2017/06/03 07:00

【著者に訊け】坂口恭平氏 詩的文体描く青春小説『しみ』

坂口恭平氏が青春小説『しみ』を語る
坂口恭平氏が青春小説『しみ』を語る

【著者に訊け】坂口恭平氏/『しみ』/毎日新聞出版/1400円+税

 2004年の『0円ハウス』や2012年『独立国家のつくりかた』は衝撃的だった。その斬新で、ある意味真っ当な人生哲学もさることながら、この人の言葉はなぜこうも力強く人を射抜いてしまうのかと、純粋に驚いたのだ。その人・坂口恭平氏が、近年は精力的に小説を発表。例えば本書、『しみ』である。

 舞台は主に八王子。相模湖でヒッチハイク中だった当時21歳の〈ぼく〉を拾い、ねずみ色のポルシェに乗せてくれた謎の男〈シミ〉がどうやら死んだらしい喪失後の場面から物語は始まる。

 長崎のボンボンで先祖はシーボルトの弟子ともいうシミの周りには世間一般からは逸脱した愛すべき面々が集い、ぼくは彼らとの日々を回想する一方、〈シミはいまも八王子の浴室でシャワーを浴びながら笑っているんじゃないか〉とも思う。それは夢のようでいて〈ぼくの中では事実〉であり、著者自身の青春でもあった。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

反抗心が強くなりそう。その気持ちを自分のオリジナルなやり方...もっと見る >