2018/03/30 18:30

リスクを取らない「預金だけ」が別のリスクを生む理由

リスクを取らない「預金だけ」が別のリスクを生む理由
リスクを取らない「預金だけ」が別のリスクを生む理由

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。

現状、夫の年金と子供関係の手当をすべて貯金に回しています。保険については高額医療費等でそこまで負担はないと考え、本当に万一のときの備えのみです。今までリスクを取りたくなく基本的に定期預金にしてきましたが、老後資金や子供の学費を考えると、多少は資産運用もしたほうがよいかと思っています。

以前、夫がデイトレードにチャレンジしたのですが、精神的に負担になって継続できず……。今度は長期運用を私が中心になってしようと思っています。夫の年金額も減っていく一方ですし、私が働けなくなった場合や子供の学費、老後資金などさまざまな不安があります。3つの質問について教えてください。

1:資産運用を行う場合、どの程度の予算でなにから始めればよいのか
2:今の保険で本当に必要な保障ができているのか
3:老後資金のために個人年金保険など検討したほうがよいのか

【現在の収入】
世帯主:私、女性、39歳、会社員、年収380万円(手取り250万円)
夫:障害者、障害年金120万円/年(18歳未満の子の加算48万円含む)
子:子ども手当12万円×2人/年(小学3年生、保育園年長)

【現在の支出】
住宅:築30年の集合住宅3万3,000円/月(実母所有物件のため格安)
倉庫:夫の趣味の物を置くためにレンタル21万円/年
その他:食費平均5万円、水光熱費1万7,000円、通信費1万2,000円、保育園2万3,000円、習い事1万5,000円、医療費5,000円、保険1万3,000円、その他雑費2万円(小遣い等含む)
合計:18万8,000円/月  

【現在の貯蓄】
定期預金:1,650万円(100万円から450万円で6種、最長3年)
その他普通預金:80万円

【保険】
収入保障保険:4万円/年(重度後遺症・死亡時に60歳まで15万円/月) 、医療保険4万円/年(入院時日額1万円、手術時20万円)、夫・子供は共済5,000円/月、住宅火災保険3,000円/年、すべて掛け捨て

・夫は今後も就労予定なし。私の定年は68歳。介護保険関係の専門職をしており、独立も可能ですが収入が不安定になるため、現職場で定年まで勤務する予定です。
・子供は大学までオール公立、大学のみ私立理系も考えています。希望によっては高校卒業後の就労も選択肢にあります。
(30代後半 既婚・子供2人 女性)

内藤:ご質問ありがとうございます。

3つのご質問のうち、保険に関しては私の専門外になりますので、ご質問のなかの資産運用について基本的なお話をしようと思います。(保険に関してはこちらの回答を参考にしてください。)

現状の資産を拝見すると、預金だけで1,700万円以上となっています。

元本を減らしたくないという気持ちはよくわかりますが、今保有している資産について気を付けなければいけないことは、「名目の資産」ではなく、「実質の資産」を守らなければいけないということです。

これからの資産運用にとって想定される大きなリスクは、「円安」と「インフレ」です。円が下落することによって輸入品の価格が上昇し、実質的な資産が減ってしまう。あるいはインフレによって、モノの値段が上がり、実質的な資産が減ってしまうことです。

それを防ぐためには、ある程度のリスクを取って、預金以外の資産を保有することをおすすめします。

いきなり大きな金額を投資に回すのは精神的にもストレスがあるでしょうし、失敗したときのダメージも大きくなります。逆に、いつまでも投資をしないのは、上記のような実質的な資産の下落リスクをいつまでも抱えたままになってしまいます。

資産運用は実践で学ぶことも多いですから、「走りながら考える」というスピード感が重要だと思います。

投資初心者におすすめの運用方法

まず、投資未経験者への最初のステップとして、おすすめしたいのは投資信託を使ったインデックス運用です。

ネット証券では販売手数料のかからない低コストの投資信託が販売されていますから、これを活用するのが良いでしょう。

インデックス運用とは、たとえば日本株なら日経平均やTOPIXといった市場の平均値がありますが、その動きに連動した投資成果を目指す運用方法のことです。

そしてインデックス運用でも、日本株、アメリカ株というように特定の資産のインデックス運用に集中するのではなく、世界の株式、債券、不動産(REIT)などに分散して投資していくのです。

資産配分(アセットアロケーション)をすることによって、リスクを分散でき、長期で資産形成できます。

インフレや円安にも対応できる資産となりますが、具体的なアセットアロケーションの方法がわからない場合は、バランス型ファンドといって1つのファンドにさまざまな投資対象が組み入れられた「おまかせファンド」を使う手もあります。

リスクを取らないリスクも考慮して

リスクを取ることに恐怖感があるのなら、最初は10万円くらいからはじめてみても良いでしょう。投資に対する理解度が高まってきたら、徐々に投資金額を大きくしていく方法で問題ありません。

また、実際の投資と並行して勉強も進めていきましょう。書籍を読んだり、セミナーに参加することで、意識も高まり、よりレベルの高い資産運用が実践できるようになります。

資産運用にはリスクがありますが、リスクを取らないことによって、実質的な資産の減少という別のリスクが発生する可能性がこれから高まっていくと思います。

現状の堅実な生活は維持しつつ、資産運用によってお金にも働いてもらう環境を作り、将来のお金に対する不安から少しでも解放されるようになることをお祈りしています。

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