2017/08/02 16:00

【書評】香山リカ氏も感心する「悪」の働きの抑え方

【書評】『悪の正体 修羅場からのサバイバル護身論』/佐藤優・著/朝日新書/780円+税

【評者】香山リカ(精神科医)

 現代社会を生き延びるためには、「悪魔」の存在に敏感にならなければならない。本書の著者は繰り返しそう言う。「悪魔? なんだオカルトの世界の話か」と思ってはいけない。著者が言う「悪魔」とは「悪が人格化したもの」であり、それは今も存在する。それどころか「権力とカネをめぐる腐敗の構造、すなわち悪の構造は、時代を経ても変わらない」中、「悪魔」は今ますますその動きを活発化させているようだ。

 もちろん、私たちのような小人物がいきなり「悪魔」になるわけではないようだが、著者によると、悪は誰の中にも潜んでおり、いったん悪にとり憑かれると「個人的な活動の限界も、個人的な責任の限界も越える」という性質がある。たしかに「どうしてあの人が」というような善良そうな人が、ある状況や組織の中に置かれると、あっと驚くような不正や悪事を働いてしまう例も少なくない。

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