2017/11/15 11:48

“つみたてNISA入門”知っておきたいメリットとデメリット

“つみたてNISA入門”知っておきたいメリットとデメリット
“つみたてNISA入門”知っておきたいメリットとデメリット

2018年1月から「つみたてNISA」がスタートします。つみたてNISAとは、積立投資専用の「NISA(少額投資非課税制度)」です。NISAという名が付いていることから、従来のNISA同様、投資によって得られた売却益(譲渡益)や分配金の運用益は非課税になるという制度です。

今回は、つみたてNISAの概要と、メリット・デメリット・注意点をまとめました。これから始めたいと思っている方は参考にしてみてください。

つみたてNISAの概要

つみたてNISAは、口座開設受付は2017年10月1から既に始まっています。ただし、運用開始は2018年1月からとなります。
従来からあるNISA(以下、NISA)との比較を踏まえ、つみたてNISAの概要を表にまとめました。

「つみたてNISA」の特徴としては、非課税期間が20年と長く、また投資方法も積立投資に限定している点、投資商品は金融庁が定めた基準を満たす商品に限定されている点が挙げられます。

つみたてNISAのメリット

(1) 年間40万円までの投資額が運用益非課税に
日本では、投資から得られた利益に対して、20.315%の税金(所得税+住民税+復興特別税)がかかります。例えば、投資信託を運用して10万円の利益が出た場合、そこから2万315円の税金が差し引かれ、実際手にする利益は8万円程度になるということです。
「つみたてNISA」を活用すれば、非課税で投資することができるので、本来差し引かれるはずの税金分を含めて投資へ回すことができます。

(2) 非課税となる期間は20年と長い
「つみたてNISA」は非課税期間が20年なので、長期投資向きと言えます。長期投資のメリットは複利を味方につけられることです。複利効果を活用すれば、お金の貯まるスピードが増します。

(3) 金融庁に選ばれた商品から投資できる
金融庁が選ぶ商品は「長期」「積立」「分散投資」に適した一定の投資信託です。具体的には、信託期間(投資信託の運用が行われる期間)が20年以上で、分配金の支払い頻度が毎月ではなく、手数料が低水準のもの、などといったルールがあります。

(4) 商品数が少ないため、選びやすい
「つみたてNISA」では、商品数が限定されているので投資初心者にとっては選びやすい点がメリットと言えます。現在販売されている投資信託は約6000あり、投資初心者にとっては、その中から自分にあった商品を選ぶのは至難の技と言えます。人は、選択肢が増えれば増えるほど悩んで行動できないという心の罠もあります。これを心理学用語で「決定麻痺」と呼びます。

(5) いつでも払い出し可能
「つみたてNISA」では、積み立てた資産を自由に引き出せます。よって、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」「余暇資金」など自分にあった用途で活用しやすいでしょう。

(6) 20歳以上であれば、年齢に関係なく投資できる
「つみたてNISA」と競合する制度といえば、iDeCo(個人型確定拠出年金)が挙げられますが、iDeCoは、積み立てられるのが60歳までとなっています。仮に55歳の方が、iDeCoを活用した場合、積み立てられる期間は5年間しかありません。その点、つみたてNISAは55歳以上の方でも、非課税のメリットを得ながら、長期でコツコツと積立投資ができます。

次は、つみたてNISAのデメリットについてみてみましょう。

つみたてNISAのデメリット

(1) 非課税枠がNISAよりも少ない
NISAは年間120万円に対し、「つみたてNISA」は年間40万円と、NISAの3分の1となっています。「つみたてNISA」は非課税期間が20年なので、累計非課税投資上限額は800万円とNISAよりも優遇されていますが、年間の非課税枠は少なめになっています。

(2) 買い付方法は定期的かつ継続的な方法による積み立てのみ
「つみたてNISA」は、「つみたて」と名がある通り、「定期的に継続して買い付け」を行う必要があります。積み立ての頻度は、毎月、2ヶ月に1回、年2回のボーナスのみなどです。金融機関によって、積み立て頻度の選択肢は異なりますので、確認するようにしましょう。一度にまとまった金額で、非課税投資したい方にはデメリットと言えます。

(3) 商品数が少ない、個別株やREITが運用できない
メリットの裏返しでもあるのですが、つみたてNISAは商品数が少ないので、幅広く商品を選びたい方にとってはデメリットと言えます。本稿を執筆している11月8日時点では、インデックス型の投資信託が103本、アクティブ型の投資信託が14本で、合計117本となっています。
また、「つみたてNISA」では、個別株やREITが対象ではありません。よって、非課税枠の中で、国内・海外の個別株やREITへ投資したい方はNISAを選んだ方が良いでしょう。

(4) 余った非課税枠の繰越はできない
余った非課税枠を翌年に持ち越すことはできません。例えば、2018年の投資金額が20万円で、残り20万円の日課税枠が使い切れなかった場合、翌年の2019年にその20万円を持ち越して60万円分投資するということはできません。

(5) 損益通算も繰越控除もできない
「つみたてNISA」では損益通算も繰越控除もできません。通常の課税口座では、確定申告をすることで他の金融機関で取引した株や投資信託などと損益通算ができます。例えば、特定口座(金融機関A)での損益がプラス30万円、特定口座(金融機関B)の損益がマイナス10万円だった場合、損益通算することができるので、利益30万円-損失10万円=20万円となり、20万円が課税対象になります。さらに、損益通算しても残った損失分は、3年間にわたって繰越控除できます。

(6) スイッチングと分配金再投資は「新規買い付け」とみなされる
スイッチングと分配金を再投資する場合は、新規の買い付けとみなされます。つまり、非課税枠を消化することになります。非課税枠40万円を使い切っている場合は、スイッチングや分配金の再投資ができないので、注意が必要です。なお、スイッチングとは、持っている金融商品を売却し、別の金融商品を買い付けて入れ替えることです。

(7) 非課税期間が20年で終了する
非課税期間は20年と長いのですが、期限がある点がデメリットです。
例えば、「つみたてNISA」で投資した40万円の資産が、非課税期間の終了時に30万円に下がってそのまま保有する場合を考えてみます。この場合、「つみたてNISA」口座から課税口座へ移管することになりますが、その際の取得価格は30万円になります。
その後、価格が上昇し40万円で売却したら、10万円が利益とみなされて、約2万円の税金がかかるのです。本来は40万円で購入したので10万円分は元の価格に戻っただけですが、この10万円分は課税対象となるので注意が必要です。

(8) 所得控除の対象ではない
iDeCoでは、積み立てた金額は全額、所得控除になります。そのため、所得税・住民税が軽減するのですが、「つみたてNISA」では、積み立てた金額は所得控除の対象にはなりません。

では、「つみたてNISA」を始めるにあたって、注意すべきことはどういうことでしょうか。

つみたてNISAの注意点

(1) NISAと「つみたてNISA」両方を同じ年に買い付けできない
NISA口座は1人1口座までの制限があり、NISAと「つみたてNISA」はどちらかの選択制となります。NISAと「つみたてNISA」は両方を同じ年に買い付けはできないのですが、1年ごとに運用を切り替えることができます。なお、「つみたてNISA」で買い付けする年に、NISAにある資産を売却することはできます。

(2) NISAとつみたてNISAの間でロールオーバーはできない
NISA口座から「つみたてNISA口座」へのロールオーバー、「つみたてNISA口座」からNISA口座へのロールオーバーはできません。

(3) 金融機関を変更する場合、変更前の資産をロールオーバー(持ち越し)できない
金融機関を変更する場合、変更前の「つみたてNISA口座」から変更後の金融機関の「つみたてNISA口座」へロールオーバーすることはできません。これはどういうことかと言うと、変更前の「つみたてNISA口座」で新たに買い付けはできないけど、口座にそのまま持っていることができ、20年間の運用益非課税の対象にもなるということです。
例えば、2018年に「つみたてNISA口座」(金融機関A)で投資信託を買い付け、2019年からは金融機関を変更し、「つみたてNISA口座」(金融機関B)で投資信託の買い付けを始めた場合、それぞれの「つみたてNISA口座」にある投資信託は、20年間運用益が非課税となります。

2018年から始まる「つみたてNISA」。従来からあるNISAやiDeCoと比較しつつ、自分に最適なものを選んでいく参考にしてくださいね。

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