2018/05/16 11:30

ローリターンでローリスク?「月3万円ビジネス」の始め方

ローリターンでローリスク?「月3万円ビジネス」の始め方
ローリターンでローリスク?「月3万円ビジネス」の始め方

早出しても残業しても、たいして増えない収入。「毎月、もう少しだけ収入があったらいいのにな~」そう思っていませんか? 日本型雇用が崩れつつある今、政府も「副業容認」に大きく舵を切りました。副業に関心のあるあなたのために、ローリターンだけれどローリスクな「月3万円ビジネス」を提唱する、発明家にして工学博士の藤村靖之さんにお聞きしてきました。

那須高原の発明家

春の日差しで、那須連山の白い冠雪が輝いていた季節に、栃木県・那須町、藤村靖之さん主宰の研究所「非電化工房」を訪れました。大きな池を囲むかわいらしい形の不思議な建物群の中には白いヤギがいて、こちらを覗いています。今日はお休みですが、併設のカフェもあり、まるで北欧風のテーマパークのようでした。

「こんにちは、いらっしゃい!」

と出迎えてくれたのが、「月3万円ビジネス」を提案する藤村さんです。真っ白いひげをたくわえたやさしい風貌は、サンタクロースを連想させます。

今まで数々の発明品を世に送り出してきた藤村さんの得意分野は、「電気を使わずに愉しく暮らす技術」。炎天下でも6度まで温度を下げることができる「非電化冷蔵庫」は、モンゴルの遊牧民に大好評、今や世界中からオファーが来ています。そんなアイディアマンの藤村さんの提案する「3万円ビジネス」とは?

「月3万円ビジネス」ってどんなもの?

藤村さんの著書『月3万円ビジネス』(晶文社、2011年)、続いて出版された『月3万円ビジネス 100 の事例』(同、2015年)は今も売れ続け、好評を博しました。これらによると、月3万円ビジネスの実例は以下のようなものです。

■食べ物を乾燥させるビジネス
天日で干し野菜やドライフルーツを作る。道具の材料はホームセンターで手に入る。

■家々の窓に花を飾るビジネス
窓の外に飾る鉢植え用のボックスを作り、提供する。窓一つにつき5000円ほどの利益。

■機械修理ビジネス
機械いじりが得意な人向け。農機具などの修理やメンテナンスを低額で請け負い、無理な部分はメーカーにつないであげる。

■ウエディングビジネス
結婚式にお金をかけたくないカップル向けに、手作りのウエディングをプロデュースしてあげる。

■ママカフェ
実家の空き部屋を利用した、子連れで利用できるカフェ。当番制の保育者に時給を支払うが、保育者も利用者になれる。

そんなに大きくは儲からなさそうですが、そんなにタイヘンでもなさそう。これなら、月3万円くらい稼げるかもという気になってきます。

誰にでもできて、すぐに始められる

藤村「月3万円ビジネスはすべて、“スモールビジネス”。特別な技術や能力、資本がなくても、誰にも始められるし、地方でもできます。僕は東北や北陸をはじめ、全国のさまざまな地方都市でワークショップを行ってきましたが、いわゆる“文系のお母さん”たちだって、自分たちで考え出したビジネスで、きちんと利益を上げています」

“文系のお母さん”というのは、理系の知識や技術のない「普通の人」の代名詞。普通の人でも、自分たちでビジネスを起こすことができるかもしれません。しかしなぜ、3万円なんでしょう。

「3万円というのは、すぐに手が届く額。少額だから、競争が生まれない。バカバカしくてぎらぎらしたオジサンたちは手を出さない。そしてこのスケールのビジネスの種は無尽蔵。僕には弟子が1000人以上いるのですが、彼らも続々と月3万円ビジネスを生み出していますよ」

月3万円ビジネス+自給率を上げる

藤村「もちろん、月3万円じゃ暮らせない。だから、月3万円ビジネスを複数やる。これを、“スモールビジネスの複業化”と言っています。そういう生き方を、僕は提案しているんです」

従来の日本は、一つだけの仕事に専念することで、豊かな暮らしをめざしてきました。でも、非正規雇用が増え、給与も上がらず、有名企業でさえ盤石ではない現在、小さな仕事をいくつもかけもちすることは、意外に現実的なのかもしれません。

「僕の弟子たちは、月6万円あれば、じゅうぶん暮らせて貯金もできています。月9万円なら、夫婦が暮らせる。12万円あれば、小学生までのこどもが一人、育てられる。つまり、独身者なら、月3万円ビジネスを二つやれば暮らしていけるんです」
本来ならそれの収入額は「貧困」そのもののレベルのはず。それで暮らしていけるのは、小さなビジネスをいくつかかけもちすると同時に、自分でできることを極力増やして、徹底的に支出を減らすことができているから。

小さな畑を耕して食料を自給するだけでなく、ガスや電気をなるべく使わずにエネルギーを得る、クルマを使わず自転車や徒歩で移動、お下がりや交換で衣類をゲット。「現金が不要」ということは、「現金を稼ぐ」ことと同等の効果があります。

ギリギリまで現金支出を減らし、生活に必要なものを自給するためには、それ相応のトレーニングが必要です。非電化工房に住み込みが前提の「直弟子」たちは、一年間でそのノウハウを学ぶのだそうです。

「こういったことを“愉しく”できるようになることこそ、自給率を上げる上で必須です。自給率を上げ、自分で仕事を生み出して稼ぐ力をつけ、仲間と一緒にやっていく力、この力を僕は“自立力”と呼んでいます」

いちばん大切なのは、「豊かな時間」と「仲間」

月3万円ビジネスについて、藤村さんが最も強調するのが、「一つのビジネスにつき、2日以上かけないこと」「仲間を持つこと」です。

藤村「自由時間が減ってしまうと、生活の自給率が減っていく。すると、すべてをお金を出して買わねばならなくなり、支出が増えてしまうから。そしてもう一つ、“仲間”は必須。孤立しちゃったら、組織に依存しなくちゃ生きていけなくなるから」

ここで言う“仲間”とは、ビジネスパートナーや出資者ではなく、「共に楽しみ、生きていく仲間」のことだそう。

「一つに2日しかかけないなら、月に4日しか働かなくて済む。身も心も擦り減らないから健康で、みんなと仲よくできる、その上貯金もできる。いいでしょう?」

気軽な副業……と考えていましたが、「月3万円ビジネス」はちょっと違うようです。多忙な仕事とかけもちで行っては、その趣旨に反します。でも、「自由な時間と仲間を増やし、お金と組織に依存しない」ことを目指すのであれば、月3万円ビジネスとは、単なるお小遣い稼ぎじゃではなく、ライフスタイルそのものの転換を意味しているのかもしれません。

月3万円ビジネスと非電化

藤村「月3万円ビジネスは、エネルギーを使わないこと=非電化と非常に親和性が高いんです」

たしかに、月3万円ビジネスの事例はどれも、小規模でローカル、手動の部分が大きい(言ってみれば、効率の悪い)ものが多いようです。大きな資本や電力を必要とするものはありません。

「電気はとても便利な良いもの。しかし同時に、お金とエネルギーを使って豊かさを追求する典型的なものでもあります。でも、電気がなければ、本当に豊かではないんでしょうか?」

藤村さんはいたずらっぽくこう尋ねました。
「こういう有名なことわざをご存じですか?」
  
選択肢が一つに絞られていたら、それは誰かの罠にはまっているに違いない。

「ご存じない? 誰のことわざかって? ――僕です!(笑)」

目指すのは、アンプラグドな生き方

 
藤村「選択肢が一つしかないとき、選択肢となる新しいものを作り出すのが僕たち発明家。電気がないと幸せになれないと思い込んでいる人に、違う選択肢を見せてあげる。そうすると、異なる展開が生まれる。お金も同じです」

あらゆるものをお金を出して買う → お金がたくさん必要 → 身も心もすり減らして働かなくてはならない

「こんなに頑張ってるのに、ちっとも幸せじゃないな?」

と疑問を感じているなら、月2日だけ、小さなビジネスを始めてみませんか? ただし、忙しくなりすぎてはいけません。ローリスクローリターン、でも、それを積み重ねることで、自分と仲間の力だけで作り上げる、新しい世界が開けてくるかもしれません。

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