2018/01/09 13:43

フェイクに注目が集まる時代に 映画『否定と肯定』で考える“嘘”と“真実”

© DENIAL FILM, LLC AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2016
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 トランプ米大統領が今月中旬、フェイクニュース賞を発表するらしい。「間違いが多く偏向したメディア」が受賞対象だ。逆に、側近が大統領を「まぬけ」と言っているなどと暴露した本「炎と怒り」も話題となっており、何が本当で何が嘘なのかに世界が注目している。誰もが情報の海を泳いで、個人的な判断を繰り返す時代、ホロコーストを否定する歴史家とホロコースト研究者の対決を描いた映画『否定と肯定』は、事実と解釈、そして嘘の境界線を再考する教材として出色の作品だ。


© DENIAL FILM, LLC AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2016

 現代ユダヤ史とホロコーストについてアメリカの大学で教えているデボラ・リップシュタット氏が、歴史家であるイギリスのデイヴィッド・アーヴィング氏を著書の中で「ホロコースト否定論者」と呼び中傷したとして、名誉棄損で訴えられた裁判を記録した物語が原作。「歴史上の事実を裁判で争うなんて馬鹿げてる」というリップシュタットが、「ガス室は存在しなかった」という主張に反論するため、弁護団とともに原告の主張を分析する中で浮かび上がるのは、文書の一部を曲解したり、誤訳したり、記憶の曖昧さを逆手にとって、その真実性への疑念を広める手法。我々が今、さまざまな論戦を見ながらふと首を傾げる瞬間を振り返ってみると、デジャヴュな感覚は否めない。

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