2017/11/24 10:30

禅僧が禅語で語る、感謝とは? Vol.3 「食事五観文」

みなさん、こんにちは。
前回は心、Something Greatへの感謝についてお伝えしました。無限の存在であり、その中で生かされていることへの感謝でした。

今回は、食を通して感謝について考えてみます。これは、自分の内側に意識を向けることになります

03.食事五観文(しょくじごかんもん)

曹洞宗や臨済宗の禅僧が食事の前に唱える経句で「五観の偈(げ)」ともいいます。私は修行を始め、最初に食事五観文を知った時は大変驚いたものでした。食事に対してこんなにも意識を向けるものなのかと。しかし、読んでみると自身を振り返ることができます。今日から、食事の前に唱えてみてください。


一つには功の多少を計り彼の来處を量る
(ひとつには、こうのたしょうをはかりかのらいしょをはかる)
二つには己が徳行の全缺と忖って供に応ず
(ふたつには、おのれがとくぎょうのぜんけつとはかってくにおうず)
三つには心を防ぎ過貪等を離るるを宗とす
(みつには、しんをふせぎとがとんとうをはなるるをしゅうとす)
四つには正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり
(よつには、まさにりょうやくをこととするはぎょうこをりょうぜんがためなり)
五つには道業を成ぜんが為に応に此の食を受くべし
(いつつには、どうぎょうをじょうぜんがためにまさにこのじきをうくべし)


1つめは、この食事はどこから来たのか。今、目の前にもたらされるまでにどれだけの天の恵みや人の労を経てここに在るのか、と記されています。
2つめは、自分はこの食事をいただくに相応しい正しい精神を持ち、行いをしているか
3つめの「心」とは慢心を指し、欲のままに貪り(むさぼり)食べてはいけない。愚痴の心(好き嫌い)を持ってはいけないと説いています。
そして4つめは、食事は良薬と捉え、肉体が滅びずに豊かな心を持つためのものである。
最後には、食事は修行であり、人間としての道徳を成就するため、仏道を成就するために、いただくのである。命をいただいていることに感謝をしなければいけない、と書かれています。

「食べる」という行為は、それほどのことなのです。

冒頭でも申し上げましたが、食事は自分の内側を観察する行為です。これを機に、食事の前に姿勢を整え、食事五観文を唱えてみましょう。テレビやスマホを見ながらの食事はやめて、食べることだけに集中してみてください。食事五観文を読んだら、丁寧にお箸とお皿を持ちます。一口分を箸で持ち上げ、じっと見つめ、食べものと向き合います。そしてそっと口の中にいれたら、お箸とお皿を置いて、目を閉じ、ゆっくり味わうように、いつもより20回ほど多く、噛み締めてみましょう。いのちを味わうことができるはずです。これから1週間、食事をいただけることに感謝を向けてみてください。

mukaisan_profile.jpg向井真人
(むかい・まひと)さん
臨済宗妙心寺派 長光山陽岳寺 副住職

1985年東京生まれ。2010年、禅寺である円覚寺専門道場から、深川の陽岳寺に移る。同年副住職に。門前仲町にあるお寺で坐禅会やヨガ、お茶の会などを定期的に開催。お寺ボードゲーム「御朱印あつめ」「WAになって語ろう」なども企画製作している。

「臨済宗妙心寺派 長光山陽岳寺」
住所:東京都江東区深川2-16-27
 TEL:03-3641-1580

アクセス:地下鉄メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」より徒歩3分

※ゲームの会やお茶会などのイベント情報は、ようがくじ「不二の会(ぷにの会)」

禅僧が禅語で語る、感謝とは?
Vol.1 「縁起」--禅語とは何でしょう?
Vol.2 「大いなる哉心や」--心はどこにあると思いますか?
Vol.3 「食事五観文」--食に向き合うこととは?

image/shutterstock

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