2017/09/28 07:02

睡眠時無呼吸症候群が花粉症や頻尿での受診から判明することもある【医師解説】

睡眠時無呼吸症候群が花粉症や頻尿での受診から判明することもある【医師解説】
睡眠時無呼吸症候群が花粉症や頻尿での受診から判明することもある【医師解説】
<ドクターズインタビュー>東京都内に複数の診療拠点を有する医療法人順齡會では理事長の西澤寛人先生が早くから睡眠時無呼吸症候群の診療に力を入れ、虎の門病院と医療連携を結んで質の高いきめ細やかな診療を行っています。医療法人順齡會グループの4施設のひとつ「赤坂おだやかクリニック」で、西澤寛人先生にお話をうかがいました。【西澤寛人 先生】医療法人順齡會 赤坂おだやかクリニック 理事長(医療法人順齡會 おだやかライフ内科クリニック 院長併任)

睡眠時無呼吸症候群の受診と検査の流れ

私たちの睡眠時無呼吸症候群外来を受診される患者さんは現在かなり多く、初診の患者さんはこの赤坂のクリニックだけで月に50から100人というところです。まず初診で来られた方には自宅で行う簡易検査をしていただいています。この簡易検査の結果だけでも、たとえば仰向けで寝たときに無呼吸が多いことや、横向きに寝ると無呼吸がまったくないなど、かなり詳しいことがわかることがあります。簡易検査でそれほど異常がない患者さんに関しては、横向きで寝るための枕を使って様子をみていただきます。横になって寝ていてもある程度無呼吸がみられる方や、かなり高い頻度で無呼吸がありそうな患者さんに関しては、終夜睡眠ポリグラフ(PSG検査)という、より精密な検査を受けていただくことになります。PSG検査に関しては、医療機関にひと晩泊まって行うパターンと在宅で行えるパターンの2つがありますが、最近は在宅での検査を選ばれる方がほとんどです。在宅での検査でも、ご自分で顔に5か所電極を貼っていただくと脳波を測ることもできます。ご自宅での脳波測定は医療保険の診療報酬算定でも認められているので問題はありません。ただし、ご自分で電極をつけることが難しい患者さんの場合には入院して検査を受けていただきます。入院の場合は、医療連携を結んでいる虎の門病院に電話を入れ、入院日を調整して予約を入れます。患者さんは直接虎の門病院へ行っていただき、検査を終えて退院されると結果がこちらに送られてくるという流れになっています。入院での精密検査の場合は、検査費と入院費、ベッド代等で約4〜5万円かかります。一方、自宅でご自身が行う場合は検査費用と再診料ぐらいしかかからないため、コスト的にも1万円ちょっとの負担で精密検査ができるというメリットがあります。また、夕方入院して翌朝帰れるといっても、一晩中病院に拘束されたくないという方もいらっしゃいますし、病院のベッドではなかなか眠れないという方もいらっしゃいます。そういった点でも在宅の検査は患者さんにとても喜ばれていて、当院を受診される方は在宅の検査を選ぶことが多くなっています。

花粉症・アレルギーの患者さんにも実は睡眠時無呼吸症候群の人が

当院では花粉症やアレルギーで受診される方も多くいらっしゃいますが、実は花粉のシーズンだけでなくいつも鼻が詰まっていて苦しいというので検査をしてみたら、実は睡眠時無呼吸症候群だったというケースもあります。その場合には鼻の状態をよくすれば睡眠時無呼吸症候群がある程度改善され、症状がよくなるという患者さんもいらっしゃいます。

夜、何度も目が覚めてトイレに行くのは睡眠時無呼吸症候群かも?

睡眠時無呼吸症候群では、夜寝ている途中で何回も目が覚めてしまうということがよくあります。また、トイレに行く回数が多いというのも、実は無呼吸が原因で睡眠が浅いためにしょっちゅうトイレに起きているという可能性があります。ですから、患者さんの悩みが「何度も目が覚める」「トイレが近い」というものであっても、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれませんのでいびきをかいていないかご家族に訊いてみてください、というお話をすることがあります。ある程度年齢が高くなると、夜に何回もトイレに起きるので気になって泌尿器科に相談するという方も多くなります。男性であれば前立腺肥大かもしれないということで薬を出してもらっていたり、女性でも頻尿の薬を出してもらっている方たちの中には、実は睡眠時無呼吸症候群だったというケースもあると考えます。女性の場合、更年期を境に睡眠時無呼吸症候群が多くなってくるため、更年期前は意外に少ないという特徴があります。その一方、男性では年齢にあまり関係なく発症しています。現在、私たち順齡會グループの中でもっとも若年のCPAPユーザーは8歳です。そのお子さんは扁桃腺が大きいため寝ていると1時間に50回ぐらい呼吸が止まっていたのですが、年齢的に手術はまだしたくないというので今はCPAPを導入しています。

意外に見過ごされている子どもの睡眠時無呼吸症候群

これからは子どもの睡眠時無呼吸症候群も重要になってくるのではないかと思います。現代は飽食の時代ということもあり、肥満のために子どものうちから無睡眠時無呼吸症候群が起こることもありえます。その結果、学校で集中力がなくなったり授業中に眠くなってしまうことも考えられます。居眠りをして学校で怒られてしまうようなお子さんの中にも、実は睡眠時無呼吸症候群だったというケースがあるのではないかと思います。お父さんお母さんからみて、学校でよく寝てしまうと怒られる、集中力がない、太り気味である、いびきをかいているなどの条件が当てはまるようであれば、睡眠時無呼吸症候群の検査を一度受けていただいてもよいのではないかと考えます。あまり小さいお子さんは難しいと思いますが、小学校中学年ぐらいから上の年齢であれば検査をして診断することは十分可能です。

睡眠時無呼吸症候群の治療-CPAP治療とOA治療について

精密検査の結果、AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の患者さんはCPAP(Continuous Positive Airway Pressure;持続陽圧呼吸療法)の適応となるので、多くの場合は治療としてCPAPの導入を行うということになります。ただし、CPAPの使用が難しい、あるいは使いづらいという患者さんにはOA(Oral Appliance: 口腔内装置)治療といって、スリープスプリントと呼ばれるマウスピースを作製し、寝るときに装着するという治療を行います。マウスピースに関しては現在、保険で使えるものと保険外のものがあります。いずれも下顎を少し前に出すことによって舌が落ちないようにして寝るというものですが、多少顎関節が痛くなるという難点があります。また、保険で使えるマウスピースは一体型で口を開くことができないため、少し苦しいと感じることもあります。保険外のマウスピースには、上下が分離式になっていて口を開くことができるソムノデントという製品がありますが、機構は同じなのでやはり顎関節が少し痛くなる方もいらっしゃいます。マウスピースは歯科医院で専用のものを作ってもらう必要がありますが、当院では連携している歯科医院をご紹介するか、もしくは医療連携を結んでいる虎の門病院の歯科で作ってもらうという形をとっています。

鼻から挿入するチューブはCPAPが使えない状況で補助的に利用する

いびきを改善するために鼻からナステントというチューブを挿入する方法がありますが、たしかにそれを使うことによって睡眠時の無呼吸がよくなる方はある程度いらっしゃいます。舌根(ぜっこん)が喉の奥の方に落ちてくると空気の通り道が狭くなっていびきになります。そこに圧をかけながら空気を送り込んで狭くなっているところを広げるというのがCPAPの仕組みです。一方、ナステントは最初からチューブを入れておいて舌根が喉の奥にぶつからないようにするというのが基本的な考えで、空気の通り道がそこで確保されます。私がナステントを処方しているのは、普段CPAPを使っている方が海外旅行で長時間飛行機に乗るような場合が多いです。現在、JALやANAの機内ではCPAPを使うことができるとアナウンスされていますが、状況によっては機内でのCPAP使用が難しいこともあるため、そのような場合にナステントを使って寝るようにしてもらっています。私自身も睡眠時無呼吸症候群でCPAPを3台所有しており、普段寝るときにはCPAPを使っていますが、海外旅行に行く飛行機の中では、機内食が出た後にナステントを鼻に挿して寝るようにしています。ナステントは一時期販売を見合わせていましたが、販売再開にあたって提供方法が変更となり、現在は医療機関で医師の指示書を入手していただいて購入することになっています。医療機器として登録されている製品ですから、私も本来はそういった形のほうが適切であると思います。患者さんの判断だけでナステントを購入して使い続けていると心配な面もあります。患者さんとしてはいびきが減るのでナステントだけを使っていても満足されるかもしれませんが、仮に80だったAHIが半減して40になっていたとしても、AHIが40というのは依然として重症の状態であり、何ら治療をしていないのと変わりません。つまり、合併症や今後の生命予後などのリスクが十分低減できていない状況なのです。ですから、ナステントを処方するにしても、最低でも簡易検査をした上で本当にナステントだけでいいのかどうかというところを患者さんにきちんと説明するべきであると考えます。

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