2017/08/10 12:18

【医師解説】睡眠時無呼吸症候群の診断と治療 病院選びのポイント

【医師解説】睡眠時無呼吸症候群の診断と治療 病院選びのポイント
【医師解説】睡眠時無呼吸症候群の診断と治療 病院選びのポイント
「睡眠時無呼吸症候群かもしれない」そう思ったとき、どの病院を受診すればよいのでしょうか?インターネットでは睡眠時無呼吸症候群の診療に対応していると書かれたホームページが多く見られますが、診断に欠かせない検査の内容は医療機関によってかなり違いがあるようです。検査の重要性と病院選びのポイントについて、駒ケ嶺医院 睡眠呼吸センター長の髙﨑雄司先生にお話をうかがいました。
【高崎雄司(たかさき ゆうじ)先生】駒ヶ嶺医院 睡眠呼吸センター センター長元東海大学健康科学学部教授、元日本医科大学第4内科助教授、日本睡眠学会評議員・認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医

睡眠時無呼吸症候群を治療する患者さんは増えているか?

睡眠時無呼吸症候群に関する情報はここ10年くらいでかなり増えました。受診するきっかけが非常に増えたことによって、たくさんの方たちが治療を受けていることはたしかです。しかし、一部の方は、情報が届かないなど様々な理由で未受診のまま放置しているととらえています。受診しなければならない方たちはまだまだ多くいるに違いないと考えています。

病院を選ぶポイント:インターネットの病院探しについて

最近は、インターネットで調べて医療機関を受診する方が多くなっています。ホームページなどで睡眠時無呼吸症候群の治療ができると書いている医療機関はいたるところにありますが、患者さんにしてみれば、どうやってインターネットの情報から選べばいいのかわからない方がほとんどだと思います。インターネットで見て、自宅で簡易な検査ができるところがいいと考えられる方が多いかもしれません。しかし、検査をしていくうちに、最終的には泊りがけで終夜睡眠ポリグラフの検査をしなければならなくなる方もたくさんいらっしゃいます。ですから、本来は最初から幅広い検査ができる医療機関を受診されたほうがよいのではないかと思います。

病院を選ぶポイント:睡眠時無呼吸症候群の診断方法について

現在、睡眠に関する検査を受けることができる医療機関はたくさんあります。しかし、たいていの場合は呼吸が止まっているかどうかということだけをみるような簡易な検査が主体で、睡眠の質に関わる詳しいところまで調べているわけではありません。検査の結果、息が止まっている主な原因は気道がふさがっていることだろうと診断されると、多くの場合は持続陽圧呼吸療法(CPAP)で治療するという流れになっています。しかし、本当は病像が隠されていることが少なくありません。ですから、本来であれば当院の睡眠呼吸センターで行なっているような終夜睡眠ポリグラフ検査をしっかり受けていただいたほうがよいと考えます。

病院を選ぶポイント:日本睡眠学会の認定検査技師が検査

我々の睡眠呼吸センターでは、日本睡眠学会の認定検査技師が終夜睡眠ポリグラフの検査を担当しています。他の施設でも臨床検査技師が睡眠の検査を行ない解析を行う場合があると思いますが、一般的には終夜睡眠ポリグラフ検査の経験があまりない施設が大多数を占めています。当院で行なっている検査では、患者さんが検査を受けている間は担当の検査技師が朝まで別室で検査データをモニタリングしています。たとえば寝返りをうって電極(センサー)が外れそうになったらまたつけ直すということもしますし、検査中に起こった出来事や患者さんからの訴えなどについてもすべて記録して残しています。そういったことも含めてきちんとした検査を行えば、それだけ正確な診断ができると考えます。大きな病院も含めてたいていの場合は、患者さんの身体にセンサーをつけるなど検査に必要なことはひと通り検査技師が行なったとしても、そのあとは病棟の看護師などに引き継いで帰ってしまいます。看護師は基本的に他の入院患者さんをみているため、終夜睡眠ポリグラフの検査で何か異常があっても対応できない場合がありますし、検査の内容も詳しくはわかりません。そのため、朝になって検査が終わってみると、一部のデータがきちんと取れていなかったというようなことが起こる可能性があります。過去に他の施設で統計を取ったみたところ、終夜睡眠ポリグラフのセンサーからのシグナルが途絶えてしまったために患者さんが寝ている部屋に入ってセンサーをつけ直すなど、検査中に担当の検査技師が何らかの対応をしている頻度は約50%でした。つまり、検査技師が朝までモニタリングをせずに帰ってしまった場合には、約50%の確率で完全な検査ができていない可能性があるということになります。

病院を選ぶポイント:検査データの解析は自動解析よりもマニュアル解析

我々の睡眠呼吸センターでは、検査データの解析をマニュアルで行なっています。それはなぜかというと、自動解析が必ずしも正確ではないということがよくわかっているからです。また、時間ごとに細かくステージ判定などを行う必要もあるのですが、そういったことをしっかり行なっている施設はかなり少なく、日本睡眠学会認定の102の医療機関(2016年7月1日現在)の中でも、おそらく半分ほどもあるでしょうか?患者さんがインターネットで病院のホームページを調べただけでは、これまで話してきたようなポイントはなかなか判断できません。その施設でできる検査の内容を明らかにした上で、できない部分については他の専門施設に紹介するという形をとっているのであれば、ある程度信頼してもよいでしょう。しかし、自分のところでできる範囲の検査だけで診断をつけてしまうと、患者さんが必ずしも適切な治療を受けられないということにもなりかねません。それぞれの医療機関においても、単に終夜睡眠ポリグラフの検査ができるということを示すだけではなく、本当はその内容まで開示すべきと考えます。たとえば日本睡眠学会の認定検査技師が朝までついて検査を行っていますということを明示していれば、その病院はそこまできちんとやっているということですし、逆に言えば明示していない施設はそこまで対応していないということになります。やっていないものをやっているとは言えませんから、そうすれば患者さんにとって病院を選ぶひとつの目安となるのではないかと考えます。

本格的な検査ができる医療機関は限られているのが現状

我々のような詳しい検査ができる医療機関がどこにでもあるかというと、実はそれほど多くはありません。夜勤に対応してくれる検査技師も必要ですし、人手や手間の部分でどうしてもできないというところもあります。本当はそのような場合にどこかに相談できるようなシステムがあればよいのかもしれませんが、現在の状況ではまだなかなか難しいところです。日本睡眠学会で医療機関を認定するとき、その医療機関でできる検査の内容をあまり厳格にしてしまうと、認定医療機関の数が限定されて診断が停滞してしまうということにもなりかねません。検査の質を上げようという努力もしなければなりませんが、一方では睡眠医療を普及させなければならないという面もあるのです。もしも患者さんの近くに本格的な検査が可能な医療機関がなければ、一般的な治療をされているところでまず診てもらい、睡眠時無呼吸症候群の治療へ進むということになります。たとえば中年以降で、明らかに肥満が原因で閉塞性の睡眠時無呼吸症候群が起こっていると思われる場合は、治療が開始されるとすぐにCPAPの適応になる方が圧倒的に多いので近くの医療機関で診てもらって構いません。しかし、そうではない場合には、本来は睡眠専門の施設で診てもらうことが望ましいと考えます。

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