2019/01/25 12:52

のんびり・ほっこり・ワクワク 子どもと楽しむ庄内地方・鶴岡の旅

雪の中にたたずむスイデンテラス
雪の中にたたずむスイデンテラス

 日本有数の米どころ、山形県の庄内地方。東京からは、新幹線と特急を乗り継いで約4時間、飛行機だったら羽田空港から庄内空港(酒田市)まで1時間で行くことができる。庄内の旅というと、海の幸、山の幸に温泉と、大人がくつろぐイメージが強いかもしれないが、実は、小さな子どもも含めた家族連れでも楽しめるポイントが随所にある。昨年9月にオープンした庄内地方・鶴岡市の新しいホテル「スイデンテラス」をことしのお正月に訪れてみた。乳幼児から小学生までを対象にした屋内遊戯施設を備え、休日には家族連れが多く訪れるスイデンテラスを中心に、鶴岡の子連れ旅を紹介したい。

■田園の中にたたずむホテル「スイデンテラス」

 田園にそっと浮かぶように建つ「スイデンテラス」。季節によって多彩に表情を変え、雪景色の中の冬場も、大きな存在感を放っている。夜間や日の出前に、暗闇の中にたたずむ姿は幻想的だ。デザインは、世界的に活躍する建築家、坂 茂(ばん・しげる)氏が手掛けた。館内に足を踏み入れると漂うのが、木の香り。木造屋根にはスギ・カラマツがふんだんに使われ、143室ある客室も、全て木造。寒さが厳しい季節に訪れても、木に囲まれた空間に入ると、ホッと心が温まる。

IMG_0477


IMG_0467 スイデンテラスの開発・運営をするのは、庄内地方で街づくりを目的とした事業を展開する企業、ヤマガタデザイン(鶴岡市)。慶應義塾大学や鶴岡市などのバイオテクノロジー研究所やベンチャー企業などが集う「サイエンスパーク」の敷地内に建てたスイデンテラスには、旅で訪れる人たちにくつろいでもらうだけでなく、地元の人たちにも気軽に立ち寄ってほしいという願いが込められている。小さな子から大人までが楽しめる1000冊規模のライブラリー、レストランのほか、源泉掛け流しの天然温泉やフィットネスを、地域住民にも開放している。

IMG_2830


■雨雪の日も思いっきり遊べる「キッズドーム ソライ」

 スイデンテラスの目と鼻の先には、市外・県外から訪れた乳幼児や小学生も遊べる場「キッズドーム ソライ」がある。こちらも昨年11月にオープンしたばかり。個性的なネーミングの由来を、副館長の土屋陽子さんが教えてくれた。江戸時代の儒学者、荻生徂徠(おぎゅう・そらい)が確立し、庄内藩の教育の基本となったのが「徂徠学」。天性・個性を重視する徂徠学の教えをコンセプトとして取り入れているソライは、「子どもの本能と創造性が爆発する遊び場」を目指しているという。

IMG_2943 IMG_2929

 どんな遊び場なのかというと…。「アソビバ」と「ツクルバ」に分かれる館内。「アソビバ」は、高さ6メートルの屋根まで張り巡らされたネットや、木製の傾斜面で滑ったり走ったりして遊べるバンクが特徴だ。アソビバ内のスペースで、子どもの年齢制限は基本的に設けず、自由に遊びを生み出してもらうことをコンセプトにしている。常駐のスタッフが安全面を見守る中、木の斜面を小学校高学年の子が手足を広げて滑ったり、ヨチヨチ歩きの小さな子が保護者と一緒に滑ったりしている自由な空間だ。

様々な年齢層の子どもたちが自由に遊べる全天候型のドーム IMG_2883 IMG_2881

 「ツクルバ」には1000種類を超える工作の素材や、はさみやのりなどの基本的な工作用具から、3Dプリンターやレーザーカッターなどの専門的なものまで200種類の道具がそろい、訪れた子たちが、素材や道具を自由な発想で使える。ツクルバのスタッフの半数が、美術を専門的に勉強していた人や、教員や保育士などの経験者。道具の使い方や、素材の生かし方などを子どもたちにアドバイスする。たくさんの素材と道具に、ワクワクする空間。工作に夢中になると、1~2時間はあっという間。アソビバとツクルバを合わせて、半日以上、子どもは思う存分、楽しむことができるだろう。


IMG_2907


 エネルギーをたくさん使ったら、スイデンテラスに戻り、ランチを食べて温泉につかって休むのも、ぜいたくな過ごし方。スイデンテラス宿泊者はソライの利用料が半額になるプランも用意されている。ランチは「IRODORIセット」(1,200円、キッズプレート500円)のみだが、ワンプレートにご飯、カレー、惣菜が盛り放題。おなかと相談して残さず食べられる量をたっぷりと盛り付ければ、食欲旺盛なキッズも大満足できる。

IMG_2951 IMG_2949

■水族館、出羽三山、映画村…ファミリーで楽しめるスポットいろいろ

 鶴岡市には、以前、11月初旬の時期にも子連れで訪れたことがある。同市にある「クラゲドリーム館」の愛称で知られる「鶴岡市立加茂水族館」は、年中無休で、常時50種類のクラゲの展示数は世界一の規模。ゆらゆらと動く幻想的なクラゲの姿に癒やされるもよし。展示室にある「クラゲ解説コーナー」で、さまざまな成長段階のクラゲを観察したり、クラゲの給餌方法についての解説などをじっくり聞いて、クラゲの豆知識を得るもよし。庄内地方の淡水魚や海水魚を、川から海へと流れていくストーリーの中で観察し、食文化を学ぶこともできるほか、冬場以外に体験できる、ウミネコに魚を投げるエサやりも楽しい体験だ。水族館で観察したガサエビは、冬場が旬。庄内地方の旅の思い出として、唐揚げ、天ぷら、刺し身などで、ぜひ味わいたい。

 また、鶴岡市といえば、多くの観光客が訪れるのが出羽三山神社。月山神社、出羽神社、湯殿山神社のうち、月山と湯殿山は冬期は閉山するが、出羽神社は、冬期も参拝できる。雪をかぶった羽黒山の厳かな雰囲気など、冬ならではの魅力もあるが、小さな子どもも含めた親子連れで行く際には、雪のない時期を選び、木々が放つエネルギーを感じながらのんびり歩くのも楽しい。羽黒山参詣道の近くには駐車場もあり、車で訪れることができる。鶴岡を訪れた際には、ぜひ、平将門が建立したとされる美しい羽黒山の五重塔を見にいこう。

23031247_1465292180215187_1363300321969462306_n



 特に映画ファンではないが、幼児、小学生の子どもたちと訪れてみて面白かったのが、「スタジオセディック 庄内オープンセット」(営業期間は4月下旬~11月中旬)。鶴岡市街地から車で20分ほどの月山山ろくに位置し、映画の撮影のために建てられたセットをそのまま保存して一般公開している撮影所だ。88ヘクタールの広大な敷地内に、「漁村」「農村」「宿場町」「山間集落」などテーマごとの撮影セットがある。テレビドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの聖地としても知られる。場内は循環バスが走り、漁村エリアには、ダンボール迷路や古い着物の貸衣装、弓矢体験ができる矢場などの遊びスポットも。昔の時代の日本にタイムスリップしたような感覚を味わえる空間。自然や素朴な散策が好きな人には、ぜひ訪れてみてもらいたい。

■冬場ならではの魅力、雪景色と白鳥

 最後に、やはり自然豊かな土地で楽しみたいのは、その土地ならではの風景だ。鶴岡市内の大山上池・下池は、白鳥やカモ類など渡り鳥の楽園。冬場の早朝には、田んぼに向かって“朝ごはん”を食べに、グループで飛び立つ白鳥たちの姿が見られる。頭上を大きな体で飛んでいく白鳥の姿は壮観だ。夏場は、池一面がハスで覆われる光景が見られる。

1月上旬、午前7時ごろの大山下池

 そして、何と言っても印象深いのは、見渡す限り広がる田んぼ。スイデンテラスを目の前にして感じたのが、“低層階のマンション”のような雰囲気。高層の建物がなく田んぼが広がる環境に調和した設計により、建物から自然な目の高さで山や平野を見渡すことができる。ヤマガタデザイン・広報担当の長岡太郎さんは、「旅行者はもちろん、ビジネスで訪れた人にも、庄内の魅力を感じてファンになってもらいたい」と話す。

IMG_0480

IMG_2962

【おわりに】

 季節によってさまざまな楽しみ方ができる鶴岡の旅。2回訪れて、鶴岡を中心とするこの地方のファンになったわが子のリクエストにより、わが家では、庄内で生まれたお米「つや姫」がブームだ。素朴な魅力にあふれる庄内地方、ぜひ、多くの人に訪れてみてほしい。



リビングルームと寝室が1階と2階に分かれたメゾネットタイプの部屋。大人が4人まで泊まれる。










周辺企業から寄せられた廃材も工作に活躍



豊富な絵の具を備えたコーナーも人気





五重塔の隣に立つ樹齢1000年といわれる老杉


杉並木の中に立つ五重塔




今日の運勢

おひつじ座

全体運

元気いっぱいで過ごせるラッキーデー。積極的にいこう。今日始...もっと見る >