2018/04/25 11:30

「仕事の達人」になるために学歴や能力より大切なこと

「仕事の達人」になるために学歴や能力より大切なこと
「仕事の達人」になるために学歴や能力より大切なこと

「あなたのその一生懸命さが、努力が、汗が、無駄にならず報われるようにするには、仕事においてどのようなことを心掛けたらいいのか、どういうことに気をつけたらいいのでしょうか」と語りかけるのは、「経営の神様」といわれた松下幸之助(松下電器産業株式会社《現・Panasonic》創業者)を23年間側近として支えた後にPHP総合研究所の社長となり、参議院議員も務めた江口克彦さんです。

江口さんは新著『働き始めた君に伝えたい「仕事の基本」』において、新社会人や若手のビジネスマンに向けた22のアドバイスを送っています。それらは小手先のビジネススキルではなく、「仕事」と「人間」への深い洞察から導き出された、幸せな人生を送るための大切な指針と言えます。ここではそのエッセンスを、少しだけ紹介します。

能力はほどほどでいい

働き始めた新社会人の一番の不安は、「仕事をうまくこなせるだろうか」ということではないでしょうか。自分の能力や性格に自信が持てず、少し上の先輩や学歴が高く仕事もできそうな同僚と自分を比較して「あの優秀そうな人たちにはかなわない」と、理由のない劣等感を抱いて萎縮してしまう。

そんな若いビジネスマンたちに江口さんは、「能力なんてほどほどでいい」と教えます。

経験的に、若いうちは能力の差があるとは言えないと実感しています。
まあ、若いときに能力があるとしても60点ぐらい。能力がないと言っても50点か40点ほど。その差は10点か20点。その程度です。
ですから、他人と比較してコンプレックスを感じ、みずからを卑下する必要はまったくありません。
(『働き始めた君に伝えたい「仕事の基本』98ページ)

学歴も仕事とは関係ありません。江口さんが仕えた松下幸之助は、小学校を4年で中退しています。スティーブ・ジョブズもビル・ゲイツも大学を中退。世界的建築家の安藤忠雄氏も高卒ですが、いまでは東大の特別栄誉教授として東大生を教えています。いわゆる三流と言われている大学の出身者でも、一流企業の経営者になっている例はいくらでもあります。

彼らには何があるのでしょうか。それは「滾(たぎ)るような熱」です。熱意こそが能力を引き出し、他を圧倒する成果をあげたのです。

熱意があれば、どうにかして課題を解決しようという知恵も出てきます。たとえ自分一人では行き詰ったとしても、熱意を感じた周囲の人が力を貸してくれて、急な階段でも上ることができます。

ですから、自分の学歴や能力の低さを嘆く前に、「滾(たぎ)るほどの熱意」を持っているかどうかを自らに問うてみることが大事だと、江口さんは言います。能力に自信がなくても、「よし、とにかく全力で仕事に取り組んでみよう」という「熱意」さえあれば、学歴や能力に胡坐をかいている同僚を追い抜くことができるからです。

人並み以上の熱意こそ、あなたの仕事を成功に導き、なによりあなたの心を満足感と達成感で満たすことになるのです。(107ページ)

「かくれんぼう」を大事にする

「ほうれんそう(報告・連絡・相談)を大事に」というのはビジネスマンなら誰でも聞いたことがあるでしょう。しかし江口さんは「ほうれんそう」では成長しない、と言います。なぜなら、たとえば指示された仕事をすすめていく途中で壁にぶつかったとき、解決策を考え抜くことなく上司に「どうしましょうか?」と相談ばかりしているようでは次につながらないからです。

困ったら相談する。「どうしましょうか」「どうすればいいのでしょうか」では、いつまでたっても自立なき労働者」です。
そうではなく、「自主独立の気概を持ったビジネスパーソン」にならなければ、社内で認められるようにはなりません。(90ページ)

江口さんは「相談」ではなく「確認」をすすめています。仕事に行き詰っても、自分で考えた打開策を持って「こういうやり方でやってみようと思いますが、いいでしょうか」と上司に「確認」するのです。たとえその解決策が効果的なものではなかったとしても、自分で考え抜く姿勢と熱意を、上司は認めるでしょう。

「確認」は上司とのコミュニケーションにおいても必須です。上司から仕事の指示を受けはりきって取り組んだとしても、指示の内容を少しでも取り違えたことが原因で、進め方や結果が上司の狙い通りにならなかった、ということはよくあることです。それを防ぐためには自分から念を入れて確認することが大事なのです。大きな仕事であれば、書面にして見てもらうことも必要でしょう。

「ほうれんそう」も大事ですが、「かくれんぼう(確認・連絡・報告)」を大切にすると、相手も安心して仕事を任せてくれるようになります。

要領よく仕事をする

「要領がいい」という評価は「手抜き仕事をしているのにうまく立ち回るから上司のウケがいい」といった悪いイメージがあります。江口さんは、仕事ができる人へのひがみや嫉妬が原因で悪口になったのではないか、と推測しています。本来、「要領がいい」というのはほめ言葉だからです。

「要領よく仕事をする」というのは、仕事の結果が迅速、正確かつ鮮やかで、上司の期待通り、いやそれ以上の結果を出すということなのです。(218ページ)

「要領がいい」とは、具体的にはどういうことなのでしょうか。江口さんは次の6つをあげています。

1.仕事の優先順位を決めながら、柔軟に順番を入れ替えること。
2.仕事が速いこと。
3.創意工夫をして、今までにない仕事の仕方を考え出すこと。
4.次の仕事の段取りを想定しながら、今の仕事の処理をしていくこと。
5.ときに他人の力を借りること。なにより、これらのことを、
6.楽々と余裕を感じさせて仕上げること。
(221ページ)

これらは、漫然と仕事をこなすだけでは実践できないことばかりです。働き始めの新社会人の皆さんには難易度が高いかもしれませんが、少しでも意識することによって仕事への取組み方が変わってくるはずです。

新人でも遠慮することなく、前例にとらわれない新しい仕事のやり方を考えてみる。目の前の仕事に取り組みながら、次の仕事の段取りを意識する。自分の手にあまる仕事は同僚の力もどんどん借りる。

要領よく仕事をすることは「仕事の基本」です。「速く、鮮やかに」仕事を仕上げる。「涼しい顔をしていく」ことによって、あなたは着実に仕事ができる人と評価されるでしょう。
ぜひ、要領のいい「仕事の達人」になってください。(227ページ)

本書に書かれている22の「仕事の基本」は、それを実践することで自分をひとまわりもふたまわりも成長させてくれるような、仕事と人生のとても大きな指針です。

働き始める新社会人はもちろん、彼らを指導する立場のビジネスパーソンにも前向きな影響を与えてくれる1冊と言えるでしょう。

働き始めた君に伝えたい「仕事の基本」 江口克彦著


松下電器創業者・松下幸之助の側近として23年間働き、仕事の仕方、考え方を叩き込まれた江口氏が、社会人1年目に向けて、押さえておきたい行動ノウハウを22項目に厳選して伝授。実践すれば、社内の、人生の階段を着実に上がっていかれます。

記事提供/日本実業出版社

今日の運勢

おひつじ座

全体運

五感を生かした実用的な趣味が楽しい日。料理やアクセサリー作...もっと見る >