2017/06/27 11:00

父と娘の、泣き笑いあるある!?『ありがとう、トニ・エルドマン』【さぼうる☆シネマ】

ほぼ、はじめまして(まだ連載2回め)。「風味、味わい」のような意味を持つ"savuer"をちょっと和風に発音しての、さぼうる。甘かったり、酸っぱかったり、辛かったり、ほろ苦かったり。映画を味わうことでココロがほぐれますように、という願いを込めて(サボる、ではございませんからw)。雑食系映画紹介人、松本典子がお届けします。

父と娘の"泣き笑いあるある"!? 『ありがとう、トニ・エルドマン』

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さて。いつもは離れて暮らす父親が、突然訪ねて来たら。あなたは嬉しいものですか? 私の予定もあるのに電話してよぉと困惑する? 大抵は、(その比率はさておき)どちらの気持ちもあるんじゃないかと思います。しかも、本作の主人公、父親であるヴィンフリートは、ドイツから娘イネスの住むルーマニアはブカレストへ、こともあろうか彼女の仕事中にアポ無しで訪ねてくるのです。

そんな父娘にどんな数日間が訪れるのか。苦笑いしながら、お腹よじらせながら、ハラハラしながら、身につまされながら、呆れながら......最後にはタイトルにあるように『ありがとう、トニ・エルドマン』って呟きたくなるのが本作です。

ノーネクタイでヨレヨレのエコバッグを提げて、エントランスで待ち伏せている父。ビジネススーツ姿で得意先と話しながらその場に現れた娘は、わざわざサングラスと入れ歯(!)をして何気に近づいてきた父に気づいて驚愕(そりゃそうだ)、しかし、なんとか素知らぬふりでエレベーターへ。ええ、気持ちわかります。彼女、得意先と大切な話をしている最中だってわかりますからね。しかし、「気づかれなかったかな」としょんぼり肩を落として去る父を、部下に追いかけさせてフォローする配慮も怠らない。困っちゃうけれど放ってもおけないのよという娘ゴコロをちゃんと持ち合わせているイネスにまずは同情せずにいられませんが、邪魔にならないようにただただ待って、近寄ってみたものの気づかれなかったからと帰る父親もまた、不器用すぎて嫌いにはなれないわけです。

今日の運勢

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新しい人間関係を始めるのにいい日。社交センスもマナーもカン...もっと見る >