2018/02/21 20:20

資産運用は、いざという時のお金の準備と税制優遇制度から

資産運用は、いざという時のお金の準備と税制優遇制度から
資産運用は、いざという時のお金の準備と税制優遇制度から

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの家計相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する井戸美枝氏がお答えします。

高校卒業して以来、約5年ほど働いていた会社を昨年退職しました。そこで持株と企業型の確定拠出年金をしていました。株は約170万円前後ぐらいで300株。年金は10万弱です。
ご相談ですが、株は売却をして他の銘柄や投資信託を考えていますがどれを選べばいいかわかりません。売るタイミングがいつなのかもわかりません。確定拠出年金は個人型に切り替えて運用する予定ですが、こちらもどの銘柄にしたらいいかわかりません。運用費は1万~1万5千くらいで考えてます。
さらに、つみたてNISAにも多少興味はありますが内容があまり理解していません。iDeCoと両方やるのは負担が大きいでしょうか? ご指南お願いします。今の会社は1年ぐらいしか働かないとおもいます。

〈収入〉
・前職年収:350万円程度
・現職年収:180万円ぐらい
・手取:15万円前後(ボーナスはほぼない)
・支出:10万円前後

〈支出〉
・実家に5万円
・携帯代:1万円
・医療費:1〜2万円
・車保険:6,000円
・医療保険:1万円
・娯楽費:1〜2万円

〈相談者プロフィール〉
・男性、24歳、未婚
・職業:会社員
・同居家族:親の家で同居
・住んでいる地域:岩手県
・手取りの世帯月収:15万円
・毎月の支出目安:10万円前後

井戸:ご相談ありがとうございます。

いざというときのお金を置いておこう

ご質問にお答える前に一つアドバイスがあります。それは、資産運用のお金とは別に、いざというときのお金を用意しておくことです。

というのも、この先、自然災害や突発的な事故などで急にお金が必要になるかもしれません。投資信託や株式などの資産は、意図しないタイミングで現金に変えると損失がでることがあります。いざというとき、すぐに使える形ーーつまり現金で、ある程度の金額を用意しておくと安心です(もちろん銀行の預貯金に預けてOKです)。

どの程度の現金を貯めておくかは、人それぞれ違いますが、生活費の1〜2年分を目安に考えると良いかもしれません。支出が月10万円前後ということですので、120万円前後でしょうか。

すでに貯金があれば問題ありません。毎月5万円の黒字が出ていますので、2万円は貯金、残りの3万円は投資、という方法もあります。
170万円の株式を保有していらっしゃるとのことで、そちらを活用しても良いですね。

株の売却タイミングは難しい

さて、その持ち株ですが、売却のタイミングはご自身で判断するしかありません。株価が上がったところで売ることができればベストですが、株価がどうなるか分かりません。

持ち株制度では、会社から奨励金が出て、通常よりも安い価格で買えているのではないでしょうか。損益のことは気にせず、売却しても良いかもしれません。

300株で170万円とのことですので、1株5,600円前後ですね。売買の手数料が安い証券会社であれば、3回に分けて売って、売却額を平均化するという方法もあります。

このように、株式を売買して継続的に利益を上げることは難しく、手間もかかります。その分、利益も大きい訳ですが、損をする可能性も多分にあります。もちろん、この企業に投資したいとき、リスクを承知して株価の値動きを追いたいときなどに、個別の銘柄を売買するのもよいと思います。

手堅くいくならインデックスファンド

なるべく手間をかけずに、なおかつ堅実に資産運用したい場合は、インデックス運用を行う投資信託に、毎月一定額を投資するという方法があります。

インデックス運用とは、市場平均と同じような動きを目指す運用方法のこと。市場平均は、日経平均やTOPIX、NYダウといった株価指数のことを指します。

このインデックス運用を行う投資信託のことを「インデックスファンド」といいます。「インデックス型投資信託」「パッシブファンド」と呼ばれることもあります。インデックス以外の投資信託は「アクティブファンド」といい、市場平均を上回る運用成績を目指します。が、投資信託によっては市場平均を下回るものも多くあり(もちろん好成績なファンドもあります)、なおかつ手数料が高い傾向にあります。

インデックスファンドに投資すると、市場全体の平均的な運用成績を得ることができ、他の投資信託よりも手数料が安いので、長期的にみると、他の運用方法よりも資産を増やしやすいといわれています。

つみたてNISAなど、税制優遇制度を利用しよう

インデックスファンドは、どの商品も市場平均と同じ動きを目指して運用しますので、同じ株価指数を参考にするファンドであれば、運用成績にほとんど違いはありません。よって、できるだけ手数料が安いものを選ぶことが重要となります。

そこで「つみたてNISA」の出番です。

すでに「つみたてNISA」にご興味があるとのことですが、この制度はインデックス運用に向いています。というのも、つみたてNISAで買うことのできる投資信託は、あらかじめ手数料が安いものが、金融庁による厳しい基準で選ばれているからです。

また、つみたてNISAでは、運用で得た利益が非課税になります。通常の口座では、運用益に20.315%の税金がかかりますので、有利ですね。積み立てられる金額には上限があり、年間40万円まで。20年間積み立てることができます。

ここでインデックス運用のすべてをご紹介することはできませんので、『税金ゼロの資産運用革命(田村正之 著/日本経済新聞出版社)』や『ほったらかし投資術(山崎元 水瀬ケンイチ著/朝日新書)』を参考にして頂くとよいと思います。

iDeCoは老後の資金用

最後に、確定拠出年金を個人型に切り替えて運用されたい、とのこと。個人型の確定拠出年金は「iDeCo」と呼ばれているので、以降はiDeCoと記しますね。

iDeCoは掛け金が全額所得控除され、運用益も非課税、受取時にも税制優遇あり、とお得な制度です。ただし、iDeCoに積み立てたお金は60歳以降引き出すことができません。あくまでも、老後の資金作りのための制度です。掛け金は、無理のない金額にしてください。

掛け金には上限がありますが、5,000円から1,000円単位で自分で決めることができます。会社の年金制度によって異なるのですが、

  • 企業年金のある会社員の人であれば年間27万6000円まで、
  • 企業型確定拠出年金だけに加入している会社員は年間24万円まで、
  • 企業型確定拠出年金と確定給付年金のある会社員は年間14万4000円まで、
  • 確定給付年金だけの会社員は年14万4000円まで

となっています。

iDeCoでの運用方法は、基本的に上記の資産運用と同じ方針でよいでしょう。月1万円〜1万5,000円を拠出しようと考えていらっしゃるとのことですが、もしものときの貯金があるのであれば、問題ないように思えます。

ひとつ気がかりなのが、企業型の確定拠出年金をiDeCoへ切り替えるには、自分で切り替えの手続きをする必要があります(移換といいます)。

この移換手続きが6ヶ月以内に行われなかった場合、積み立てたお金の運用はストップし、国民年金基金連合会に移ります。その際、4269円の手数料が発生、4ヶ月を経過すると毎月51円の管理手数料が差し引かれていきます。運用はストップしているので、利息などはつきません。ご質問を読む限り、手続きをされていないようなので、早めに移換の手続きをすることをおすすめします。

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