2017/11/21 18:00

老後を前に不安、守りの投資に“アップデート”したい

老後を前に不安、守りの投資に“アップデート”したい
老後を前に不安、守りの投資に“アップデート”したい

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

55歳の自営業者です。同い年の公務員の妻と共働きをしていますが、現在大学3年生の次男が卒業する頃に、妻は退職する予定です。資産は約3,200万円ありますが、自分の仕事も先細り気味で若干将来が不安です。

現在行っているキャピタル・ゲイン狙いの資産構成から、インカム・ゲイン狙いの資産へと少しずつ移していきたいと思うのですが、どのような方策が望ましいのでしょうか。

NISAの活用方法も含めて教えていただけるとありがたいです。現在の3,200万円の資産内訳は現預金が約3分の1、現物株が約1割、残りが投資信託です。投資信託の内訳は、国内株式45%、外国株式40%、外国債券15%です。家は持ち家ですが、ローンは返済が終わっています。
(50代後半 既婚・子供2人 男性)

深野:ご質問ありがとうございます。

キャピタル・ゲインからインカム・ゲイン狙いの資産へ少しずつ移していく方法について回答させていただきます。

リスクの取りすぎにご注意

現在、ご質問者は自営業、同年齢の奥様は公務員として働かれているとのことで、まだよかったのですが、もし奥様がご主人の仕事を手伝われているような場合であれば、現在の運用は明らかにリスクを取りすぎといえます。

自営業者は勤労者よりも収入面が不安定、言い換えれば仕事でリスクを取っているため、同年齢の勤労者よりもリスクを抑えた運用を行うべきなのです。

大学生のお子さんが卒業する頃に奥様は退職される予定とのことですので、インカム・ゲイン中心の運用に徐々に変更すると同時に、リスクを抑えた保守的な運用に変更されたほうがよいと思われてなりません。

奥様が退職されたあと、ご主人は何歳まで働かれるのかについては記載がありませんが、ご主人は厚生年金の加入期間があれば64歳から部分年金を受給でき、65歳から満額受給となり、奥様は61歳から部分年金を受給でき、65歳から満額受給となるはずです(早生まれ等は考慮しません)。

仮に奥様の退職時、あるいは60歳でお仕事を辞めるのであれば、年金の受給が始まるまで無年金時代がある上、先に述べたように仕事でリスクを取られているので、くどいようですがご年齢を考慮すれば早めに保守的な運用に変更されたほうがよいでしょう。

現在、預貯金などの安全資産が3分の1、残り3分の2が株式などのリスク性資産になっています。

仕事も先細りと記載されていますので、資産割合を現時点で、安全性資産を60%、リスク性資産を40%程度に抑えたほうがよいと考えられます。

もちろんすぐにすべての資産を入れ替えるのではなく、株式や投資信託が利益確定できるタイミングになったら徐々に売却し、預貯金や債券などの安全資産に振り替えていってください。

キャピタル・ゲインからインカム・ゲインへ

同時に、ご質問にあるようにキャピタル・ゲイン狙いからインカム・ゲイン狙いへ資産を替えていく必要もあります。

預貯金、債券の利率が高ければ安全資産中心の運用に変更したいのですが、残念ながら両商品とも利率は高くはありません。

しかしながら、預貯金であれば地方銀行のインターネット支店、債券であれば個人向け社債を活用することで、預金であればメガバンクの数倍、個人向け社債では個人向け国債の数倍の金利を得ることができるため、これらの商品の利用については低金利といえども一考の余地があるはずです。

リスク性資産に関しては、高配当株式、国内外のREIT(不動産投資信託)、外国債券を中心に投資されるとよいでしょう。REIT、外国債券に関しては、投資信託またはETF(上場投資信託)の活用をおすすめいたします。

資産配分の割合は、リスク性資産に回す40%(安全性資産は60%)をベースにすると、国内株(国内REIT含む)、外国株式(外国REIT含む)共に13%、外国債券14%と、変更される前のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産配分割合を参考にされてはいかがでしょうか。

GPIFは積極運用に資産配分割合を変更しましたが、安定運用である旧資産配分割合を採用していた平成13年度から平成25年度の平均でも、2.51%の収益率でした。保守的な運用であれば悪くない運用実績といえるでしょう。

NISAの活用について

また、NISA(少額投資非課税制度)の活用についてですが、NISAは配当金(分配金)や売却益を得て始めて非課税の恩恵を受けることができる制度です。損失を被った場合、損益通算などを行うことができずメリットは一切ありません。

期間限定の制度ということを考えると割り切って使用したほうがよいと思われます。投資には絶対はありえないのですから、中・長期投資などと固執せずに納得できる利益が確保できるのであれば、短期売買でも一向に構わないと私は考えています。

投資に回している資金の一部でNISAを活用し、利益が確定できるのであればさっさと“勝ち逃げ”というスタンスでよいと思われます。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

インスピレーションを大切に。理由がなくてもピンときたことに...もっと見る >