2017/09/01 07:00

【書評】社員が自由で最高だと信じている企業文化の闇をえぐる

【書評】『スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家』/ダン・ライオンズ・著 長澤あかね・訳/講談社/1800円+税

【評者】森永卓郎(経済アナリスト)

 衝撃的な面白さと絶望的な深刻さを兼ね備えたノンフィクションだ。著者は、ニューズウィークをリストラされた技術系記者。生活のために、新興IT企業のハブスポット社に再就職する。

 ところがこの会社が、とんでもない代物だった。大学を出たての若者が、カジュアルな服装で集い、自社内しか通用しない符牒で会話する。彼らは、素晴らしい会社で働ける選ばれた人間だと教育される。

 社内にはキャンディ・ウォールという無料の菓子と飲物が供与される場所が設置され、莫大な経費をかけた社内イベントでは、社員は大いに羽目を外す。だから、社員は、会社も自分も最高だと信じている。しかし、彼らに高い報酬が支払われるわけではなく、厳しいノルマの下で、働かされる。そして、ノルマが達成できなければ、会社から「卒業」させられるのだ。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

感情のアップダウンが激しくなりそう。怒りのあまり八つ当たり...もっと見る >