健康上の理由で退職を余儀なくされるケースは私の周りでも増えています。そのため今回のご相談は他人事とは思えませんでした。

老後資金は大丈夫?

さて、すでにシミュレーションをされているとのことですが、私が簡単に計算したシミュレーションにおいても、90歳まで資金が尽きることはありませんでした。

男性の場合、基本的には90歳までみておけば大丈夫かと思いますが、より保守的に、60歳以降は医療費がかさむ想定でも計算をしました。

結論としては、それでも家計破綻にはいたりませんでした。

確かに収入は心許ないですが、大きな金融資産や個人年金などが地味に家計を助けるかたちになっています。そしてなにより、現時点でもかなり圧縮された家計支出である点が、有利に働いたようです。

「余裕のある老後」は少し難しいですが、家計破綻という最悪のケースは現状でも回避できそうです。今の生活スタイルを維持することを心がけてください。

想定される3つのリスク

さて、そうとなると手を打ちたいのが、想定されるほかのリスク対策です。その対策とともに以下に列挙してみました。

1:医療費などの負担増

高齢になり年金以外の定期収入がない状態になってから、制度が変わって負担が増える可能性です。

現在60代70代の方が存命のうちは、人数の割合も多いため、政策として福祉制度の見直しは選択しにくく、顕在化はしないと思います。

しかし、ご質問者ぐらいの年齢の方が75歳になった時には、医療費の自己負担額などが増えることが予想されます。

また、通院が必要な病気にかかり医療費がかさむ可能性もあります。そのため、家計に関してはより保守的な見積りにしておいたほうがよいと思います。

現状の支出は年間200万円程度であり、増えも減りもしないとのことですが、60歳から70歳は240万円、70歳以降は280万円ぐらいの予定で、シミュレーションしてもよいと思います。そして、その場合でも家計破綻は起きませんでした。

2:インフレのリスク

現状、資産のほとんどが預金ですので、将来インフレが生じた場合には、実質的な資産が目減りすることになります。

ただ、ご質問者の資金需要が老後資金である以上、現物株や金などを買うわけにもいかないため、選択肢のひとつは「居住用不動産の購入」というものになります。

現在、賃貸にお住まいとのことですので、よく吟味して、とにかく安く、1DKぐらいの不動産を買うのはありだと思います。

ご質問者の方が東京近郊にお住まいの場合は少し難しいですが、もし地方都市にお住まいであれば、現状でも築20年を超えるものであれば、300万円から1,000万円の範囲で物件がゴロゴロしていますので、このあたりの購入を考えてもよいと思います。

しつこいようですが、とにかく「よ~く考える」こと。これが大切です。病院やスーパーなどが近い便利な場所にあるが、古いためにお手頃となっている物件を、焦らずに探すのがよいでしょう。これからの10年間で探していくようなイメージです。

保有資産のうち600万円程度を不動産に割り振れれば、ポートフォリオとしても悪くないですし、家賃負担がなくなる点も、家計にはよい影響を及ぼすでしょう。

3:投資で大きな損が出る可能性

ご相談には「今後ファンドの割合を増やす」とありましたが、あまり投資に割り振り過ぎると、将来リーマンショックのようなことが起きた時に、進退窮まってしまいます。

金融資産における投資の割合は、どれだけ増やしても4割までにしておきましょう。

ご質問者は退職されておりますし、健康状態によって「がんばってリカバー」するという行為が今後、困難と思われるからです。

また、ないとは思いますが、怪しげな投資には食いつかないようにしてくださいね(笑)。

現状の試算で老後、容易には破綻しない計算なので、大きなギャンブルに出る必要はありません。

5,400万円という大きな資産を持っていると、さまざまな人が寄ってきて、恐怖を煽り、「あれを買え、これを買え」と言われるかもしれませんが、地に足をつけて客観的な数値から判断するようにしましょう。

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