2017/06/09 16:00

ヒトラーに対する抵抗運動を行なった市井の夫婦を描く映画

【映画評】ヴァンサン・ペレーズ 監督「ヒトラーへの285枚の葉書」

 ナチス政権下のベルリンで平凡な庶民の夫婦が、ひそかにヒトラーに対する抵抗運動を行なっていた。と、書くとフィクションのように思われるが、実話だという。

 一九四〇年。前年、第二次世界大戦が勃発し、ドイツは近隣諸国を征覇し、この年にはパリを占領下に置いた。ヒトラーの絶頂期であり、ドイツ人の大半が独裁者を支持していた。その時代に、ヒトラーに異を唱える小市民がいたとは驚きである。ベルリンに住む労働者階級の夫婦(ブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソン)は、ある日、息子が戦死したという通知を受取る。戦争の犠牲になるのはいつも戦争を望まなかった庶民だ。

 最愛の息子を失なった夫婦は、戦争を始めたヒトラーに疑問を持ち始める。なんとか抗議の声を上げたいが、強大な権力の前に庶民夫婦が出来ることなどある筈がない。

 しかし、ある時、夫はひそかに抗議の手紙を書くことを思いつく。ヒトラー批判のポストカードをひそかに町なかに置く。それが多くの人の目にとまればいい。

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