2017/11/05 20:00

骨盤底の筋肉を鍛えてお腹ポッコリを解消! 尿もれも予防!

自分の体をきちんと知ろう!をテーマに、増田美加(女性医療ジャーナリスト)さんによる連載「カラダケア戦略術」。Vol.9&10のテーマは、骨盤底筋。Vol.10では、女性にとって大切な「ペリネ」を取り上げます。


"ペリネ"って知っていますか?


ペリネとは、フランス語で、骨盤底筋群を含めた会陰部全体を指した言葉です。
ペリネは、骨盤の中にある子宮、膀胱や直腸などを支えています。女性は、ペリネにダメージを及ぼしやすく、ダメージを大きく与える最初の機会が出産です。そして、次は更年期。更年期以降の女性ホルモンの低下も大きなダメージになります。

また、日常の姿勢や呼吸の仕方、咳やくしゃみ、排便時のいきみ方、腹筋運動なども注意が必要です。不適切な姿勢や間違った腹筋運動などをしていると、過剰な腹圧が下方向への圧力になります。気づかないうちに、ペリネに日々小さなダメージを与え続けることになるのです。

腹圧をかけない腹式呼吸と動きでペリネを守る!

ペリネ(骨盤底筋群)は、骨盤の底にある筋肉のガードルのようなもの。女性のペリネには、尿道・腟・肛門の3つの穴があります。
腹圧が高まって、上から過度の圧力が加わると、骨盤内にある臓器が下に向って押し出される形になります。これがくり返されると尿もれ、ガスもれ、便もれ、子宮脱(子宮が腟から外に出てしまう)、性機能への悪影響を引き起こします。


では、どうしたら予防できるか...。


姿勢と呼吸で、ペリネを守って鍛える身体的アプローチ法に「ガスケアプローチ」があります。ガスケアプローチは、フランス人の女性医師ベルナデット・ド・ガスケ先生が体の生理機能を研究し、ヨガの動きと融合させたものです。姿勢と呼吸で、ペリネに働きかけるエクササイズです。尿もれや子宮脱の予防につながります。ガスケアプローチの最大の目的は、ペリネの保護です。

ガスケアプローチでは、姿勢と呼吸を整え、過剰な腹圧をコントロールしつつ、ペリネの機能を維持するエクササイズを行います。

ペリネの機能を維持するエクササイズ
まず、腹式呼吸が行えるように姿勢を整えることからスタートします。
背骨を引き伸ばし、骨盤と肩との距離を最大限に遠ざけ(拡げ)ます。
この姿勢ができれば、呼吸は自然に、横隔膜を上にあげる腹式呼吸になります。
この腹式呼吸にペリネの動きを伴うエクササイズを行うことで、下部腹横筋も一緒に働き、ペリネの維持と同時に下腹部ポッコリにならない体型づくりにもつながります。


骨盤底筋のさらに奥にある深層筋群を鍛えます


骨盤底筋の深層筋群は、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋、座骨尾骨筋の3つがあります。
骨盤底筋体操で鍛えられるのは、手前の恥骨直腸筋のみと言われています。ガスケアプローチでは、さらに奥の深層筋群を鍛えます。骨盤底の深層筋群は、腹圧をかけると痛めてしまうため、鍛えるときには腹圧をかけないエクササイズをすることが大切です。

腹圧をかけないエクササイズ
膝を立ててあお向けに寝ます。
片脚は床につけたまま、反対側の脚を膝にのせます。
腟を締めて、息を吐き終わったら、口と鼻を閉じます。
この状態で胸を持ち上げながら鼻をすするように息を吸うマネをします。
すると、胸郭が上がり、腹部が凹み、腹直筋が伸び、ウエストが細くなります。
最後は、力を抜いてリラックス。
これをくり返すことで、深層筋群を鍛えられます。

骨盤底筋群の深層筋を保護するために知っておきたいこと

□骨盤を倒して背もたれに寄りかかる座り方はNG
□脚を組んで座るのはNG
□腹圧をかける腹筋運動はNG
□息を止めていきむ排便はNG
□いつもギリギリまで尿を我慢するのはNG

普段の姿勢が大切。背もたれに寄りかかる、脚を組むはNGです!

ペリネを保護するためには、普段の姿勢から意識することが大切です。
たとえば、椅子に座るときに背もたれに寄りかかる、足を組む、足をだらりと垂らすのはNG。ペリネの負担になると言われています。

正しい座り方は、大腿骨と背骨の角度を90°以内にして骨盤を立てて座ること。背もたれは、ないものと思いましょう。


ガスケアプローチを体験するなら...


産婦人科医の宋美玄先生が代表理事を務める日本ガスケアプローチ協会では、ガスケアプローチを体験できるクラスがあります。
「一般ペリネクラス」では、座位、立位、四つ這いなどの姿勢を整え、正しい呼吸を学び、ペリネをしなやかにするガスケアプローチエクササイズを行います。ほかに、妊婦クラス、産後クラス、腹筋クラスなどもあります。

一般社団法人日本ガスケアプローチ協会 http://www.gasquet-japon.com/

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mika_masuda.jpg増田美加(ますだ・みか)さん
女性医療ジャーナリスト。
2000名以上の医師を取材。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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